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台湾系? の中華料理店「永和豆漿(ヨンヘー)」

 タイは歴史ある町は大概新市街と旧市街に分かれている。旧市街は堀の中の城塞で、昔ならその規模で成り立っていたのでしょう。新市街はその後人口が増え、堀の外に広がっていったエリアだ。バンコクも同じで、旧市街はエメラルド寺院がある王宮を中心に二重の掘りで囲まれたエリア、新市街はそれ以外の今のバンコクということになる。

 おそらく当時は移民だった中華系住民は町の外に居住地を与えられたのではないか。アユタヤの日本人村跡地も旧市街からかなり離れている。バンコクの華人が住んだのはのちにヤワラーと呼ばれるようになるエリアだ。しかし、勤勉な華人、華僑がエリアを発展させ、タイで最初のエレベーターが設置されたり、映画館ができたりとヤワラーはナウな街になった。

 そんなエリアからさらにあぶれた華人などはシーロム近辺にまで広がっていく。そのため、BTSチョンノンシー駅近辺やかつてイミグレーションがあった(今もオフィスはあるけど)ソイ・スワンプルー近辺に中華料理の名店が数多くある。

 その中で特に日本人に人気なのはチョンノンシー駅から徒歩2分程度にある「永和豆漿(ヨンヘー)」だ。

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 今でこそスクムビットが日本人の居住エリアみたいに言われているが、シーロムも2000年代初頭は日本人が少なくなかった。大使館がかつてはアソークにあり、日本人学校も最初はプルンチット、今はラマ9世通りにあるから、当時から住むのはスクムビット通りだったのは間違いない。しかし、以前はオフィスはシーロムというイメージがボクにはある。

 そんな日本人会社員が和食にも飽きて中華に行こうというときに選んでいたのがこのヨンヘーだったのかなと思う。この近辺は中華料理店が数多くある。大衆系ばかりなので、どこも安くておいしい。ただ、一部は完全に中国人向けになっているし、雰囲気が入りづらい店もある。その中ではヨンヘーは日本人にもわかりやすい味で、さらに大通りに面していて入りやすさがあった。

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 なによりここが人気だったのは台湾系の中華料理店だとされたからではないか。日本人の多くが中国本土より台湾に愛着というか信頼があるでしょう。そのあたりも人気の理由だったのかなと。

 ただ、のちに取材で聞いた話だがヨンヘーは生粋の台湾料理店というわけではないようだった。店主はチェンマイ出身の中華系の女性で、彼女の夫が台湾出身。そのため、台湾寄りの味つけにはなっているのだとか。

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 こういう羽根つきの餃子もある。これも日本人は好きだと思う。羽根つきは初めてのときはゴージャスに見えるけれど、食べているうちに邪魔になるからボクはあまり好きではない。思った以上に羽が大きいと頬とかに当たって、わざわざ拭かないといけないし。

 とはいえ、味はおいしいので、基本的にはこの店はハズレはないと断言できる。

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 麻婆豆腐もある。日本人が好む中華料理店にはほとんどあると言っていいこのメニュー。このラインナップは元々なのか、日本人が多いからこうなったのかはわからない。いずれにしても、中華系タイ人も食事に来ているので、本格的の味だとは思う。

 ボクとしては麻婆豆腐はもっと山椒を効かせて、辛くて食べられないってくらい辛くしてほしい。四川には行ったことがまだないけれど、本場はとにかく舌がしびれて辛いと聞いているので、そういう麻婆豆腐が食べたい。

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 料理名を憶えていないのだが、このチャーハンがムチャクチャおいしかった。魚の発酵したものを入れていたような。コンビーフだったかな。全然名称を思い出せないのだが、おいしかったという思い出が心の片隅にちょこっとある。

 チャーハンはときどき食べたくなる。こればかりは自宅で再現できなくて、店で食べたときのあの味はたまらない。火力と油の量なのかな、家と店の違いは。とはいえ、いつも食べたいわけではなく、あくまでもたまに食べたくなる。

 今だと近くにタイでも1番2番に高いビルが建っている。観光ついでに行けるし、あるいはBTS駅のすぐ近くなので、スクムビットエリアなどからもさっと行ける。この便利さがたまらない。ただ、夕方のチョンノンシー駅は入場規制がかかるくらい混雑するので、往来には注意をしたい。

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