女性SF作家の時代 0 ー なんか歪んでる日本のSF小説界

このVを観ての感想が脱線して長くなったので、noteに書く。

マーベルはコミックの原作者に、Hugo Awardをとった若い女性のSF作家などを積極的にスカウトしてるから、コミックの方は昔より面白いんじゃない?

2010年くらいから、Hugo Awardsは長編から短編まで全てのジャンルで女性のSF作家が席巻してる。

でも何故か日本のSF小説界はあまりそのことに触れない。

いまだに日本では「Greg Egan最高!」って言ってる。
Greg Eganって、21世紀になってからHugo Awardをとったか?
21世紀の初め頃に短編か中編が一本とったような記憶があるけど、それ以外ベスト5に一本も入ってない。

あと、『三体』が長編でHugo Awardをとって以降、「中国SFが熱い」とか「韓国SFが熱い」とか盛んに煽ってるけど。

でもそれって、同じように2010年代から、アジアに限らず色んな人種のSF作家が受賞してる流れの一部に過ぎない。

この10年のHugo Awardの受賞者の一覧を見てみればいい。
「これ、何て発音するの」って名前が多いから。

それに『三体』は、Ken Liuが翻訳したから受賞した。
三部あるうちの1部と3部だけを翻訳して出版したものが受賞した。

Ken Liuは他にも、中国に住んでる中国人作家の短編を積極的に翻訳してて、その内の数本はHugo Awardのベスト5に入ってる。

日本のSF小説界の「中国推し」「韓国推し」は物凄いのに、何で「2010年から女性SF作家の時代になってる」ことに、もっと触れないのか?

ちなみに、石原慎太郎氏が芥川賞の選考委員を辞めたのは、別に田中慎弥さんのことが原因じゃない。
石原氏は田中慎弥さんの作品を高く評価してる。
実際、田中慎弥さんの『共喰い』は1回目の投票で受賞が決まってる。

蛇足だけど、石原氏が選考委員を辞めたのは、1回目の投票で田中慎弥さんが決まったのに、円城塔氏の『道化師の蝶』を受賞させるために、3回も投票させたことが原因だ。
何度も投票させたら、選考委員は円城塔氏を受賞させたいことがわかるから、早く終わらせるために円城塔氏に投票したに過ぎない。

あと、もう一つ蛇足。
田中慎弥さんのコメントが評判になったけど、あれは受賞が決まる前に書いたものだ。
芥川賞の最終選考に残った作家は、受賞が決まる前に、「喜びのコメント」を書かないといけない。

マスゴミは、「石原 vs. 田中」の対立ばかりを盛んに報道して、円城塔氏の受賞のカラクリは報じない。

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