花を買う男

初めから 迷っていなかった
時間ばっかりかけちゃったけどね

もはや驚くこともない幾度目かのバースデーは
相手のためにこそあるのかもしれない
「喜ぶかな?」

君に似合うスミレ色の花を買いに 見知らぬ街へ行く
店の前をウロウロ 変な汗も出る

優しさになれなかったものたちの
お役目は終わっちゃったの?

その悲しみには価値が? その痛みには意味が?
薄々感じている でも信じたい
まだ信じていたいよ

大切だと思いたいこと まるで見当違いの答えでも
プレゼント用に包んで 手渡したいだけなんだ

泣いたり笑ったり そんなの君とじゃなくてもできる
なんとも言い表せない 独自の求愛を

君の好きな柄はどれかな この形は好みじゃないかな
めんどくさいし よくわからないし なのに楽しいし

君に似合うスミレ色の花を買いに 見知らぬ街へ行く
一目見た瞬間から もう決まっていた

#501  2023.6.16

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