見出し画像

軍用機ってのはやっぱりソビエト的デザインが好きだ

 先日、日本でブルーインパルスが一般の人たちに向けて飛んだそうで。ブルーインパルスは航空自衛隊の国産練習機T4が採用されている。ブルーインパルスは初代はアメリカから供与されたF86が採用されていたが、2代目以降は国産ジェット戦闘機になった。

 国産航空機とはいえ、雰囲気はアメリカの戦闘機のような形状だ。ボクの中で軍用機といえば西欧のデザインより、ソビエト的なデザインが好きだ。アニメ映画「王立宇宙軍 オネアミスの翼」に登場する軍用機がそのまま現実になったようなイメージがボクの中にあるからだ。初めて映画館で観た長編アニメで、ボクの中で思い出に残っていることもあって、デザインにワクワクしてしまう。

画像1

 誤解のないよう言っておくと、ソ連的な航空機がいいというのは「兵器」としてどうのではなく、あくまでも飛行物体としての「デザイン」がいいって話だ。あくまでもオネアミスの翼に出てきた飛行機などの形っぽくていいということで。

 この画像のヘリコプターもいいじゃないか。コックピット周りのセンスがすごい

 ソ連版のスペースシャトルがアメリカのスペースシャトルとほとんど同じ形だけれども、アメリカの研究者はつきつめて行くとスペースシャトルはあの形になるとかで、模倣ではないとされているというのをどこかで読んだことがある。だから、ソ連側も西側と同じセンスがあるのに、飛行機はこういうなんとも不思議なデザインになるのがおもしろい。

 ちなみに日本では「ヘリ」と呼ぶが、本当の分け方はヘリコ・プターらしい。だから、タケコプターのネーミングはちょっと間違っているようだ。

画像2

 これもすごい。回転翼が2段になっていて、上と下で反対に回すことで、トルクを打ち消し合っている。だから、テールローターがない。

 この回転翼の方式は二重反転式ローターと呼ぶのだが、構造的にも複雑だし、操縦も難しいらしく、西側ではほとんど採用されていない。展示品の説明を忘れたが、たぶんこの画像のヘリはカモフ社と見られる。カモフ社のヘリはこの二重反転式ローターを採用しているヘリが多いからだ。

画像3

 これもいい。ずんぐりとした感じで。飛んでいるところを見たいと思わせる。

 ハノイのノイバイ空港は旅客ターミナルから見て滑走路の向こう側にベトナム空軍の格納庫がある。そこにミル設計局のヘリコプターが配備されているらしい。ハノイでは見たことがないが、ミルのヘリはラオスのビエンチャンの空港で飛んでいるのを見た。あれもまた形が西側と違っていて、なんかゾクゾクしたものだ。

画像4

 これは巨大な輸送ヘリだ。ちょっとしたジェットエンジンの固定翼機並みの大きさがあって、しかも展示場所が駐車場だったから全部を1枚の写真に収められなかった。

 これもミル設計局のヘリだろう。Mi-6だろうか。とにかくデカい。この大きさもまたソビエト的だ。ジェット輸送機も世界最大がアントノフ設計局のもの。このアントノフの輸送機のネーミングが「ムリーヤ」ってのも、日本語感ではなんか落ちてしまいそうでいい。ウクライナ語で夢って意味らしいけど。

画像5

 これらの画像はハノイにある「防空・空軍博物館」の庭にあったものだ。ベトナムの博物館はどこもベトナム戦争前後の航空機が展示してある。さすがに空軍博物館はその数が違う。

 おもしろいのは、ベトナム空軍が使っていた航空機は見ることしかできないが、アメリカが残していった戦利品は自由に触れるところだ。

画像6

 どの国も自国が一番と思っている人が多いわけで、日本だと「日本人初」とかそういう言葉がよくメディアに出てくる。宇宙飛行士も日本人初はジャーナリストの秋山豊寛氏であるが、アジア人初は実はベトナム人だ。この空軍博物館にもソ連時代の1980年7月に、アジア人で初めて宇宙に行ったファム・トゥアン中将のことが展示されている。

 話が全然違うが、F1レーサーもアジア人初は日本人ではない。こちらはタイの王族、プリンス・ヴィラである。

画像7

 ソ連の戦闘機と言えばミグでしょう。これはミグ21だろうか。これは確か「B52戦勝博物館」に展示されてあったものだったはず。

画像8

 こちらは同型機かな。展示場所は空軍博物館だ。

画像9

 ミグと言えば、ボクの中ではこっちだ。型番は忘れてしまった。ミグ15か17か19か。15か17だとは思うが。

画像10

 このブタの鼻のような機首がいい。

 アメリカのマニア動画ではこのミグを個人所有しているパイロットが飛行前の点検などをしているところからアップしていて、飛行機をパイロットが腕一本で飛ばしている、って感じが伝わってきていい映像になっている。

画像11

 これもミグで、キャノピーから機首の距離、尾翼に水平尾翼がついているところからミグ19ではないと思う。画像は結構前のものなので、どれがどれだったのか忘れてしまった。ミグ15? あるいは17?

画像12

 これもブタ鼻だ。かっこいいな。

 これらは変わっていなければ今も空軍博物館にあるはず。旧市街からはちょっと遠く、歩いて行くのは難しい。

 ベトナムの博物館はカメラを持ち込むときは別料金になる。逆に言えば、金を払えばなんでも撮っていいわけなので、航空機ファンにはたまらないのではないか。館内の展示物も興味深いものが多いので、おすすめの博物館だ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?