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この季節はイェンタフォーが合う

 今月来月はタイの1年間で最も暑い時期だ。日本と同じように小中高は学年が3月で終わるが始業は5月半ばごろからで、このタイミングはタイにおいては夏休みということになっている。

 とはいっても、まだ乾季の最中なので日本の8月9月ほど蒸し暑くなく、案外と過ごしやすい。ただ、本当に暑いので、タイに慣れていても体の調子が悪くなることもある。胃腸が弱って、食べることがしんどいときもあろう。そんな体調のときにはイェンタフォーがちょうどいい。

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 イェンタフォーはタイの米粉麺クイッティアオ料理のひとつで、ピンク色がかったスープが特徴だ。このスープの赤色は今はいろいろな材料が使われるので、店によって個性が違う。

 この赤色に関しては以前下記に書いたので参照に。

 イェンタフォーのスープは甘酸っぱい。だからこそ、暑さでつらいときにすんなり食べられる料理なのかなと思う。トウガラシの辛さも夏バテの胃腸を活性化させる効能があるようだが、弱り切っているときはこの辛味の刺激は強すぎる。イェンタフォーの甘酸っぱさなら胃腸がすんなりと受け入れてくれる。

 ボク個人はイェンタフォーに合う麺はセンヤイだと思っている。つまり太麺のことだ。タイ国内のクイッティアオ・センヤイは生麺であることがほとんどで、食感がちゅるんちゅるんとしていて、このイェンタフォーのスープによく合うのだ。

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 イェンタフォーの名店はバンコク内だけでもかなりの数があるが、ボクが実際に行ったことのある店は少ない。元々そんなにイェンタフォーをおいしいと思ったことがないからだ。

 そんな中で初めておいしいと思った店がこの「トン・イェンタフォー・グントート」だった。ラートプラオ通りの住宅街にあるので、よほどのことがない限り行くような場所ではないが、機会があったら行ってみてほしい店だ。

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 メニューもシンプルでわかりやすい(品揃えと価格などは当時のもの)。イェンタフォーだけでなく、いわゆるナムサイという透明スープもある。日本で言う塩ラーメン的なスープだ。さらに辛味のつくタイ風味噌であるナムプリックを入れたトムヤムスープもラインナップされる。

 イェンタフォーは普通のクイッティアオの丼にスープが赤くなる素を入れているので、イェンタフォーができる店は普通のクイッティアオもできるのだ。一応、イェンタフォーにもトムヤムスープバージョンがあるので、辛味がほしい人にはこれもおすすめしたい。

 また、この店はグントート、つまりエビの揚げ物も得意としている。実際にはエビの天ぷら風の揚げ物になる。

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 ふたつめの春巻きを揚げたようなものも人気がある。プアックトートというのだが、プアックって芋の一種だったような。味は全然憶えていない。

 イェンタフォーがそもそも中華料理由来のタイ料理なので、この店のサイドメニュー、すなわちトッピングもまた中華風という感じだった。ノーマルの段階で一応全部載っているのだが、追加したい人は再度メニューから選んで注文する。

 場所はラートプラオ通りのソイ71の奥だ。ここは住宅街なので、近隣に住んでいない限りはそうそう行くような場所ではない。ボクは友人の自宅がこの辺りで、友人とその両親に連れられていった。最初「イェンタフォーかよ」と思ったけれど、初めてイェンタフォーをおいしいと思った店になった。

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