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UCGから始めるウルトラマン視聴ガイド【2024年11月版】

円谷プロダクションが本気で手がける「ウルトラマンカードゲーム」という商品がリリースされました。

特定のウルトラマンなら知っているけど…、とか、ゲームそのものからウルトラマンに興味を持たれた方もいると思います。
そこで、ゲームに出演しているウルトラマンについて、原作の映像作品として何から観たら良いかのガイドを書いてみました。

2024年11月現在の情報で書きますので、対象はウルトラマンカードゲームのスターターデッキ01、02、及びブースターパック01に出演の11名とします。

ちなみに半可通が書いているので、参考レベルで読んでくださいませ。



世界観の説明

ウルトラマンシリーズは長く、ウルトラマン同士が共闘することも多いので、「前のウルトラマンを知らなかったら駄目なのだろうか?」と心配される方も多いと思います。なので、まずそこから説明していきます。

ウルトラマンシリーズは子供向けの作品ですから、気になったウルトラマン作品から入れば問題はありません。
また「あの濱田龍臣が主演」のように、俳優目当てにしても問題はありません。
客演のウルトラマンについては、「そういう先輩ウルトラマンがいる」ということで流して問題ありません。

まず、「ウルトラマン」といっても世界観は大きく2つあります。
1.「M78星雲光の国」のある宇宙
2.その他の宇宙

1は、初代ウルトラマンと同じところからくる人達です。昭和のウルトラマンは光の国そのものやご近所の星から来ます。メビウスは明確に「昭和のウルトラマンの後輩」ですし、ゼロは「ウルトラセブンの息子」です。

2は本当にバラバラで、ウルトラマンが宇宙人であることもないこともあります。例えば、ガイアは地球から託された力で生まれた完全な地球産のウルトラマンです。
ただ、1のウルトラマンと似ていることと、「光」というキーワードが一致しています。ガイアでいえば地球の力が「光」となっています。

それから、作品展開でいうと、もう1つの軸があります。
「ウルトラマンギンガ」(番組名。以下、番組名はかぎかっこをつけます)以降のヒーローは「ニュージェネレーション」と括られます。そして世界観はバラバラなのですが、ゼロはニュージェネレーションの兄貴分としてあちこちに出没します。ニュージェネレーションは2クール完結なので見やすいです。
なお、今放送されている「ウルトラマンアーク」はまさに初心者が観やすい作品です。おすすめ。

それでは、以下から個別のウルトラマンのおすすめポイントになります。


ウルトラマンティガ

【おすすめ】
・他のウルトラマンを知らない方
・「近未来」描写が少し古めでも構わない方
・「ウルトラセブン」のストーリー性が好きな方
・やるせない話などが挟まれても問題ない方
・クトゥルフ好き(クトゥルフモチーフ多いです)
・V6・トニセンや長野博氏のファン

そもそも「ウルトラマンティガ」がなければ、これ以降のウルトラマンは生まれていないというほど、エポックメイキングな存在です。大傑作なのでたくさんの人に観ていただきたい。

傾向としては、昭和の名作「ウルトラセブン」が近いといわれます。人の心の中の「光」が重要になるため、やりきれない回もありますし、「光」が戦況をひっくり返す回もあります。UCGのイベントで長野氏がまさにここに言及されていましたね。

今観るにあたって1つ気になるとしたら、1996年当時の人の考えた21世紀の姿を描いていると点でしょうか。でも無茶苦茶スタイリッシュです。そこも含めて架空の1985年を描いた「セブン」に親しいです。

また、ウルトラマンで初めて生まれた「M78星雲が関係ない作品」なので、独立した作品として観られるのも良いところです。

長野博氏のファンは必修です。こんなに主人公と主人公の中の人が似ることもないかと思います。
「TAKE ME HIGHER」の使い方がキレッキレのラスト3回も必見です。


ウルトラマンダイナ

【おすすめ】
・「ティガ」履修済(必須ではありません)
・「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説」「ウルトラマンサーガ」履修済
・「ウルトラマン」「帰ってきたウルトラマン」のノリが好き
・ハートフルや熱血な作品が好きな方
・「人類の宇宙進出」というワードに惹かれる方

平成シリーズの先達が「ティガ」しかなく、しかも同じ世界の10年後(どちらも作中3年経ってるので、ティガの最終決戦から数えると7年後になります)という縛りの中で生まれていますが、全く異なるノリの作品です。
地球人が宇宙に進出する時代の話でやはり近未来の話ではありますが、ティガほどゴリゴリに近未来を意識していないように思います。

ストーリー展開は熱血、ハートフルなものが多く、バラエティに富んでいます。主人公のアスカがお馬鹿で(演じるつるの剛士さんのせいではない)とにかく一直線野郎なのでスカッとする展開もあります。
このあたりは昭和に喩えるなら、「ウルトラマン」や「帰ってきたウルトラマン」のよう、ともいえます。

「ティガ」履修を「必須ではない」と書いたのは、下手に「ティガ」のイメージに引きずられると、見方がわからず少し混乱するかもしれないからです。1本別作品を挟んでから戻るのも良いでしょう。

反対に、後年の映画「ウルトラ銀河伝説」や「ウルトラマンサーガ」を通ってる方には全力でおすすめします
特に「サーガ」を先に観ておけば、ゼロもよく理解できますし、「サーガ」は「ダイナ」の後日談でもあるので「ダイナ」の前に観ても良いかもしれません。


ウルトラマンガイア

【おすすめ】
スターターデッキ01を購入された方(※元ネタはガイアの映画です)
・他のウルトラマンを知らない方
・ガチSFを観たい方
・戦闘メカやミリタリーテイストが好きな方
・一般人の生活の部分に近未来を求めない方(現実の1999年頃の世相で描かれています。メカは未来っぽいですが)
・主人公とライバルとのバトルのシチュエーションが好きな方
・キャラが多くても引かない方
円谷プロの金を食い潰したすごい特撮が観たい方

「ティガ」「ダイナ」「ガイア」を合わせて俗に「TDG3部作」と呼ばれているのですが、「ガイア」は完全な独立した作品で、世界観もどこにも繋がっていません。なので「ガイア」からの視聴スタートもおすすめです。

ウルトラマンシリーズでは特捜チームがあることが多いので、大なり小なりミリタリー要素を持つことが多いです。でも「ガイア」では、そのチームを軍隊型の戦闘集団として描写をしました。
結果、特捜チーム「XIG(シグ)」だけでも陸海空衛生司令部揃ってるという大所帯となりまして、それに対応するメカもたくさん出てきます。

面白いことに、総数を数えたくなくなるくらいのキャラが出てくる割に皆のキャラが立っていて、複雑な人間模様は見終わる頃にはちゃんと頭に入ります。

今作のウルトラマンは、地球から授かった「光」として描写されます。ガイア(高山我夢)は大地、そしてライバルのアグル(藤宮博也)は海の力。UCGブースターパック02は、まさに彼らをフィーチャーしたものとなるそうです。

そして何故か3部作に数えられがちなのは、やはり今作の最後があまりに美しいラストだからだと思います。はっきりいいましょう。泣きます。
マジで大々々々傑作。

ただ1つ、あまりにも大きな問題がありました。
お金かけすぎちゃいました。えへ☆
TDG全部お金をかけ過ぎなのですけど、特に「ガイア」は今の円谷プロでは後追いもリブート作品も不可能とされています。

なお、スターターデッキ01のモチーフは物語の中間地点頃に上映された映画「ウルトラマンガイア 超時空の大決戦」。これはウルトラマンが初めてパラレルワールドに飛んでしまう(我夢が「ウルトラマンガイアが放送されている世界」に行ってしまいます)事例となり、後のシリーズの世界観に強い影響を与えることとなりました。
先にこれを観ても良いかもしれません。


ウルトラマンメビウス

【おすすめ】
・昭和のウルトラマンや怪獣が好きな方
・昭和のウルトラマンは知らないけど気になる方
・新人くんの成長物語が好きな方
・バラバラなキャラクターが団結してく系の物語が好きな方

3部作から数作飛んで、明確に「M78星雲光の国のウルトラマンシリーズのその後」を描いた作品です。

ウルトラ6兄弟を含む地球に飛来したウルトラマン達の後輩で、将来を有望視されたルーキーが、慣れない地球で、これまた凸凹な特捜チームと徐々に心を通わせながらともに戦っていく物語です。序盤「大丈夫か…?」心配するかもしれませんが、皆どんどん成長していき、後半にもなれば燃え上がる展開に発展するのでご心配なく。

単に昭和のウルトラマンの世界観を借りているだけではなく、先輩方の力を借りたり、昭和時代に起きた事件のその後も描写され、それがきちんと「メビウス」の物語として成立しています。この作劇がとても上手いので、知らないウルトラマンが元ネタの回でも面白く観られると思います。
ただ、光の国設定を知っているかどうかで入りやすさが変わる、というのは確かにあります。

また、メビウス絡みでは「大決戦!超ウルトラ8兄弟」という映画があり、こちらはメビウス=ヒビノ・ミライ(彼は地球人に化けるタイプのウルトラマンです)が、ウルトラマンのいない世界に飛ばされ、昭和の先輩方やTDGの皆さんの変身前によく似た人たちと出会って奮闘する話となっています(主人公はティガのダイゴですが)。
こちらを先にご覧になってから、「メビウス」や「ティガ」「ダイナ」「ガイア」に行くのも良いでしょう。


ウルトラマンゼロ

【おすすめ】
・「大怪獣バトル」を知っている方、知らないけど多少の疑問は流して観られる方、頭からしっかりご覧になりたい方→「ウルトラ銀河伝説」
・手っ取り早く「ゼロ」の概要を知りたい→「ベリアル銀河帝国」
・ダイナとコスモスも一緒に知りたい→「ウルトラマンサーガ」
・ジードも一緒に知りたい→「ウルトラマンジード」(今作では第二のウルトラマン枠となります)
・その他のニュージェネレーション作品を通してゼロを観たことのある方→他の出演作へ

彼もまた光の国出身のウルトラマンで、あのウルトラセブンの実子です。

彼の初登場はシーンカードにもなっている「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」となっています。
その映画自体は、「ウルトラギャラクシー大怪獣バトル」という、怪獣使いの青年レイと輸送艦で旅する地球人の仲間が戦う物語から派生するという特徴があります。
(ブースターパック01を箱買いするともらえるゴモラ、ブースターパック02箱買いでもらえるらしいエレキングについて、私は「大怪獣バトル」再現が行われる布石では、と予想しています。)

「ウルトラ銀河伝説」は質が良い作品なので、「大怪獣バトル」のわからないところは棚上げして観られるタイプの方はまずここから入ると良いでしょう。

そういうのを棚上げしにくい方は、「宿命のライバルがウルトラマンベリアルという悪に堕ちたウルトラマンである」、ということだけ頭に入れて次作の映画「ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国」を履修すれば概要が掴めます。

「ダイナ」もわからなければ映画「ウルトラマンサーガ」をご覧になると良いでしょう。やがてこれからUCGに参戦するであろうコスモスについてもわかっちゃいます。

ゼロはニュージェネレーションのウルトラマンとよく共闘するのですが、初めて出会った方は「どこにでも出てくる、すごい強いヤンキーみたいなウルトラマン」ということだけ知っていればどうにかなります。興味がでてきたところで上の映画などをご覧いただけると良いでしょう。

なお、宮野真守氏のファンは全力で追っていいと思います。


ウルトラマンジード

【おすすめ】
・ウルトラマンゼロが好きな方
・濱田龍臣氏ファンの方
・乙一作品が好きな方
・人間(人間サイズ)によるバトルが好きな方
・子供時代にヒーロー作品が好きだった方
・ウルトラマンシリーズの寺田農さん客演回が好きな方

濱田龍臣主演、シリーズ構成が乙一という、この時点で気合の入り具合を感じる作品です。

主人公の朝倉リクは、地球人として育てられていたものの、その正体はゼロの欄に書いたウルトラマンベリアルの子。そんな自分の宿命に抗いながら真のヒーローとして成長していく物語です。

彼の心の拠り所は、子供の頃に好きだったヒーロー「ドンシャイン」と、心強い仲間達。
是非とも爽やかなラストシーンまでご覧いただきたいです。

武道家俳優の山本千尋さんや、ウルトラマンの中の人である岩田栄慶さんによる、地球人・人型宇宙人のバトルも見どころの1つ。特撮といえば東映作品のみ、という方も観やすいかもしれません。そういう方ならきっとわかるかと思いますが、坂本監督です

ゼロが第二のウルトラマンとしてがっつり出てくるのと、ゼロとベリアルの戦いの集大成でもある関係で、先にゼロ関係の作品を通っておくとより楽しめるでしょう。
当のリク自身が知識が全くないところから真実を知る流れがあるので、こだわるほどではないように思いますが…。

余談ですが、龍臣氏がウルトラマン関係の動画によく出演されているのはご本人の趣味が9割だと思います。


ウルトラマンゼット

【おすすめ】
・スターターデッキ02を購入された方

・ニュージェネレーションのウルトラマンに初めて触れる方
・そもそもウルトラマン自体も初めてな方
・ミリタリーテイストが好きな方
・巨大ロボットのバトルが好みの方
・明るい作風が好きな方
ウルトラマンに神秘性を求めない方
・激アツな作品を求める方
(・ウルトラマンAが好きな方)

スターターデッキ02の原作です。
作品名は「ウルトラマンZ」、ヒーロー名はウルトラマンゼットという表記です。(「ウルトラマンX」も同じです。)

メビウスが光の国のルーキーであれば、ゼットは素質はあるものの平凡な新人でアホの子。
加えて、一体化した相手の地球人・ハルキはも脳筋の残念な子。
そんな未熟者コンビと、戦闘ロボットを駆る特捜チーム「ストレイジ」、増えていく怪獣、行動の意図が謎な宇宙人、そして気色悪い黒幕の暗躍とが、ハイテンションに描かれていきます。

ストーリーやミリタリー考証が綿密な作品でありながら、ノリは極めて明るいため、重い話が苦手な方にも向く作品です。

また、ゼットはベースの能力が弱くウルトラマンの力を借りる必要があったり(これ自体はニュージェネレーションのウルトラマンに多い特徴です)、ゼットの人間関係が変身にかかわる関係で、なんとなく過去のウルトラマンも学べる作品となります。
例えば、ゼットはゼロの押し掛け弟子なので、過去昨品のセブンから始まる師弟関係から「セブン師匠・レオ師匠・ゼロ師匠」と呼び、それがハルキにも伝わっています。

戦闘機が飛行機ではなくロボットということで、そのロボットにも人気が集まりました。特に1号機であるセブンガーが愛嬌のあるかわいらしさと実力を兼ね備えた素敵メカで、1話が放送された直後におもちゃ屋からセブンガーのソフビが消えるほどの大人気キャラクターとなりました。


ウルトラマントリガー

【おすすめ】
・他のウルトラマンを知らない方
ウルトラマンティガへの思い入れが強くない方
・明確なボスキャラを倒すタイプの物語を好む方

「ウルトラマントリガー」はタイトルに「NEW GENERATION TIGA」とつく通り「ティガ」のリブート作品となります。
といいつつ、実質的には「ティガ」の後日談である映画「ウルトラマンティガ THE FINAL ODYSSEY」のリブートと呼ぶべきものとなっています。

他の世界と繋がっているのは次の作品である「デッカー」のみなので、ウルトラマンシリーズの入り口としては良いです

他方、特に「ティガ」に思い入れが強い方で入りにくいと思った場合こそですが、モヤったら腹を括って映画「ウルトラマントリガー エピソードZ」まで完走しましょう。「エピソードZ」で評価変わるとはよく言われるところでして、実際「これが見たかったんだよ」と思うような展開になっています。

超古代に大暴れした闇の巨人達が復活し、それとともに火星に住む植物学者マナカケンゴにウルトラマントリガーの「光」が宿り…という壮大なスケールの物語です。壮大すぎて2クールで足りなかった説まであります。

今作では「光」がとても面白いギミックになっており、ストーリーラインは秀逸です。
ジョーカー的立ち位置のイグニスや、それぞれの思惑をもって行動する闇の巨人達、そしてニュージェネレーション時代の闇と光の捉え方など、見どころはたくさんあります。

なお、助っ人のウルトラマンリブットは知識がなくとも問題ありません。当時も大半の視聴者が知らなかったと思います。


ウルトラマンデッカー

【おすすめ】
・ウルトラマン初心者の方もOK、そのうえで「トリガー」や「ダイナ」履修済みだとより一層楽しめます
・若者の成長物語が好きな方
・熱血な作品が好きな方
・やるせないストーリーが挟まれていても問題のない方

「デッカー」は「トリガー」の7年後という、「ティガ」と「ダイナ」の関係性をしっかり踏襲しているのですが、あるギミックによりトリガーや「トリガー」の特捜チーム「GUTS-SELECT」のメンバーがほとんど登場しないため、独立した作品としても観られます。前作から登場するのは、本編ではトリガー/ケンゴのみです。

主人公のアスミカナタは熱血直情タイプですが、彼の真っ直ぐさが彼自身、そして新生GUTS-SELECTという名の急造チームとの成長に繋がっていく、その過程を2クールでまとめているのはなかなかに良いと思います。
また、「ダイナ」と共通する人類の敵「スフィア」の存在をうまく消化しており、「ダイナ」ファンが観ても唸らされる形ができています。

やるせないストーリーについては、あまり書くと重大過ぎるネタバレになりますが、花…木…空…という謎の言葉の羅列だけで泣けるようになります。


ウルトラマンブレーザー

【おすすめ】
・他のウルトラマンを知らない方
・「ウルトラマンガイア」「ウルトラマンZ」のミリタリー要素に惹かれた方
・プロフェッショナル集団の戦いが好きな方
・仮面ライダードライブ履修済み

今作も、他のウルトラマンと世界観が独立しており、ここから観始めて問題のない作品となっております。

メイン監督が「ウルトラマンZ」と同じ方で、こちらはよりリアル寄りのミリタリー要素が強い作品です。
主人公は、地球防衛隊から集められた純然たる戦闘集団、特殊部隊「SKaRD」の隊長ヒルマ・ゲント。隊長がメインのウルトラマンに変身するという特殊な作品です。

そして、一体化したウルトラマン(ブレーザー)も極めて特殊です。
なんせ、地球人からみてあまりにも荒々しい。奇声を上げつつ、何かに祈りをささげながら、狩猟民族らしい動きで戦います。

そもそも、ウルトラマンシリーズでは、どうしていつも宇宙人と地球人が一体化してすぐ分かり合えるのか?
そこを思いっ切り掘ったことで、ブレーザーとゲント隊長は対話が通用しないというスタートを切ってしまいます。(ゲント隊長はシゴデキでユーモアのセンスもあるコミュ強、理想の上司のような人物です。)
彼らがいかにわかり合うのか。「コミュニケーション」は今作の1つのテーマとなります。

また「Z」のような怪獣型ライドメカのアークガロンが登場。初期からビームやミサイルを搭載し後に様々な機能も搭載されるイカツイ兵器ながら、どこか愛らしさも持っている。
「彼」もまた、今作の鍵となる「コミュニケーション」の話に絡んでいきます。


ウルトラマンアーク

【おすすめ】
・最新のウルトラマンを観たい方
・他のウルトラマンを知らない方(「ブレーザー」履修済みだとニヤッとできる要素があります)
・主人公の所属が特捜チームでなくても良い方(防衛隊ではなく怪獣の科学調査チームに所属)
・コーヒーが好きな方

2024年の現行のウルトラマンである「ウルトラマンアーク」は、今作自体が入り口として万人におすすめできる作品です
これ書いていて思いましたが、ここ数年、リアルタイムで放送されているウルトラマンが入り口としておすすめしやすいのはありがたいと思います。

怪獣による災害が異常に増えた星元市で、主人公のユウマ、そして彼の所属する科学調査班SKIPが、市民を守りながら謎に迫っていく物語です。
ウルトラマンアークはユウマの想像力の化身として現れるのですが、…これ以上はネタバレになるので控えますが、子供の想像力を全肯定した温かみが感じられます。

SKIPのメンバーが明るいので暗くなり過ぎない作風ですが、起きている事件は全体的にハードであり、その塩梅がよくできていると思います。

また、今作の良いところの一つに、シリーズ構成の巧みさが挙げられます。細かな話でいうと、怪獣と直接防衛隊から出向という一番怪しそうな経歴を持つ石堂シュウを1話からコーヒー中毒の残念なイケメンにして視聴者の信用を勝ち取るところにも現れています。

現在本編が後半に入っていますが、ウルトラマンが生まれることとなった出来事がどのように解決されるのか、いまだわかっていません。どのように物語が終わるのか、是非ともに見届けましょう。


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