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デブは自意識がなければ治らない

 肥満というのはある程度の自意識というか、自分自身をよく見せたいという気持ちがないと標準近くの体重に戻すことはできないと、先日友人と話していて気がついた。体質的に恰幅がいいだとか、芸能人などでキャラクターを維持するために大柄な人もいるだろうが、そういうことではなく、あくまでもボクが太っていることと、ダイエットやるやる詐欺を何年もして全然痩せる気はないことの奥にある理由というか気概に自分で気がついたという話だ。

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 今現在、たぶん体重はジャスト100キロくらいあると思う。身長は171センチにぎりぎり届かないくらいか。顔立ちのせいなのかなんなのか、そこまで太っているようには見えないとよく言われる。先日妻がおせっかいにも人の体型を分析してきて、

「顔だけ見ると太っているように見えない、後ろ姿はちょっと大きい方、前から見た腹と下半身がヤバい」

 と言った。

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 とはいえ、これもよく言われるのだが、ボク自身は人が思っているほど食べない。標準体重の人、あるいは痩せ型の人くらいの量しか食事量がない。実際、ボクの体重は10年以上、ほとんど変化していない。ずっと現状維持を続けているのだ。

 ボクは子どものころからそうなんだが、太っては痩せて太っては痩せてを繰り返してきた。最後のその痩せ型に入ったサイクルは25歳のときだ。その前は18歳くらいのころで、公営競技のオートレース選手候補生試験を受けるために痩せた。そして、25歳のときにタイに移住を決意して岡山県の自動車工場で働き、そのときにできるだけ金を遣わないようにと食費も削っていたので、70キロ台だった体重が50キロ台後半にまで落ちた。

 下記の画像を見てもらうと本当に細かった時代があることがわかる。水色のTシャツを着ているものが移住する数日前の画像だ。これくらいまで痩せて、1年2年はちょっと増えたものの、60キロ台半ばを維持していたはず。

 そういえば以前、上記インスタの画像をアップするときにここでも太った経緯を詳しく書いていた。

 要するに、その後妻と知り合ってからあっという間に太ったわけだ。幸せ太りとかそんなものではない。タイ人は食べものを残すことに罪悪感がない。そのため、そこで日本人が発動され、残したくなくて食べてしまっていた。それで移住から8年くらいで体重が100キロに突入してしまったのだ。

 体重100キロというのは、ある意味才能だと思っていた。通常は自意識などがあって、ある程度まで太れば食事などをセーブするでしょう。そこのブレーキがかからないこと、また骨の太さなどもあって、誰でも100キロになるわけではない。

 ボクも100キロまでは行かないだろうと思っていたし、70キロ台後半になったころに体重計を買って、ちゃんと体重管理をするようになった。ところが、いくら食べても80キロくらいから増えない。それで安心してしまった。実はその体重計は昔ながらのアナログ式で、しかも安物だった。80キロくらいになると体重計の乗るところが歪み、中の円盤を押さえてしまっていた。つまり、量れるのが80キロまでだったのだ。それで気がつかずに100キロへと突入した。

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 100キロまではあっという間だったものの、その後はずっとこの体重を維持している。だから、体質が適応してしまったようで、健康診断に行っても、血中コレステロールなど数値は標準より若干高いものの、許容範囲内で収まっている。

 周囲も痛風の人だとか、特にアルコールで身体を壊している人がよくいるのだが、そういうのもない。タバコも2018年くらいから10年以上やめていたのに吸い始めているが、それも外出先で飲んでいるときにあれば吸うくらい。酒も家では飲まないので、今のところ生活習慣からくる病気はない。

 それで先日友人と話していてふとわかったのだが、ボクはモテたいとか、カッコよく見せたいという気持ちがこれっぽっちもない、ということだ。これが一番痩せない原因なのではないかと。

 服装もずっと同じだ。若いときから紺のポロシャツにチノパンというファッションなのだが、結局いろいろと考えるのが面倒だからだ。髪型は移住のときに伸びきった髪をショートアフロにしたかったが長さが足りず、ちょっとパーマを当ててみたことはある。しかし、それ以降はずっと短髪だ。

 よく見せる気もないし、特に太っていることで病気になったわけでもないし、さらに言うと、オートレースの試験を受けたときに当時ネットがない中、自分でリバウンドしない減量プログラムを考え、それで実際ダイエットに成功しているという自信があって、ちょっと本気出せばいつでも痩せられると思っている。だから動かない。

 人と話すとき、ときに相手が鏡になるときがある。嘘つきは人を信用しないが、それは自分が嘘をすぐに吐くから、人も同じだと思う。また、人との会話の中で自分の言葉が別の形で返ってくることもあるだろう。何気なく発した言葉が相手には不思議に映って質問される。そして、気がつく。自分を客観的に見たときの姿が。

 だからボクは痩せると口では言いながらも、そもそも内心では痩せる気がないのだと気がついた。いつだって痩せられるという自信が早急に動く必要がないと思わせている。友人からは加齢を加味していないと指摘され、そのときにその自信が過信だと気づかされた。10代で実行した自分のプログラムが、40代の今、通用するのかわからないのだ。

 デブも痩身も経験しているボクからすると、やはり太っているということは生きている上であまりよろしくない。やっぱり太っていると動き出すのにエネルギーがいる。だから、いろいろなことに対する動きが鈍くなる。実際に動くだけでなく、気持ちの面でも鈍くなるので、職業柄よろしくないことも多い。太っている人に多いのは口がうまい人だとボクは思う。これは動かない理由を常に探しているからそうなるのではないかと推測している。

 だから、痩せないといけないな、と思うわけで。で、ボクはダラダラと痩せない言い訳をするわけだ。要するに、この話はここから冒頭に戻って、延々とループする。

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