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JR全線完乗の旅/第36回津軽線他/2017年7月17日

【画像はねぶたの家ワ・ラッセHPより】

旅の3日目は青森駅からスタート。駅近くにある青森市文化観光交流施設「ねぶたの家ワ・ラッセ」を訪問しました。ちなみに「ワ・ラッセ」は、お祭りの掛け声だそうです。

中に入ると大型のねぶた(山車)が4台も鎮座しており、そのド迫力に圧倒。いずれも祭本番に出陣した本物のねぶたで、照明を落とした館内に内側から光り輝く様は、豪華絢爛の一言でした。

各々のねぶたの大きさは、現在では幅約9m・高さ約5m・奥行き7mという規定があるとのこと。そして、題材には日本や中国の伝説や歴史上の人物が多いそうです。上のねぶたの主役は「俵藤太」。

「源義経」の北行伝説(北海道行き)も題材になっています。

嬉しいことに、我が島根県の八岐大蛇(ヤマタノオロチ)伝説が題材のねぶたもありました。

陰陽師が妖怪退治をするねぶたは、特に外国人に人気だったそうです。

陰陽師ねぶたの裏側には泣く子と化け猫が。実際のお祭りでは四方八方から見られるので、「送り絵」と言われ後姿まで配慮されています。

ねぶたの内部を見せてくれる展示もありました。角材の支柱に針金で造形。電球を取り付けて和紙で覆う。とても手の混んだ複雑な作業が想像されます。

これらの素晴らしいねぶたは、昨年の「青森ねぶた祭」で町を練り歩いたもの。もう1ヶ月もない8月2日から7日まで、今年のお祭りが過ぎるまでの展示です。

今年のねぶたは現在制作中で、祭りの後に代表的な作品が入れ変わって展示されるそうです。このような豪華なねぶたを毎年作るお祭りとは…。お祭りの日に来なければと強く思いながら、次の観光地に向かいました。

「ねぶたの家ワ・ラッセ」のすぐお隣には、青函連絡船「メモリアルシップ八甲田丸」が係留保存されています。

青函連絡船はかつて本土と北海道を結ぶ旅客や貨物の大動脈でしたが、航空機や長距離フェリーの台頭で取扱が減少し、青函トンネルの開通(1988年3月)と同時に運行が終了しました。

最大の特徴は貨物列車が乗り入れる車両甲板で、写真でも線路が少し見えています。上部の可動扉が上に開いて、陸地に繋がる可動橋に接続します。

陸地側の可動橋です。橋の上の線路は青森駅構内へと繋がっていました。

船内から可動扉を写しています。車両甲板には線路が敷かれています。

船内には廃車車両のキハ82やDD16が展示されています。しかし、実際の青函連絡船では貨車・荷物車・郵便車のみが本土と北海道を行き来しており、旅客は歩いて乗下船し北海道の列車に乗り換えていました。

車両を固定するための据置型の連結器が興味深いです。

もう32年も前になる大学2年の冬休みに、青春18きっぷを片手に青函連絡船に乗り込み、憧れの北海道を目指しました。しかし、乗船の記憶は全く残っていません。その後の北海道が強烈に印象深かったからだと思われます。

■津軽線(青森〜蟹田)701系

津軽線は青函トンネルが開通してから、北海道新幹線が開業した昨年3月まで、津軽海峡線の愛称で電化されて本土と北海道を結ぶ列車のメインルートでした。しかし、特急「スーパー白鳥」や寝台特急「北斗星」等が走る華やかな期間は過ぎ去り、電車にはなりましたがローカル線に後戻り。

途中の奥内駅で、青函トンネル専用のEH800が牽引する長大編成のコンテナ貨物列車と交換。貨物輸送は変わらずメインルートを継続しており、中小国駅の先から北海道新幹線に接続しています。

■津軽線(蟹田〜三厩)キハ48

電化区間は中小国駅の先にある北海道新幹線との合流部で終わるので、昔ながらの姿である気動車に乗り換え。

本州最北端かと思いましたが、下北半島の大湊線を忘れていました。

三厩駅から龍飛岬までは、外ヶ浜町民バスのお世話に。片道約20分がなんと100円でした。

津軽半島の龍飛岬を初訪問。写真は龍飛崎灯台です。

津軽海峡冬景色の歌碑

岬の先端には海上自衛隊がレーダーを設置。その先にかすかな北海道の島影を見ることができます。

龍飛崎灯台から眼下に見える竜飛漁港までは、国道339号が通っています。

噂には聞いていましたが、道は階段になっており、総延長388.2m、362段の日本で唯一の階段国道です。なぜ国道になったかは不明で諸説あるそうですが、何が観光名所になるかわかりません。

津軽線帰りのキハ48は首都圏色で、山陰に帰ったかと思う懐かしさです。

昔ながらのサボ(行先標)が使用されていました。

■東北新幹線(新青森〜東京)E5系

藤沢から青森まで素敵な観光地を楽しんだ東北の旅。行きは鈍行で丸2日間かかりましたが、帰りは4時間半のあっと言う間です。

締めくくりの駅弁は「むつ湾産帆立釜飯」。

津軽線
(青森〜三厩)
55.8km
東北新幹線
(新青森〜東京)
713.7km
今回乗車 769.5km
【通算】 7859.8km

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