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ベトナムのビッグC・タイのビッグC

 タイのスーパーマーケットはアメリカンにデカい売り場面積を誇るか、昭和の臭いがしてくるような天井が低くて照明も暗く狭い売り場か、という両極端な気がする。前者の方でタイで最も大きなチェーン店は「ビッグC」だ。タイの場合はスーパーセンターのほか、コンビニくらいの小さな店舗まで様々ある。このビッグCはベトナムにも進出している。ただ、ベトナムの経済規模を考えるとタイと同じように展開していると維持費がもたないのではないかと余計なお世話なことが頭を過ぎってしまい、実際にベトナムのビッグCを覗いてみた。

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 まず、タイのビッグCの歴史を見ると、元々はセントラルグループだった。先月閉店した伊勢丹が入っていたセントラル・ワールドを旗艦店にしているデパート・チェーンだ。その後、どのタイミングで事業が移管されたのかよくわからないが、今はBJC社(Berli Jucker Public Company Limited)がビッグCを運営している。このBJCはTCCグループの企業で、グループにはチャーンビールなどを製造するタイ・ビバレッジ社などもある。

 ビッグCは1994年に1号店がオープンした。たぶん今一番巨大で、客も最も多いセントラル・ワールド向かいのラーチャダムリ店は、かつては今の場所から少し奥にあった。今だとドンキホーテが入居する商業施設の裏の方にあった。そして、2005年前後くらいに今の場所に移転し、2010年の反政府集会の暴徒たちに放火され、修復されたのち今の形になった。

 このラーチャダムリ店は場所柄もあってか外国人向けの土産ものが強い。ボクの自宅近くはベトナム人が多いため、看板がベトナム語になっているなど、ビッグCは店舗ひとつひとつに特徴がある

 かつてタイの巨大スーパーはビッグCのほか、カルフール、ロータスの3大スーパーだったが、カルフールの撤退で、カルフール店はすべてビッグCになり、ビッグCこそが名実ともにタイ最大のスーパー・チェーンになった。

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 バンコクの郊外店舗はどこもこんな感じだ。カートが日本のものよりもずっと大きいので、通路は少なくともそれが2台行き違えることができる幅がある。

 基本的には通路ごとに商品ジャンルが決まっている。食品、加工品、生活用品、化粧品、服飾、家電などだ。最近は100円ショップのような定額の棚があって、日本の茶碗とか売っている店舗もある。先のラーチャダムリ店は食品関連が1フロア、そのほかが1フロアとかなり広い。ほかの店舗は大きいところでも大体1フロアで収まっている。

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 ベトナムのビッグCの売り場はこんな感じになっていた。ただ、これは中部の古都フエのビッグCなので、ハノイやホーチミンとは少し違うかもしれない。

 レイアウト的には似たような感じだったが、いかんせん暗い。蛍光灯の設置の仕方は似ているが、その数が圧倒的に少ない。

 でも、ベトナムのビッグCフエ店は、ボクにとってはなんかこう昭和的で嫌いではない。足立区の竹の塚にあったイトーヨーカドーとか、荒川の西尾久にあったキンカ堂(字は合っているかわからない)とかを思い出させる雰囲気でいい。

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 ビッグCのベトナム進出は思ったより早い。元々はカジノという企業がカジノ・スーパーという名前で1998年に出ているようだ。タイ第1号からわずか4年後である。そして、2004年にビッグCとすべての店舗を改名したのだとか。

 ビッグCのサイトを見ると、タイはかなりの支店数がある。巨大店舗系はバンコクだけでも23店舗ほど営業しているようだ。一方ベトナムはまだそれほど多くなく、全土で36店舗しかない。

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 タイのビッグCはスーパー型店舗の規模だとどこも大体2階建てになっている。1階外は駐車場、中は飲食店や小さな店舗に貸し出され、2階が売り場になっている。

 ベトナムも、少なくともフエは似たような構成だった。ただ、ワンフロアが狭く、階数が多かったはず。おそらく自前のビルではなくて、借りているのだと思われる。だから、下の何回かは店子が入っていて、ビッグCそのものの売り場は食品とその他でフロアが分かれていたものの、上と下の売り場を繋ぐエスカレーターが変な造りだったことが印象的だった。タイはそこまで構造が複雑な店舗はない。

 まあ、観光でベトナムに行ってまでわざわざビッグCに行く必要はないなと思った。日本絡みなのでイーオンのベトナム店舗数増加はよく耳にする。和食食材も結構揃っているみたいなので、在住者もイーオンに行った方がいいのかな。

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