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ベトナムのススメ【ブンタウ編】

  ベトナムが好きだ。なんなら、今、タイよりも好きだ。タイにはもう長く暮らしているので、むしろ自分にとっては外国ではない。だから、好きな外国を訊ねられたら、現在は真っ先にベトナムと答える。そんなベトナムのどこがいいのか、ボクの見てきた感覚で紹介する。第3回目はホーチミン市民のリゾート地ブンタウだ。

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 今回と次回はベトナムの中でも小さめのエリアを紹介する。北部にもそういう街があるのだが、どちらかというと性風俗産業に関係している場所ということで取材していたため、ちゃんとしたネタを持ち合わせていない。このnoteのアカウントでは健全に行きたいから取り上げないことにした。

 ブンタウはホーチミン市民が好むベトナム南部のビーチリゾートのひとつだ。ほかにも南部にはビーチリゾートはいくつかあるし、北部にもあるのだが、ホーチミンからの行きやすさではここが一番かと思う。また、漁村でもあるので、シーフードもおいしいと聞く。

 このサイトを運営する西尾康晴氏に教えてもらって足を運んだ。氏はここを「ベトナムの熱海」と表現するが、まさにそんな感じだと行ってみてわかった。ここでは生牡蠣がキロ当たり6.5万ドン(当時)で食べられるという。6.5万は305円だ。

 ただ、この重量には殻も含まれる。タイもそうだが、ベトナムの生牡蠣は岩牡蠣みたいなもので殻の重さが半端ない。そのため、実質的には3個程度が限界か。とはいえ、タイだと1個あたりは70~100バーツ、つまり245~350円だ。タイよりもずっと安い。

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 ブンタウの漁師はクジラを守り神として崇めていて、市内にはクジラの骨を祭った廟もある。そんな漁村が発展した街なので、生牡蠣もおいしいし、シーフード全般が安いのだ。ベトナム人も日本人と同じで貝が好きなようで、ホーチミンの至るところに貝料理店がある。どこも人気だが、海辺ならなお期待できる。

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 バイクタクシーに案内してもらったのがこの店だった。出た! 例の最強タレ「ムイ・ティウ・チャン」だ。日本人客だからか気を遣ってくれて醤油もくれた。しかし・・・・・・、この緑のものはわさびだろうか。まさか粘土ではあるまいな? 怪しすぎて使えない。

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 これがブンタウの生牡蠣だ。タイのそれと比較すると、色も悪いし、身も小さい。時期ではなかったとしても、タイではこれはあり得ない。失敗だったか。しかし、である。これがまた新鮮でおいしくて、むしろタイの生牡蠣よりもよかった。鮮度の違いと、万能ダレのおかげか。

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 店員の子もかわいい。ただ、ビア・サイゴン 赤ラベルが常温というよりも生暖かく。氷を頼みそのついでに写真を撮った。ベトナムも女性がかわいらしい。これもまた旅の醍醐味である。ボクはナンパしたりとかするタチではないので、眺めているだけで満足だ。

 その後バイクタクシーが周遊に連れて行ってくれた。柄にもなく展望台に行ってみたり。

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 ブラジルかよ、と言いたくなるこの像は、取材時点ではなんだかわからなかったが、キリストの像なのだとか。ダナンにはシンガポールのマーライオンを真似たような像があるし、ここにはリオデジャネイロの「コルコバードのキリスト像」にポーズから建立場所まで寄せに寄せたものが。それともリオと姉妹都市とかなにかの提携があるのだろうか。ちなみに、この展望台を離れた瞬間に像のことは忘れ、正面から観ることもなくブンタウを去ってしまった。

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 次に向かったのはブンタウの北のエリアの山中だ。

 なんだか日本の田舎を思わせる道を通る。海辺の田舎で、浜から丘の上の民宿、あるいは祖父母の家に向かうような道という感じ。

 この道の先には砲台があった。バイタク曰くは地元民でも知らない人がいるということで、実際にベトナム人が少々観に来ているだけで、外国人はいなかった。

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 これは1870年代にフランスが設置した240ミリの砲台で、東南アジアの要所を守る重要な拠点だったようだ。そして、1944年ごろに日本軍が使用し、丘にトンネルのような要塞を築いた。その後、1954年までは対仏レジスタンスがここを拠点に活動していたという。

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 ブンタウへは高速船がおすすめだ。ホーチミンからわずか1時間半程度で到着できる。バスもあるが、そちらは3時間以上かかってしまうので、船は高いとはいえ、時間的には圧倒的にお得だ。船内はWi-Fiも使えるので便利だ。ホーチミンは4区の船着き場から乗降できる。

 船の料金はシーズンなどでも大幅に変わるようだ。ボクが乗ったときは25万ドン(約1174円)だったが、ほかの人がその直前に乗ったときは20万ドンだったらしい。バスは確か8万ドンくらい(約376円)だったはず。バスと船では13万ドンも違うが、日本円でせいぜい600円程度の値差しかない。そう考えると、2時間近く、往復で4時間近くも早くなるのだから、高速船一択と言ってもいいのではないだろうか。

 ブンタウは日帰りでも十分に行ける距離感だ。実際にボクも朝出て、夕方にはホーチミンに戻ってきていた。ちょっとした遠出にちょうどいい場所でもあった。

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