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「失敗してもいいよ」の余白で生まれる自主性

勤務校は総合学科です。
進路もバラバラ、就職、専門学校、短大・・・四年生大学進学もこの時期は総合型や学校推薦型などで進路が決まっている子もちらほら。
もちろん、これからが本番の子も。

毎年、3年生の2学期後半の手綱引きが難しいのです。
受験で必死な子たちと、進路が決まって学校生活への活力を失う子たちが混在することで生まれる温度差・・・

なんとかこの影響を最小限に防げないかな、というのは学年主任としてこの学年を率い始めた時から思っていました。

さて、チャンスを伺っていた10月中旬のことでした。
深刻ではないものの、生徒指導案件が発生。
「ごめんなさい」と涙を流す生徒。
「ねえ、あなたが中心となってプロジェクトを立ち上げてみない?」と提案。

その子は進路が決まっていたので、「同じように進路が決まった子たち、この先の学校生活に張り合いがなくて暇じゃない?ちょっとワクワクすることやってみようよ」と話したところ、乗ってきました。

その日のうちに、5人ほどの仲間を連れてきました。

「よし、じゃあ大学進学の子たちに内緒で、何か応援グッズを作るのはどう?共通テスト前日にサプライズで渡そう!」

「必要な材料はこちらで用意するね。あとは、お任せするわ。クラスの子たちを巻き込めると面白いね。どう?クラスの子たちにプレゼン、してみない?」

一度、そのプロジェクトメンバーを集めて、試作品を一緒に作って、具体的に何をすればいいのかのイメージをさせました。

そして、そのあとは放置!

学年の担任団にも、「放っておいていいですよ。できなかったらできないでも構わないし、自主性に任せてみますね」と伝えておきました。
そうでないと、ちゃんと完遂させるために指示をしたりしてしまうから。

年末になっても仕上がらず、「間に合わないみたいですがいいですか?」と心配する担任。「大丈夫、それでもいいので見守ってやってください」と私。

時折、「どう?」と声をかけて、
「全然集まりません〜!」という声には、「そっか!笑 大丈夫、できたら教えてね〜」とだけ言っておきました。

さて、年明けてから状況が変わってきました。
直前になって、クラスのほとんどを巻き込み、どうやら放課後にもコソコソやっている様子。

そして、昨日、共通テスト前日。

「できました!!」

「よし、じゃあ、事前指導の最後のサプライズに登場しておいで!
好きなようにしてね。任せるわ!」


結果、「幸福の女神たち」笑 ということで、事前指導の後、一人一人に声をかけて、手作りのお守りを渡すというプチイベントになりました。

みんな、ニコニコ。


大雑把な道筋に乗っかれることを確認した上で、
思い切って任せたのが功を奏した例です。
いい思い出になったのなら嬉しいな。

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