スキンケアは心の潤い
はじめに
はじめまして。たかおかです。
DSRという会社で「シェルシュール」と「ノーブルヒル」という
スキンケアブランドの運営・開発を行っています。
このエッセイでは、
20年間敏感肌専門にスキンケア製品の開発を行ってきた知見と、
医学博士(医者ではありませんが)としての知見などから、
敏感肌で悩む方や、私と同じようにスキンケア製品の開発を目指す方に
少しでも有益なお話ができたら、と思います。
一昔前のスキンケアの基本
私がスキンケア製品の開発を始めた20年前と言えば
スキンケアの基本は
洗顔で汚れを落としましょう(メイク落としと洗顔のダブル洗顔)。
化粧水で水分を補いましょう。
油分でフタをしましょう。
というのが一般的でした。
今、考えると笑ってしまいますね。
新しいスキンケアの基本
皮膚科学に基づくと、お肌の健康や美しさを保つためには
「皮膚のバリア機能」がとても大切です。
そのために、次のようなスキンケアステップを提唱しています。
洗顔(できるだけダブル洗顔はしない)で汚れを落としましょう。
化粧水などで、天然保湿因子(NMF)を補給しましょう。
乳液や美容液で角質細胞間脂質(セラミドなど)を補いましょう。
エモリエント成分でお肌を保護しましょう。
メイク落とし(クレンジング)や洗顔という行為は、
お肌から天然保湿因子やセラミドなどの要素を奪い取り、
バリア機能を低下させます。
できるだけ1回の行為で済ませることで
バリア機能の低下を防ぎたいので
メイク落としと洗顔をひとつのアイテムで済ませ、
ダブル洗顔は行わないことが理想です。
バリア機能の重要な要素とは、主に下記の3つの要素になります。
皮脂膜:皮脂が膜状にお肌の表面を保護しています。
天然保湿因子(NMF):アミノ酸や有機酸、糖などの水分と結合して保湿する成分
角質細胞間脂質:セラミド、コレステロール、脂肪酸などの角質細胞の間を埋める脂質成分
基本的には、上記の要素がしっかりそろっていることが大切で
不足している要素を補うことがお肌を健康できれいに保つ秘訣です。
逆に言うと、不足していないものを無理に補う必要はなく、
たとえば、皮脂がしっかり分泌されている方の場合は
無理にクリームなどで油分を補う必要はないと思います。
ただ、皮脂は酸化されやすいので、
酸化された皮脂は過酸化脂質となり
活性酸素が発生して、お肌を傷つけ、老化の原因ともなります。
古くなった皮脂はふき取って、
クリームなどで油分を補給するのは良いことです。
天然保湿因子(NMF)やセラミドなどの角質細胞間脂質は
洗顔などの日々の生活の中でも失われやすい要素です。
日常のスキンケアには、ぜひ取り入れてほしいと思います。