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JOJO著「世界の女が僕を待っている」を読んだ

 イーストプレスから出版された「世界の女が僕を待っている」を読んだ。JOJOさんという海外風俗ブロガーが書いた本で、世界中の性風俗などの体験談を綴っている。正直、読者は限定されるだろうが、よくある自慢系風俗体験談ではなく、数多くの経験をしてきた著者の心に残っている思い出が綴られている。氏が辿ってきた道を疑似体験できると共に、実際に行ってみたい人のためのガイド的な内容にもなっている。海外の性風俗は治安などいろいろな問題が降りかかってくる。それを自分で解決できるスキルが最低限必要なので、もしその自信がない人であっても、海外の表に出てこない世界を垣間見ることができるので、外国の夜の世界に興味があるすべての人に最適な読み物だ。

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 まずは目次から、紹介している国々を見てみる。

【ヨーロッパ】
1 ドイツ
2 スペイン
3 ウクライナ
4 沿ドニエストル共和国
5 ベラルーシ
6 フランス
7 ハンガリー
8 チェコ
9 スロバキア
10 ルーマニア
11 モルドバ
12 オランダ
13 ベルギー
14 スイス
15 オーストリア
16 ポーランド
17 ブルガリア
18 ポルトガル
19 ロシア
【アフリカ】
20 マダガスカル
21 エチオピア
22 モザンビーク
23 南アフリカ
24 スーダン
25 ソマリランド
26 スワジランド(現在エスワティニ)
【北中米カリブ海】
27 アメリカ
28 キューバ
29 メキシコ
30 ドミニカ共和国
【南米】
31 ブラジル
32 コロンビア
33 エクアドル
34 チリ
35 アルゼンチン
36 ペルー
37 ボリビア
38 ベネズエラ
【中東】
39 イラン
40 トルコ
【アジア】
41 アゼルバイジャン
42 タイ
43 キルギス
44 インドネシア
45 フィリピン
46 ブルネイ
47 中国
48 マレーシア
49 マカオ
50 韓国
51 香港
52 シンガポール
53 カンボジア
54 ジョージア
 55 パキスタン

 JOJOさんは100ヶ国以上巡っているのだが、その中でも厳選した55ヶ国を本書で語っている。一部の国はダイジェストになっているが、アフリカなんて普通の旅行でもなかなか行かないエリアのストーリーも盛り込まれていて、読み応えは抜群だ。

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 帯にもあるが、「マネしたくてもマネできない!」とある。確かにアフリカや中南米、南米など、そう簡単に行くことはできない。しかし、本書のJOJOさんの思い出を読むことでその雰囲気を知ることができる。たとえば冒頭のドイツの「FKK」の説明を見てもわかるように、読み込めば行けなくもない。本気を出せば行けるかもしれない、というポイントがより現地の様子をリアルに体感できる。

 各国の最後にはまとめページが用意されていて、「危険度」、「美人度」、「満足度」、「衝撃度」、さらに予算とポイントも紹介されている。これを参考に、自分の英語力や旅人スキルに照らし合わせて徐々に攻略していくというのも手だろう。

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 本書は2020年8月19日に発売された。出版予定の発表時点でかなりの予約が入っており、発売前には重版がかかっていた。

 この出版不況の中で発売前の重版は村上春樹とアイドル写真集、人気マンガくらい。それが処女作において重版がかかるなんて、いかにこの本を求めていた人が多かったか。海外風俗ブロガーというニッチなジャンルに身を置いているJOJOさんではあるが、すでに多くの人たちに支持されているのである。

 こういう時世なので、なかなか海外には行けないし、もしかしたらこの本で紹介された場所は大きく変わっているかもしれない。しかし、それは海外ガイドブックのあるあるなので、自分で本書の内容を修正しながら、新たに頭の中で書き換えていけばいい。

 本書においてタイの体験談はレディーボーイ(日本でいうニューハーフ)に特化している。これなんかは特に上級者向けでありつつ、誰でも体験しようと思えばできるものだ。タイにはほかにもローカル向けの怪しい風俗があるが、そこではなく、あえてレディーボーイの思い出を紹介している。こういったチョイスもまたJOJOさんらしい。

 実はボクはJOJOさんと面識がある。一度バンコクで丸山ゴンザレス氏との飲み会に参加されていて、お話しさせていただいた。氏がどうして海外風俗ブロガーになったのかなどのいきさつもお伺いした。本書冒頭でも軽くそのことについて触れているが、氏は仕事できつく追い込まれてしまった。つらい経験があったからか、氏は表紙の仮面姿から感じるとっつきにくそうな印象とは真逆な人柄だった。そして、仮面の下はイケメンである。要するにいい男なのだ。

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 この書籍は昨日紹介した嵐よういちさんや丸山ゴンザレスさん、和田虫象さんの著書「モンスター・トラベラー」と同じ出版社、同じ編集者が担当している。JOJOさんも実はブラックロード・ファミリーの一員なのだ(それは書籍で知ったけれど)。実際、その書籍内でもJOJOさんが何度か登場している。

 JOJOさんは本書冒頭で『「海外風俗2.0」の新時代がやって来た』としている。これは海外旅行が身近になり、海外風俗も個人で気軽に楽しめる時代になったことを意味している。マネしたくてもマネできない! と帯にはあり、もちろん我々がJOJOさんと同じように世界を巡ることが難しい。しかし、本書と合わせて氏のサイトなどを参考にがんばれば行けなくもない。これから海外風俗2.0の時代を体験したい人は必読である。

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