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なぜか何回も入ってしまうハノイのバー

 初めてのベトナムはハノイで、2010年の今くらいの時期だった。このときは会社員をしていて、工場視察で来たので自由時間がなかった。次に来たのがその翌年で、やはり同じ時期だった。このときに歩き疲れて1軒のバーに寄った。ビールを飲んで、Wi-Fiを通してマップを確認したことを憶えている。

 それからしばらくは来ていなかったが、ある出版社に旅費を全部出してもらって、極寒のハノイに来た。そのときにまた歩き疲れてバーに寄った。ベトナムの飲食店はフリーWi-Fiが設置されていることが当たり前だ。ここでもいつものようにWi-Fiのパスワードを訊き、端末のWi-Fiスイッチをオンにした。すると、自動で繋がった。そのときに前にも来たことがあると気がついた。

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 ハノイの旧市街は道が入り組んでいて、何度行っても間違えてしまう場所があったりする。碁盤の目に繋がっていないので、ここを曲がったら、次の道を曲がった場合と同じ道に出るとは限らない。

 だから方向感覚がおかしくなってしまい、目が回ってくるポイントが同じだったようで、改めて同じ店に入っていたというわけだ。見たことがあるような気がしていたが、それをWi-Fiに教えられるとは。

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 ベトナムはタイ以上にフリーWi-Fiがそこかしこにある。日本はWi-Fiに関しては後進国レベルだと感じるほど。しかも、ベトナムの場合はパスワードをずっと変えない。だから、ボクみたいにそれ以上に端末を買い替えないタイプにとっては来るたびにネット環境が快適になってくる。パスワードが蓄積されるからだ。データSIMなどを空港で買う必要がない。

 さすがにいつもボクに無関心の妻も、海外に行った際には「着いたら連絡しろ」と言う。基本的には宿に着いたら、そこのWi-Fiを通してLINEなどで連絡をする。しかし、何度も通っているとデータSIMすらなくても、上記のように近隣の行ったことのある店のWi-Fiを端末が勝手に拾うので、宿に着く前に到着報告ができたりする。

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 ベトナムはアルコールが安い。ボクは基本的には昼間にアルコールは飲まない。なんか時間を無駄にしている気がしてしまうから。でも、ベトナムに来たときだけは、到着した日のみ、明るいうちから飲んだりする。まあ、ハノイの場合はだいたい着くのが夕方近いので、夜に飲み始めるのとあまり変わらないけれども。

 いつも宿に着いたら荷物をほっぽり投げ、財布とスマホとカメラだけ持って部屋を飛び出す。そして、ぶらぶらと歩いて、よさげな店に入ってみる。

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 2回連続で来たこの店だが、いまだに名前がわからない。下記にマップを貼っておくが、たぶんその辺りにあるという感じ。

 4回目のハノイのときも、気がついたらこの店に座っていた。3回連続、目指したわけではないのに、いつの間にか同じ店をチョイスしていたわけだ。

 その後、友人が1年だけハノイに住んでいたことがあって、落ち合って飲みに行ったときもやっぱりこの店に来た。どうも、在住外国人には有名な店らしい。

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 結果的には違ったのだが、このバーは以前メニューに大麻があって、気軽に買える店なのだと友人は言っていた。メニューや壁のメニューを穴が開くほどふたりで読んでみたが、どこにもそんなものはなかった。店員に訊いても、そもそもマリファナが通じなかった。もう一度言うが、結果的にはその近くの店だったので、ここではない。

 このバーはこぢんまりしていて居心地がいい。ビールもあるし、カクテルもあるし、ウィスキーもある。値段は安め。席は樽をテーブルにしている。夜は店先に屋台椅子が出て、そこでも飲める。外で飲んでいるとタバコやアルコール飲料のキャンギャルが来て、ちょっと話ができるので楽しい。

 ストリートビューで見ると、たぶん「PRAGUE PUB」だと思うんだけどな。位置的には間違いない。

 ちなみに、この店の向かい辺りに、ハノイ旧市街に無数にあるシンカフェという旅行代理店の本物がある。ホーチミン発の旅行代理店だが、なぜかハノイ人が旧市街でみんな模倣している。だから、実はハノイに本物の支店は3軒くらいしかない。その本物のうちのひとつがここにある。

 あと、近くにはターヒエン通りという小道があって、そこは若者が集まる夜の屋台飲み屋街になる。その先のマーマイも生ビールのビア・ホイ屋台がたくさんあるので、夜に旧市街を出歩くなら、いずれにしてもこの辺りを目指すといい。

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