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機械工学の教授、宇宙で使える「ソフト」ロボットを設計へ

Day5
昨日に続いてソフトロボットが2日連続。ソフトロボット、いや、弱いロボットを宇宙で使うのは盲点でした。地球上では弱いロボットはどちらかというと癒しロボットという分類で使われる事が多いですが、宇宙空間なら弱いロボットは繊細さを持ちつつダイナミックな動きをする事が出来るロボットになりそう。
宇宙産業の発展の進度について詳しくないのですが、もしかしてもしかするとロボットが最初に発展する領域は宇宙なのかもしれないって思わされました。以下から記事。


硬く冷たい金属がロボットを思い浮かべる際の一般的なイメージですが、今、研究者たちは伝統的なロボットでは実現できない柔軟性と適応性を提供できる「ソフト」あるいは連続体ロボットの探求に取り組んでいます。この研究分野で活躍する一人が、LSU(ルイジアナ州立大学)の機械工学部助教授、ハンター・ギルバートです。

ギルバート氏と彼の大学院および学部生チームは、パトリック・F・テイラーホールの彼の研究室で1年をかけてソフトロボットを構築する予定です。プロジェクトの最初の6ヶ月はモデリング、シミュレーション、設計に焦点を当て、残りの6ヶ月は新しく構築されるテストベッドを使った実験評価に注力します。

「現在、まだ非常に基礎的な段階にあるので、小規模な実験テストベッドでの作業に集中しています」とギルバート氏は述べています。「宇宙へ向けて何かを開発することは、基本が理解できてからのことです。まずは基礎を理解しなければなりません。」

このプロジェクトは、NASAラングレー研究センターとジム・ニーラン(ソフトロボティクスの主任研究者)、マット・マーリン(主任機械エンジニア)、イオク・ウォン(ロボティクス設計および構造担当)、ジ・スー(材料科学者)との直接的なコラボレーションを含んでいます。チームは、宇宙および地表構造の組立てに役立つ可能性のある柔軟な材料システムについて研究しています。

ギルバート氏の研究は、宇宙技術ミッション局を通じて、軌道上サービス、組立て、製造における重要なニーズに対応するロボティクス能力の開発をサポートしています。ラングレーは、ロボットが宇宙でどのように使用され、実際に使用するための要件が何であるかを案内するのを助けています。

「宇宙にロボットを送る際の大きな問題の一つは、それが軽量でなければならないことです。私たちが研究している特定の技術は非常に軽量にできると考えています」とギルバート氏は言います。

軽量であること以外にも、ソフトロボットには利点があります。一つは、ロボットが炭素繊維でできているため、物にぶつかってもロボットやその作業環境を破壊することがない点です。

LSUの機械工学部助教授で複合材料の専門家であるジュヌビエーブ・パラルディ氏もプロジェクトに関与しており、ギルバート氏のソフトロボットに炭素繊維を使用することを推奨しています。

「炭素繊維強化ポリマーは軽量で、その特性(例えば曲げ剛性)は繊維の向きに応じて調整可能です」とパラルディ氏は言います。「これにより、特定の方向に曲がるが他の方向ではより剛性を持つコンポーネントを作ることが可能になります。」

また、ソフトロボットは医療分野の外科手術や、産業の検査やメンテナンスにおいても検討されています。

「大きな硬いロボットが人にぶつかると、意識を失わせたり、場合によっては死に至らしめることがありますが、これは工場で実際に起こったことです。ソフトロボットは人の周りでの使用において安全である傾向があります」とギルバート氏は述べています。

ソフトロボットを使用するもう一つの利点は、ダスト、汚れ、水が内部に入り込む関節やシール面がないことです。これは火星や月面での問題になり得ます。

「従来のロボットには、ダストや汚れを防ぐためのシールが必要な多くの外部関節があります。曲がるロボットを持っていれば、これらの望ましくない環境汚染物質が入り込む場所が少なくなります」とギルバート氏は言います。

ソフトロボットは課題もありますが、ギルバート氏と彼のチームは問題点を解決するために努力しています。

「ソフトロボットには代償があります。それは、精度が低く、安定性が劣り、硬いロボットに比べて制御が難しいことです。このプロジェクトは、硬いロボットとソフトロボットの間で何が機能し、そのバランスをどう達成するかを見つけることについてです」とギルバート氏は述べています。

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