Babel

伝えたいものなど 穴開きのポケットに もはやないよ
心臓の奥に記憶して閉まってよ

そこで時を偽って 突然 全てが終わって
誰かが言っている もう手遅れだと

嵐の中で 僕等は強く
分かり合えぬのに未だ傍にいる
光の浅い場所を選んで
手だけ離さずに 行けるところまで

簡単に思えたこの旅路も いつの間に 随分経って
心配なんだろ その瞳が語っている

いずれ崩れる橋に 夢中で色を付けて
拉げた想像を取り戻すよ

答えはいつも目の前にあり だからいつまでも辿り着けない
形の悪い果実を摘んで 言葉が痞えた喉を潤して

煙の中で 僕等は強く
目覚めの近い場所を拒んで
手だけ離さずに 行けるところまで

#453  2016.5.26

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