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【ラノベ新人賞】陽キャになった俺の青春至上主義/プロット分析,抽出

●全体の特徴
・三幕構成ではないですが、わかりやすく三幕構成として分析。
・サブプロットの串刺し構成、セントラルクエッションはない。
なので主人公オンリーと言うより、各章に出てくるヒロインを軸にメインプロットが進む。ワンクールのアニメ的進め方。
・サブプロット構成なので伏線なしにいきなりイベントが出たりもするが、違和感はそんなにない(伏線あったほうが完成度は上がると思うけど)

●ちょっと感想
・日常系アニメを一冊のラノベでやろうとしたら、多分こうなる気がする。
・後半の25%くらい全くお話が進まない(伏線は張る)という構成だが、そもそも物語の目的がないし、お楽しみパート&文体が軽いのでサクっと楽しんで読める。これぞラノベ。多分普通の小説じゃ飽きられてしまう。

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※●はメインプロット、Sはサブプロット

●掴み
・主人公にどんな「問題」があった過去だったかさらっと説明(陰キャだった)

●セットアップ1
・その克服した問題と、全く同じ状態の人物として現れるヒロイン

●インサイティングイベント
・真逆の性質(陽キャ)になった主人公が関わる(多分大抵は助ける)ことで、ヒロインが一方的に興味を持ってくる。あからさまなに不器用な接近だが、好意があるのはわかる

●冒険の誘い→拒否
・しかしその好意を受けられない理由がある(別な人を好きだったり、昔の自分を思い出すから嫌だったり)

●問答
その理由を逸話で紹介。ここで主人公が勇気を出して変わったことを紹介。でもヒロインのまっすぐな気持ちにちょっと揺れる主人公。しかし誠意を持って断る。この時、ヒロイン自身が真逆の性質であるから断られた、とヒロインは知る(そういう風に主人公は理由を告げる)→ヒロインが変わるきっかけを与える

●食らいつく
・ふったことを気にしていたが、ヒロインは勇気を出して性質を変えてくる(見た目は陽キャになる)。同じ勇気のだしかたで、主人公は共感する。
・しかし変わり方が斜め上でずれていて、コミカルな感じになる。しかしそれが周囲に受けて、結果的に主人公にもその回りの友人にも受け入れられ、グループとして所蔵することになる

15% プロットポイント1 グラデーション気味に2幕へ。

●セットアップ2
・全く接点のない人物(キャラA)が、主人公と異物が接触したことにより、関わろうとしてくる
主人公は不思議に思い、情報を得る(今回は仲良くなったヒロインから)

●インサイティングイベント2
・ふとしたきっかけでキャラAの秘密を知り、得た情報で何故接触しようとしていたのか知り、注意しながらキャラAの背中をおす。(ヒロインを取られたのが悔しかった)が、キャラAは拒否(今回はプライドが理由)

●情報を得る、作戦を練る
・キャラAも昔の主人公と同じ性質。ここで放って置けない主人公は再び情報収集し、相手のゴーストも知る(軽いいじめにあっていたゆえの現在の態度)
・主人公がキャラAを気にかけていることを察し、支援者が手を貸してくれる。主人公、ヒロイン、キャラA、支援者で仲を深めるイベントに。(休日出掛けることになる)

●お楽しみパート、ピンチポイント1
お楽しみパート中キャラAと支援者が揉め、どこかへ行ってしまう。探しに行くと過去のゴーストに出会っているキャラA。主人公は勇気を出してキャラAを救う。
その後支援者とキャラAはすぐに仲直りする。キャラAは今回のイベントで主人公へ好意を寄せる。

S1 【依頼】
ヒロインとキャラAの現状を打開させた実績で依頼者が現れる。新たに救ってほしい相手を頼まれる(これも元々主人公と同じ性質のキャラ、以下キャラB)。だが今回は一癖あるやつで、主人公が苦手な性格をしていてあまりやりたくない。

S1 【問答】→【プロットポイント1】
・一旦仲間とのイベントで逃避、しかし過去の自分に似ているキャラBを放っておけない
仲間と共にキャラBを軽く助ける

S2【問答】
・中盤より少し手前のこの辺りから、主人公の本当に必要なものが見えてくる。これは昔のトラウマを越えたことで失ったものであり、今のヒロインとキャラAはまだ持っているもの(本当の自分的な、本当に好きなものを真っ直ぐ持っていることを羨ましく思う。自分は変わって良かったのかと少し悩み始める)
自分のしていることに疑問を持ち始めたが、支援者に背中を押される

S1【ピンチポイント2】
・背中を押されたことで再び助ける、助けを拒否するキャラBの本音を聞き出す。主人公の本当に必要なものと絡ませる。(変わりたい変わりたくないに関すること)。主人公は過去の自分を見せて変われたことを示し、キャラBを納得させる。

S1【プロットポイント2】
・後日変化を遂げたキャラBが災難を自分で振り切る勇気を出し、主人公と仲間が協力して問題を克服する

S2【忍び寄る悪者】依頼を終えたことにより依頼者から声がかかる。依頼への感謝と、依頼にて主人公自身が気付いた危うさを指摘する(変わったことにより窮屈なのではないか)主人公は克服しているつもり。

50%

・メンバーとのお楽しみイベント。話の進展はほぼない。クライマックスで関わる敵の存在や葛藤の伏線を張る。
・支援者の闇がチラ見え、主人公が支えになってより仲良くなる。ヒロインと主人公の悩んでいたことについて話す(昔同じ性質たったことを黙っていて、主人公は罪悪感を持っていた)

75% グラデーション気味に三幕へ

●クライマックスへの準備
・とあるイベントがあることを仄めかす(クライマックスによくある、一人がみんなの前で何かやるようなこと。試合、演説、裁判、プレゼンなど)

S3【忍び寄る悪者】
・ヒロインの元気があまりない。
・仲間が絡まれて助けたりなんだりで揉める。これは以前から伏線あり。完全な敵が一人いる。他は部外者である依頼者が仲介して事なきを得る。その流れで、敵とヒロインが関わりあること知る。

●新しい価値観の攻撃
S3【ピンチポイント2】
・敵が関わってくる。ヒロインが攻撃を受けていることを知る。元気がない理由。これは主人公の克服した過去にも関わっている(陰キャをバカにしてくる)
・主人公はヒロインにその事を聞くが、どうやら元気のない理由が他にもある様子

・揉め事の尾が引いていて、仲間と腹を割るような話を個々にしていく。それぞれが本当の自分を大切にしていることを知り、主人公は物語のテーマについて考え出す。仄めかされたイベント(クライマックス)に対して、ヒロインを救うために準備していく。

●最後の晩餐
・ヒロインに手伝ってもらい、敵以外の悩みを聞く。(前のイベントにより)自分が変わりきれていない、主人公と同じ舞台に絶対立てないことを悩んでいた。
・主人公はこれまてに学んだ自分が変わって気付いたこと、変わらないことで気付けることでヒロインを助けようと思い、ヒロインに内緒で仲間の地下を借りて準備

●クライマックス
・最後のイベント(プレゼン)の中で、主人公は幽鬼を出し、自分のゴーストを公衆の面前でさらけ出すことでヒロインの背中を間接的に押す。これは途中にあった自身の「これで良かったのか?」の葛藤にも決着がつく内容(「こうしたいよりも、こうしなきゃが先行するのは悲しいことだと思います」+見られたくなかった過去を晒す)。

●真のラスボス
・勇気づけられたヒロインは、再度敵の接触に初めて応戦する。敵は面食らって反撃できない。主人公は敵にも色々あのだろうと少ない会話の中で思う。

●エピローグ
成長した主人公、元気が戻ったヒロイン、仲間達とわいわいやっているシーン

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