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紫の話

パープル、紫は好きな色。寝室のカーペットは紫ギャベのグラデーション、ベットのシーツはラベンダー。掛け布団も藤色ベースの果物模様。

口紅の透明感ある紫は好きな色。

紫、パープルのイメージは一般的に高貴、神秘的、ミステリアス、華やか、怪しい、魔術的などがあるが、

この紫のこういったイメージはどんな物語から由来し、どのような心理的作用をもたらすのか?

”色は語る” 著者山崎恵子さんの本に書かれていた内容が興味深いのでご紹介します。

まず、紫の歴史から。古代、紫いろを抽出法方は、紀元前1500年ごろの地中海のフェニキア地方の巻き貝の分泌液で染められた貝紫(プルプラ/パープル)。この貝から得る紫の染料を得るには1gを取得するのに2000個以上は必要で、しかもそこからいくつもの大変な工程を経て染料となり糸に染めて、織られ、やっと美しい色の布が完成する。とてもとても貴重な品だったそうでう。

もちろん手にできるのは聖職者や王侯貴族。これが紫は高貴な色と言われる所以。この高貴な色を好んだ歴史上の人物はカエサル、クレオパトラ、狂気の皇帝カリグラなどが有名です。

王族を魅了したプルプラ(パープル)は9世紀ごろに歴史から消えてしまいます。貝を乱獲してしまったのが原因。こののちに似たような色は作られましたが、プルプラのような色は作れなかったそうです。

実は貝紫は世界中にあり、日本でも貝紫で染めた繊維は発見されています。日本の紫の色は青紫、紫、赤紫など色変化もあり、とても美しいグラデーションがあり曖昧な色合いが刺激的で人を魅了していたのだと思います。

古代日本では紫は高貴さと雅の象徴でしたが、これを政治にとりいて活用したのが”冠位十二階”が制定された時です。順位は上から、紫、青、赤、黄、白、黒で各色濃淡があり全12色で構成されていました。

<どうでもいいですが、戦隊もので5人の設定だと、紫ってないですね。なんでだろ・・??>

その他の国も一様に、紫の染料を作り出すのは安易ではなく、それ故にそこに物語が生まれてくる。そしてその色が魅惑的で美しいとあればなおさらのこと。人が紫に対して国や文化が違えども上記のようなイメージを持つことが面白いですね。

また紫は色のスペクトルでもその一番端に位置するためです。可視光線のグラデーションは赤から始まり、紫で終わります。

もしくは紫自体が色のレンジ幅があるため、クラデーションにより可視光線の中に織り交ぜられて見えることもあり、それがまた魅惑的要素を兼ね備えているとも言えます。

人間の身体でいうと紫は斑点、あざ、寒いと唇が紫いろになったりもする、ちょうど血液の赤色が徐々に黒になる通過地点の色が紫。不健康な色とも言えます。ちょうど生命の間の色とも言えますね。

それ故に神秘的であるとか霊的であるとか少し納得がいきます。

赤や黒のようにわかりやすくなく、その間の色。揺らめく色が紫。

だから人々に多様なイメージと魅惑を齎す色の所以なのでしょうね。

あなたの好きは紫はどんな色ですか??


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