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「龍鳳樓」は都心からやや遠いが安い高級中華料理店【バンコク】

 バンコクは食の国際色が豊かで、コストパフォーマンスを考えると東京を凌駕していると言えるかもしれない。そんな中でおいしいのはやはり中華料理だ。中国からの移民が昔から多かったこともあり、今も家庭料理的な中華から高級店まで様々な形態がある。

 高級店は本当に高くて、なかなか手が出せないレベルの店もある。子豚の丸焼きだとか、東京よりは安いがバンコクの物価感覚からすると高い。しかし、タイ人向けの、郊外にある中華料理店は高級感はそのままに、値段が安い店も少なくない。

 その中で最も行きやすくて、間違いなくおいしいのは、スクムビット通りソイ62にある「龍鳳樓(レンホン)」だ。BTSバンジャーク駅から徒歩5分で、中心地からは離れているが、さっと行きやすいメリットがある。

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 レンホンは歴史のあるレストランでもある。創業はシーロム通りのチャオプラヤ河寄りの方で、1962年に潮州料理店として始まっている。中国広東省潮州県の辺りの料理で、タイ料理にも多大な影響を与えている。実際、1800年代に大量に押し寄せた中国移民の多くが潮州県人だ。前王朝のトンブリー王朝のタークシン王も父親が潮州からの移民だった。

 1991年になって、レンホンは高速道路の建設で立ち退きを余儀なくされる。そして、その翌年、ラマ2世通りに移転した。2005年になってスクムビット通りソイ62に第2支店ができている。現在はこの2店舗だけがオリジナルのレンホンとなる。

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 潮州料理が中心になるレンホンだが、一般的なよく見る中華もある。中でもこの北京ダックはおすすめだ。というのは、丸々1羽を注文しても、たった900バーツだからだ(執筆時)。日本円でおよそ3000円だ。数人で行けば、ひとり頭の料金はかなり安くなる。

 開業当初、調理師を香港に送り、北京ダックの作り方を学ばせてきたという。だから、レンホンでは本場の味と謳っていて、最もおすすめするメニューとなっているそうだ。

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 フカヒレもある。ほかにはタイ語でガイ・チェーラオという料理もある。鶏肉の酒漬けという料理で、中国語だとたぶん醉雞、日本では酔っ払い鶏などとも呼ばれる。

 このガイ・チェーラオがボクは好きで、あればどこでも注文する。冷製料理なので注文したらすぐ来るのもいい。日本だと紹興酒に漬けているようだが、ここはどうなのでしょう。説明ではレンホン開業当初からあるメニューで、中国酒に鶏肉と各種調味料を加えているとある。

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 レンホンは歴史のある店だけれども、1800年代から続く移民の家族同様に世代交代が始まっている。ここも2代目だか3代目になりつつあり、若い姉弟がソイ62店を切り盛りしていた。弟はタレントもしているらしく、さわやかな青年だ。

 若い経営者が参画してきたことで、伝統的な料理だけでなく新しい料理もできていたりする。上の画像は一見マヨネーズがかかった料理に見えるが、エビのフライに特製のワサビソースをかけたもの。ほんのりとワサビが香るソースでなかなかおいしい。

 ラマ2世通りの本店の方は下記だ。セントラル・ラマ2まで行かない、河からほど近い場所にある。

 日本人でも行きやすいのはスクムビット通りソイ62の第2支店でしょう。BTSバンジャーク駅からも徒歩圏内だし、駐車場完備なので車でも行ける。

 中華というのは、KFCと同じで、たまに無性に食べたくなるときがある。そんなときに家庭料理系の安い食堂もいいが、こういった高級な感じなのに安い店もおすすめである。

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