ぬるいサイダー

裸になっても曝け出せないもの
恥ずかしいとは少し違うような
いくつになっても手放せないもの
邪魔じゃないけど扱いづらいような

ぬるいサイダー 僕のせいだ
そしていつか 思い出すんだ

想像していたどの未来にもならなかった
呪われたはずの人生を 少し許せる

隅っこで鳴いていたら 壁から声がした
「うるさいから静かにしてよ」と
端っこで泣いていたら 壁から声がした
「何かお困りですか」 あぁ こら困ったな

本当の自分とやらを捜す時
鏡を睨みつけてないか
構想していたこのプランも 永遠の“一旦延期”
見放されたままの人生を どう愛そうか

角っこで生きていたら 壁から声がした
「そこにどなたかいますか」と
真似っこで訊いてみたら 壁から声がした
「もう誰もいないのかと あぁ 良かったな」

何処にいてもなんか忘れていること
手持無沙汰ってわけじゃないが
何をするにしてもちょっと面倒なこと
重荷ってほど大袈裟じゃないが

ぬるいサイダー 僕のせいだ
美味かないが ちゃんと飲んだ
そしていつか、、

#438  2014.6.1

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