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 日本滞在はいつも実家にいる。毎年出版社営業で日本滞在すると、だいたい1回くらいは地震を体験する。といっても、いつも震度1とかそんなもので。今回の滞在でもすでに2回くらい揺れを感じた。そして、昨晩、ガツンと揺れたわけだけど、ニュースによれば震度4だったみたい。2011年の東日本大震災は当然タイにいたし、地震のほぼない国に20年近くもいるおかげで、昨日の地震はホント怖かった。たぶん、実家で飼っているネコよりもうろたえていたと思う。

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 ボクが経験したことのある最大震度は、記憶が合っていれば震度4だと思う。たぶん10歳のころ。それ以外で大きな地震を体験したことはないはず。この記憶が合っていれば、実に34年ぶりの最大震度タイということになる。

 タイはご存知のように地震がほぼない。まったくないわけではない。ミャンマーとの国境地帯辺りを震源(?)とする地震がたまにある。チェンライ県とかで家屋が倒壊するといった被害があるのだ。震度は1とか2とか。4くらいになることもあるのかな。いずれにしても、死者が出るほどの被害はほとんどないので、あまり大きなニュースにならない。

 バンコクも稀に揺れる。どういうメカニズムなのか知らないが、そういった北部の地震、あるいは近隣諸国内の地震でバンコクが揺れるのだ。

 ボクが経験したことのある地震は、震源地がなんと中国の四川省だった。2008年5月12日の昼過ぎに起きた四川大地震がバンコクに伝わってきたのだ。

 このときは会社員をしていて、アソークの職場にいた。高層ビルの11階だったかな。なんか揺れている気がするな、と。揺れを感じる人もいれば、感じない人もいた。バンコクで地震の経験がなかったので、まるで眩暈がしているような感じだったことを憶えている。

 年に1回とは言わないが、少なくともオリンピックよりは多くバンコクに地震が来ると思う。この四川の地震もそうだし、それ以外の外国の地震、タイ北部の揺れが伝わってくる。とはいえ、先のようにそれでも震度はせいぜい1とか2とか、そんなもの。

 日本と違うのは、少しでも揺れるとバンコクの高層ビルではみんな外に逃げ出す点だ。耐震性という考えそのものがないので、高層ビルでも支柱は細いし、壁はレンガだ。倒壊の可能性が高いので、ちょっとの揺れでもみな過敏に反応して、避難する。日本の場合、震度1なんてあってないようなものではないか。その点はやっぱり地震がある国とない国では大きく違う。

 だから、地震のない国から来たボクからすると、昨晩の地震はムチャクチャ震える出来事だった。せっかくだから動画を撮って妻に送ろうと思ったけれども、動転していて、静止画像を連射してなかなか撮影できなかった。

 そもそもあのアラートもどうかと思う。スマートフォンの地震アラートだ。存在は知っていたが、てっきり設定した人にだけ鳴るものだと思っていた。しかも、ボクのスマホの番号は知っている人が3人くらいしかいないので、まずかかってくることがない。それに、なぜか音声通話の着信を受けるボタンが存在しないという、謎の仕様になっているので、これまで電話を受けたことがない。

 そんな電話が突然鳴り出し、しかも不安を煽るような文面とアラート音。止め方もわからないし、逆にパニックになった。完全に逆効果だ。大きな揺れに備えてください、みたいな文面、怖いでしょうが。備えてくださいって、備え方がわからないから、なお怖い。

 とはいえ、アラートが鳴り出したことに驚きはしなかった。タイにいるときもほとんど電話が鳴らない。半年に1回くらい鳴るのだが、そのときはいつも飛び上がるくらいびっくりする。でも、昨晩はアラートが鳴る数秒前に体感的に「なにかが来る」と感じた。地鳴りがしたわけでもないのだが、空気が「地震来るぞ~」という雰囲気になり、そしてアラート、揺れの順でやってきた。

 思ったより長かった。全然止まらないぞ、と。母が「揺れてるね」と言っていたが、部屋にいたボクはぶっちゃけ、固まっていたよ。

 こう考えると日本って怖い。どこにいても地震というリスクがつきまとう。タイも地震ではないにしても、全財産をいきなり失うリスクってのはある。いや、タイだけじゃなく、世界中どの国もそうなんだろうけど。でも、頻度で言えば、日本の地震ってヤバい。地震のない国から来たおじさんはそう思った。

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