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第二回 ルアーフィッシングから学ぶビジネス戦略「ペルソナとは」



第一章: ターゲットの絞り込み ― ルアーフィッシングと顧客ペルソナ


釣りにおける成功の鍵は、狙う魚を理解することです。
それは、魚の種類、季節、生息地、反応パターンなど多岐にわたります。同様に、ビジネスにおいても顧客ペルソナを深く理解することが重要です。ここでは、具体的なペルソナの作成と、それをビジネスにどう応用するのかを探ります。

釣りのペルソナ

まず、以下はブラックバスの釣りしている時のある状況としましょう。

・プレッシャー: 高くはない
・水温: 15度
・時間: 5:30
・水質: クリア
・時期: プリスポーン
・天気: 晴れ(1週間前から晴れ)

という状況で釣りに来たとします。
どういうルアーを投げますか?

・いそうな場所: シャロー 
・活性: 高い
・レンジ: 表層を意識している
・メインベイト: ワカサギが主な餌

という事までさらにわかっていればどうでしょうか?そこまで分かればある程度仮説と戦略を立てられます。

仮説

  • 魚は表層を活発に泳いでおり、反応が良い。

  • シャローなエリアでの活動が見られる。

  • 春の朝の涼しい気温とクリアな水質が魚の活性に影響している。

戦略

上記の仮説に基づいて、こんな戦略はどうでしょうか?

  1. トップウォーター戦略: 水面直下の表層にいる魚にアプローチ。トップウォーターのルアーを選択。

  2. ワカサギのイミテーション: メインベイトであるワカサギを模倣したルアーの使用。

  3. シャローエリアの攻略: シャローエリアに特化したルアーのチョイス。

みなさんならどんな釣りをしますか?
状況がわかって魚の状態が詳しくわかるほど的確なルアーを選ぶことができます。
この情報は結果に大きい影響をだすと思いませんか?ビジネスでも同じ事が起きます。

ビジネスのペルソナ

ビジネスにおけるペルソナの一例を以下に挙げます。

顧客ペルソナの詳細

このビジネス戦略では、リモートワークをサポートしたいという特定の顧客層に焦点を当てます。どんな人がどんなリモートワーク支援のサービスを求めているのでしょうか?
それを購入してくれそうな人物のペルソナを考えてみます。

ニーズ: リモートワークのサポート

年齢層: 25歳~40歳
業種: IT、クリエイティブ産業
役職: 中間管理職以上
収入: 年収500万円以上
ライフスタイル: 都市部在住、多忙
価値観: 効率化、柔軟性、技術への興味
購買行動: ネットショッピング、口コミ重視コミュニケーション手段: SNS、メールよりチャット

さらに以下のような状況まで推測できるとより具体的なプランが考えられそうですね。

  • 悩み: 何に悩んでいるか?

  • 解決策: 何で解決するか?

  • サポート: 忙しい人に合わせたサポートは可能か?

  • 影響: 誰の発信する情報に影響されるか?

  • 予算: 予算は?自分で買う物か、会社で買う物か?

  • 決済者: 決済者は?自分?奥さん?上司?

これらを具体的にイメージすればどのようにアプローチするかが考えやすいですね。
次の章ではみなさんがイメージしやすいルアーの販売のペルソナを考えて具体的に販売戦略を考えてみましょう。

第二章: 具体例、ビッグベイトを売りたい

ターゲットとなる顧客ペルソナ(買ってくれる人物のイメージ)を以下のように具体化しましょう。

1. 年齢層: 30代~40代の男性。
2. 性別: 主に男性。
3. 釣りの経験: 中級から上級の釣り人。
4. 興味・趣味: 釣り以外にアウトドア活動や自然散策。
5. 価値観: 高品質な製品を求める価値観、環境に優しい製品も重視。
6. 購買動機: 大型魚を追求する興奮、特定の魚種に対する専門的な釣り。
7. 購買頻度: 季節や新製品のリリース時に購入。
8. 使用する水域: 主に淡水域、特に大型魚が生息する湖や川。
9. 職業や収入: 一般的なサラリーマンから専門職、中~高収入層。
10. 情報収集の手段: 友人の推薦、専門の釣り雑誌、レビューサイト、プロアングラーのSNS。

このペルソナに基づいて戦略を立てると、例えば次のようなアプローチが考えられませんか?

製品開発:

1. 種類別の展開: シーズナルパターンで多様な状況に対応する必要があります。水深別のビッグベイト展開は、ターゲット魚種の居場所に応じて最適な選択を提供します。

2. 季節ごとの色展開: 魚の活性は季節によって変わります。色彩展開は、魚の視覚的な反応を引き出せる提案になります。また、生息している場所のベイトに合わせたラインナップを作ります。

3. プロアングラーとのコラボ: このペルソナは有名プロアングラーを信頼しており、彼らの推奨する製品に対して高い関心を持つ可能性があるためです。プロ用のハイエンドモデルとして位置付けます。

マーケティング戦略:

1. デモンストレーションイベント: 釣り人は実際の使用感を重視します。釣り場での体験イベントで、製品の機能を直接感じてもらいます。

2. YouTubeチャンネル: ペルソナはYouTubeで釣りの情報を得ている。公式チャンネルで直接製品情報を届けます。有名釣りYouTuberとコラボ。自社製品で良型な魚が簡単にボコボコ釣れているようなシーンも公開。

3. ターゲット魚種別ガイド: 釣り人は効果的と思える製品の選定に興味がある。各ビッグベイトがどんなシチュエーションで効果的かのガイドは、選択をサポートするためです。

販売戦略:

1. 専門店との提携: 釣り人は専門店での買い物を好む傾向がある。限定販売は、専門店の利用者に製品を訴求するためです。

2. シーズン限定商品:
季節ごとの釣りの楽しみを提供することで、釣り人の趣味の幅を広げるためです。

アフターサービス戦略:

1. 使い方解説動画: 釣り人は自分のスキルアップを求めることが多い。セミナーはそのニーズに応えながら囲い込みも行えます。

2. アングラーコミュニティ:
釣りはコミュニケーションも楽しい部分。製品使用者同士の交流は、製品への愛着を深め他社製品への関心から目を逸らすためです。

これらの理由に基づいて戦略を展開することで、ターゲットとなる釣り人に対して、ビッグベイトの魅力をより深く伝えることができるでしょう。

第三章: 釣りとビジネスに共通する原則

釣りとビジネスは一見無関係に見えるかもしれませんが、実は重要な共通点があります。

釣りでの視点
釣り人はプレッシャーや水温、魚の活性など魚の視点に立って考えます。魚がどこにいるのか、何を食べるのかを理解し、魚の反応に合わせてルアーを選ぶことで成功します。

ビジネスでの視点
同様に、ビジネスでもお客様の視点に立つことが重要です。顧客が何を欲しているのか、どのようなライフスタイルを送っているのか、どのような価値観や悩みを持っているのかを理解することで、製品やサービスがお客様の期待に応えられるようになります。
顧客の悩みを解決する事がビジネスの釣果ですね。

釣りとビジネスの共通点から得られる教訓

釣りとビジネス、二つの異なる分野であるように見えますが、共通の原則が存在する事が見えてきました。
釣り人においては魚の目線に立って戦略を立てることは自然です。それが釣果に繋がる事は誰でも理解しているでしょう。

しかし、仕事では顧客の目線で考えることが非常に難しいと感じる事がままあります。

これは何故でしょうか?
私はこれは興味の問題だと考えています。釣果や魚に対しての興味関心があれば、魚の行動パターンや生態を理解するのに努力や苦痛を感じません。

仕事でも同じように、お客様のことをもっと知りたくなるべき、もっと好きになるべきだというのがこの話の核心です。

お客様のことを知れば知るほど、そのニーズに対応できるようになる。釣りが教えてくれるこの教訓は、ビジネスにおいて非常に価値のあるものだと思います。

最後に

この記事を最後までお読みいただき、心より感謝いたします。釣りの戦略から顧客理解を解説してみました。いかがだったでしょうか。
私たちはすでに魚のことに深い興味を持ち、理解しようと努めています。
ビジネスでも同じように、顧客の心の奥底に触れ、真に理解しようとする努力が必要なのです。お客様のことに深く興味を持つことが、成功への道筋を描く鍵となります。

前日の夜に、釣行時の天気や潮を見ながら、持って行くタックルを考えている時って最高にワクワクしませんか?同じ気持ちで仕事ができたら最高ですよね。

今後もこのシリーズは続けて行きたいと思っています。コメントやスキ等いただけると励みになります。宜しかったらぜひお願いいたします。最後までお読みいただきありがとうございました。

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