見出し画像

【国際結婚のコツ】タイ人との結婚を長続きさせる方法はある?【実体験】

 ボクはタイ人女性と2006年5月に結婚した。今年で結婚して14年ほど経ったわけだが、タイ人との国際結婚にコツはあるのだろうか。ボクの周囲の国際結婚組は半数以上が離婚している。一方、なぜボクは続くのか。自分なりに考えてみた。

画像1

 タイ人と結婚するというのは、ほぼ上記画像のようなイメージだとボクは思っている。

 同じアジアだからと言って、いくら似ているからと言って、文化背景はまったく違うので、個人の考え方、人種による考え方、国籍による考え方、すべてにおいて共通することはないと思うべきだ。結婚前に何年かつき合うことになるだろうが、それによって関係が構築されたとしても、せいぜい部屋に共有のクローゼットひとつが置かれたくらいにしか過ぎない。

 なにもかもがゼロからのスタートになるのだとボクは思う。同じ日本人同士でさえも、結婚してみたら思っていた相手ではなかったり、思っていた生活ではないということは多々あるだろう。同じ言語を話し、同じ文化背景を持っていながらも離婚が少なくない。タイ人と日本人同士のカップルがうまくいく方が珍しいのかもしれない。

画像2


 以下は厚生労働省が発表する人口動態統計における国際結婚の件数だ。

画像3

 タイ人との婚姻件数は中国や韓国と比較するとかなり少ない。現状最新の情報である2018年から2013年まで遡ってもタイ人との婚姻件数は1000件にも届いていない。右側の日本人女性とタイ人男性の結婚に至っては、2018年度にたった29人の日本人女性しか婚姻届を出していないことになる。レアすぎる存在だ。

 統計上でもタイ人と日本人の婚姻数は少ない方だ。こうなるとマニュアル好きな日本人にとってタイ人との結婚に関しては婚姻関係を継続するノウハウが確立されていないのではないだろうか。ネットや書籍では「国際結婚」を扱ったものもあるが、ほとんどが欧米人や中国人との結婚をテーマにしている印象がある。

 一方、離婚件数は以下だ。

画像4

 同一カップルというわけではないが、2018年は婚姻件数のおよそ半分が離婚に至っている。日本人女性なんかは婚姻件数よりも多い。

画像5

 長く続く夫婦とそうでない夫婦に明確な違い。ボクの体感的な部分で言うと、大きく見て下記のふたつが離婚に至りやすい気がする。

1.日本人側がタイ語ができない

2.双方の夫婦の経済格差が大きい

 まず1は本当に多い。タイ語ができても離婚するカップルもいるが、日本人の方がタイ語ができないカップルが長く続くこともまた珍しい。あるいは、英語で会話するにしても、双方が同等レベルであることが必須な気がする。片方が語彙力に関して劣っていると対等な会話ができないからだ。

 ボクのケース、周囲のケースはあくまでもタイでの生活がベースになっている人の話だ。日本在住の場合はこれが逆になり、タイ人側にそれなりの日本語力がないと、という話になるかもしれない。生活基盤の言語をある程度理解していないと、相手を理解することも困難なのだとボクは思う。

 いずれにしても、実際にできるかできないかというよりは、タイ語を話そうとする努力や姿勢が重要だ。とかく日本人は東南アジア人を見下しやすい。日本語だけで押し通す人はタイを知ろうという姿勢がなく、それはすなわちタイ人や配偶者をちゃんと見ていないことになるのではないか。

 恋愛や婚姻に関しては人種問わず、プロセスは同じだとボクは思う。日本国内で日本人と知り合うことに置き換えるとわかりやすい。知り合ったばかりの人とその日から交際を始めないし、結婚だってしない。互いをある程度知ってからというのが普通で、そのあたりのプロセスを端折って交際したり結婚すれば、いずれどこかで綻びが出てきて破綻していく。

 タイはアジアなので、日本と同じように結婚は家と家の繋がりになる。そのため、タイ人同士の婚姻は衝動でしてしまうことは稀だし、なんならタイ人はもっと相手の地位やバックグラウンド、人柄などを重視して慎重になる。そのあたりをすっ飛ばすとうまく行くものも行かない。

 特にタイ人は「アーサイ」がすごい。アーサイとは頼るなどの意味になる。助け合いの精神とも言えるし、仏教の功徳のひとつとしても活用される。貧しい人を富める者が助ける。そのため、一方では助けられる側に恥ずかしさや気後れがない。

 これが国際結婚の際に変に現れることがあって、家族や親戚が新しい配偶者にタカりに現れる。少しおこぼれを、というよりも、ハイエナのように骨の髄までしゃぶっていく。家族親戚の誰よりも多く取ろうと必死になるし、ときには親戚でもなんでもない近所の人まで現れる。

 だから、本人同士はちゃんとした恋愛関係にあっても、外野が危険すぎて結婚してはいけないケースも少なくない。これらを知るためにもタイの文化や習慣を把握しておく必要があり、そのためにタイ語を学んでおかなければならない。こういったことを踏まえると、ふたつめに提示した経済格差が大きすぎることもまた離婚事由になることが多いと思う。

画像6

 たとえばタイ側が貧困層の場合は先述のようにアーサイがひどい。しかし、逆にタイ人側が富裕層で、日本人側が経済力的には立場が低いこともあり、そのケースでも離婚が少なくない。

 本人同士はよくても、富裕層の家族親族たちが外国人をよく思っていないため、したたかに離婚に向けたシナリオが作られていくこともよくある話だ。あくまでも噂だが、一番ひどいケースでは殺された話も聞いたことがある。

 要するに、タイ人との国際結婚は、自分なりにでいいのでタイのこと、タイ人のことをしっかりと理解し(あるいは理解する努力をする)、経済レベル的にできる限り同等であること、ちゃんと相手と家族・親族の構成を知り、シビアな目で問題点を把握することが重要なのではないか。ボクはそう思う。

 この話は結構深いので、このテーマも今後掘り下げていきたいと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?