今、夜はすぐ隣にいて

今、夜はすぐ隣にいて
私を暖めてくれている

誰もいない闇に
凍った鉄が泣くかのように
あなたは、夜、と
寂しく響く名前を冠っているのに

一人もいないはずの暗闇に
ひとつの明かりが灯るように
あなたは今、すぐそばにいて
私を暖めてくれている

とばりをそっと肩に掛け
目を瞑ったままの背に触れて

夜、という名のあなたは
冷たくなった私を慰めてくれる

誰にも知られないように
今夜よ、私を暖めていて

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