陰翳礼讃を読んで
こんにちは、京都出身東京在住のたかのりです。
趣味で生け花に真剣に取り組んでおり、もっと現代の日常生活に”日本文化”を違和感なく取り入れていけたらなーなんて考えています
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今回は、谷崎潤一郎の陰翳礼讃を読んだ感想をつらつらと書いていこうと思います。
読もうかな?って迷っている人だったり、既に読んだことがある人、
日本的な美意識に興味がある人に届けばと思っています。
まず、結論として日本人は極めて光と陰に注目している民族なんだと感じたし、とっても納得しました。
例えば、障子から入ってくる柔らかな光を取り込む建築だったり、
備前焼や信楽焼、樂焼のように光を反射させないざらつきがある質感の器を好んだり(西洋の器はどれもピカピカしてますよね。)
ある程度の影があるから繁殖する苔に心をうっとりさせたり、
漆や、金蒔絵なんかもは黒い光沢がありますが、暗闇での金蒔絵の存在感は何とも言えない美しい存在感がありますよね。
そして、畳も外の光をやさしく反射します。
このように、光と陰を意識した美意識は日本人特有のものといえるとっても感じました。
僕自身、生け花を語るには、浅い経験ですが、
この本のタイトルにもなっている陰翳礼賛の美意識を生け花に当てはめて考察すると面白かったのでシェアします。
生け花の歴史は、仏教伝来まで遡ります。仏にお花を供える仏前供花である祈りの花という存在から、室町時代あたりに武将や権力者の邸宅の床の間などに飾るためのお花として生け花が成立しました。(色々端折ってます。)
生け花をするときは、花材の草木の伸び方を見て、この枝はきっと太陽がこっち側にあってこの向きに生えていたに違いないと考えたり、時には、この時期には虫食いがあるから少し葉っぱをちぎろうなどあえて不完全な状態(完全を植物を元気な状態とする)にしたりなど、想像を膨らませながら、太陽や自然を意識して制作します。
また、生け花の作品自体にも、どこに太陽があるかを意識して陽方・陰方があったり、生け花を構成する葉っぱの裏表の陰陽、(主脈に対して)葉脈を境として陰陽を意識します。
このように、生け花も陰と陽を意識して作品を作られることがあります。
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