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タイフェスで女優と話す

 日本では毎年各地でタイに関連したイベントが開催されていると思う。その中でも最大規模なのが、在日タイ大使館が主催する「タイ・フェスティバル」、通称タイフェスではないだろうか。東京だと代々木公園の中で毎回開催されている。

 タイに住んでいるので行く機会がほとんどないのだが、2回ほど足を運んだことがある。1回目はたしか2004年だった。このときはあるタイ食材の倉庫でバイトをさせてもらってたので、その流れで出店者側で参加した。2回目は2012年だ。たまたま妻と原宿に来た際に開催していたので、覗いてみた。そうしたらそこにタイの有名女優がいたので、ボクと妻にとっては本当にラッキーな瞬間だった。

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 2004年のタイフェスも人が多かったが、年々、来場者が増加し、基本的に飲食屋台では並ばないとなにも買えないほど。そして、買えても簡単に座って食べる場所を見つけることができない。それほどの混雑する。

 出店もタイに関係する企業が基本だが、割合的に多いのがタイ料理店だと思う。タイ料理ファンじゃないと知らないような店もあるが、知っている人からすると結構な有名店、老舗店の名前が連なっているので、玄人側からすると出店者は案外に濃厚な面々だったりするようだ。

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 2012年に来てみて驚いたのが、とにかくタイ料理が定着したということ。2004年の参加時には食材(主に調味料やレトルト、キット)の説明をたくさんの人にしたことを憶えている。ボクは1999年からタイ語留学するまでの間にタイ料理店でバイトしているので、普通の人よりはタイ料理を知っているつもりだ。そのころはパクチーなんて言葉がまず知られていなかったし、ナンプラーがなにか知らない人も少なくなかった。それがこれほどまでに一般化するとは。

 毎年、東京は5月くらいの開催だったはず。時期的、季節的にもちょうどよくて、しかも大体土日の開催なので、散歩がてらにもちょうどいい。だからあれだけの人が集まるというのもあろう。

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 正直に言うと、タイフェスではタイ料理を食べたいとは思わない。まず、値段が高い。本場の値段を知っているということもあるし、タイで暮らしているのだから、そもそも日本でタイ料理を食べることはまずない。とにかく、タイフェスの値段設定は高すぎるというのは大きい。買ってくれる人がそれでもいるから、どんどん値段が上がったのでしょう。

 そんな設定なので、当然有名店なども本店とは値段が違う。そもそも調理器具もしっかりしたものを用意はできないのだから、店とは味が違うのも当然のこと。なおさら、その値段の価値がないと思ってしまう。

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 とはいえ、タイフェスの魅力は、日本にいながらにしてタイに触れることができることだ。タイ料理店だけでなく、学生や在住タイ人もタイフェスに来るので、タイ濃度が高まるというメリットがある。タイ好きにはタイ語を話すチャンスでもある。

 また、主催のタイ大使館が結構豪華なゲストを呼んでいたりする。会場の中心にあるステージで、毎日、有名歌手を呼んでライブを行う。数年前はタイのAKB48であるBNK48も日本初ライブをするなど、意外と注目株が来る。

 ちなみに、2004年はプレーンプアチーウィットという、社会派ロックとでもいおうジャンルの大御所、カラバオが来ていた。初日、ボクは食材会社のブースで出店準備を進めていて、社長に社員やバイトの飲みものを買ってくるように言われた。公園からコンビニの間にホテルがあって、カラバオはそこに泊まっていたようだ。

 ちょうどボクが買いものを終えて来たら、ボーカルのあのおっさんがひとりでタバコを吸っていた。当時はタイ語ができる日本人は珍しかったので、びっくりしたと同時に興味を持ってもらえ、結構話をすることができた。

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 そして、2012年は歌手も来ていたと思うが、女優もいた。タイではチャンネル=テレビ局ごとに出演する女優が違う。専属的な契約をするのでしょう。このときはたぶんそんな局の垣根を越えて有名女優が集まっていた。妻は大興奮だ。

 しかも、運がいいことに、普通の日本人は彼女たちを知らない。さらにいえば、隣が有名タイ料理店だったし、女優たちが売っていたのはなぜかクッキーだった。おかげで誰も並ばない。だから、ボクと妻でクッキーを買い、しばらく女優を独占しておしゃべりタイムを楽しむことができた。ただ、クッキーに1500円ってのはいくら独占権獲得とはいえ、ちょっと高い。味も普っ通のクッキーだったし。

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 当時大人気だった女優はこのニット帽をかぶっている人。全然名前を思い出せない。そして、このタイミングでは休憩中なのかずっと奥にいて話しができなかった。

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 まあ、でもこのように何人か有名女優と話ができ、妻は結構楽しんだみたいである。このふたりもかなりの有名人。

 こういうチャンスがあるからタイフェスはおもしろい。タイでは絶対にありえない派閥を越えて女優が揃っているのに、それを誰も知らないというのもまた優越感だった。

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 ちなみにこの女優はこの数年前に登場して、一躍トップスターになったナムフォンだ。ボクはこの人が無茶苦茶好きで、実はこのときに会えたことに震えていたね。デビュー時はムチャクチャかわいかったんだ、この人。

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