高学歴ほど狙われる理由
情報戦の教科書
という凄いタイトルの本を読みました。
情報戦? 「戦争なんて私には関係ない」と思ったら大間違いです。
これを読まずして世界平和や反戦は語れない!
一読してこう叫びたくなるくらい大切なことが語られていると感じました。
特に学校で優等生だった方、高学歴の方、新聞やテレビニュースで勉強して世の中の事を良くわかってらっしゃる方、危ないですよ~。
この本を読んで痛感しました。
なぜ高学歴ほど危ないのか、その理由は後述します。
政府が陰謀論を発信!?
ところで、現代なら陰謀論と言われかねないような情報を政府が国民に向けて公式に発信していた!なんてことを言われても、多くの方はきっと信じないでしょう。
しかし実際、そういう時代が戦前の日本にあったのです。
その情報と言うのが、本の副題にもあります「防諜講演資料」と呼ばれるものです。
本によると、この資料は当時の日本国民に向けた教科書として全世帯に届けられたそうです。
当時の日本政府がなぜそんなことをしたのかと言うと、それが日本の防衛にとって極めて重要かつ全国民が知るべき内容だったからです。
その状況は今も何ら変わっていません。
ところが戦後の日本において、この極めて重要かつ全国民が知るべき内容が完全に忘れ去られています。
日本人は情報の怖さを知らない
誰にとっても情報収集が大切であることは言うまでもありません。
ですので、勉強熱心な方は社会全体や身の回りのことに関する情報収集を常に行っておられると思います。
しかし、その情報に問題があるとしたら、そしてその問題に大多数の日本人が氣づかずにいるとしたらどうでしょうか。
北欧デンマークの中学校の教科書に書かれた真実
本書によりますと北欧デンマークの公民(社会科)の教科書には何と、
「メディアを信じるな」
と書かれているそうです。
理由は、メディアが嘘をついて国民を騙すことがあるからだそうです。
そういう陰謀論みたいなことが、堂々と教科書に書いてあるのです。
実は、日本人が知らないだけでこれが現実なのです。
それが戦前の日本では確り教えられていたのです。
本の内容から逸脱しますが、1969年にスイス連邦政府が各家庭に配ったハンドブック”民間防衛”には、情報戦を駆使して国を乗っ取る方法について詳しく書かれています。
国が外国に乗っ取られないように国民に知恵を付けさせるための本で、正に戦前の日本政府が全国民に配った「防諜講演資料」に当たるものです。
アメリカでも大学で似たような教育はされているようですし、実際多くの国の人たちのメディアに対する信頼度はそれほど高くありません。
翻って今の日本の現状はどうでしょうか。
先進国でアレが断トツ一位
このグラフは世界各国のテレビへの信頼度を調査した結果を示した棒グラフです。
何と先進国の中で日本が断トツの一位で本に書かれていることと見事に符合します。
「メディアを信じちゃいけないんだったら、いったい何を信じればよいの?」
と思われた方! この本は特におススメです。
とにかく読めば目から鱗ですよ!
情報戦の教科書-日本を建て直すため『防諜講演資料』を読む | 神谷宗幣 |本 | 通販 | Amazon
再び本の内容から逸脱しますが、この本に書かれていることが如何に重要であるかをお伝えするために、テレビなどメディアが仕掛ける攻撃の一例をご紹介したいと思います。
メディアは情報兵器
昔は新聞やラジオ、今はテレビやSNS、インターネット
時代と共に変遷はありますが、いつの時代もメディアというのは最先端の情報兵器なのです。
これはある民放テレビ局が放映した韓国の女の子へのインタビュー動画です。
テロップを見る限り女の子は日本にあまり良い感情を持っていないようです。
しかし表情は朗らかでテロップの言葉と不釣り合いです。
実は、この女の子はテロップとは正反対のことをしゃべっています。
「日本は文化が豊かで、たくさんの外国人が訪れています」
大部分の韓国語が分からない日本人はこれを見て
「私たち日本人は昔、韓国(朝鮮)人に酷いことした。これからも罪を償わないとな」
などという思いを抱くかもしれません。
いや明らかにそれを狙っているように思われます。
何のために?
そうしたい海外勢力がテレビ局の中にいて情報を操作している、ということなのでしょうね。
メディアの情報兵器としての利用方法の一例でした。
「池上彰 緊急スペシャル 知っているようで知らない韓国のナゾ」
あっ またこの人かぁ!!
こういうことを全く知らずにぼーっと毎日テレビを見て全部鵜呑みにしている日本人が多いのは、デンマークやスイスの様に国民が教育されていないからです。
教育こそが要
護衛艦やミサイルを充実させるよりも重要なのが情報戦への備えであり、それには教育が鍵であると、著者の神谷さんは本の中で何度も訴えておられます。
しかし、戦後の日本人にはこの視点が全く欠けてしまっており、そうなった理由についても本の中で詳しく述べられています。
じゃあもう一度「防諜講演資料」を現代人向けに修正したものを配布すればよいではないかと思われるかもしれません。
実際、著者の神谷さんも国会でそういった要求をされたようですが、政府はいつもの検討だけに終わっているようで、本書を出版された動機は、「それならば私が」ということであったそうです。
幸い原文を現代語に変換した文章がこの本の中に入っていて、大変読み易かったですし、解説と併せて読むことで理解が深まりました。
本書の出版は大きな一歩だと思います。
大きな一歩だが
ただ、課題は多いと思います。
防衛講演資料(現代語訳)を読んで痛切に感じたのは、戦前の日本人と現代の日本人の防衛に対する認識の違いです。
今の多くの日本人がこれを読んで思うことはおそらく、
「確かに外国に情報を盗まれないようにすることは大事だけど、それは国がやるべきことで、そのために税金払ってるんだからそっちで頑張ってくれよ」とか、
「メディアが嘘をつく、NHKも? 何言ってんだお前」
みたいなことだと思います。
つまり 知識なし+自分で守る氣なし です。
こういう意識の根底には戦後の教育の問題や、戦後教育によって生じた公共心(公共への奉仕が自分や家族を守ることに直結するという認識)の欠如があると思います。
「すみません政治には興味がないんです私」
というのも同じですね。
まずはそこからで、道は長いですが悠長なことを言っていられないのも事実です。
高学歴が狙われる?
さて、本稿のタイトルである、高学歴が危ない理由についてです。
本の中で度々、日本の教育の問題点が指摘されています。
その中で分かりやすいエピソードを一つご紹介いたします。
著者の神谷さんがヨーロッパの学校で歴史の授業を見学された時、どういうテストを実施しているのか尋ねると、
「日本に例えるなら、もしあなたが豊臣秀吉だったら、本能寺で織田信長が明智光秀に討たれたという知らせを受けた時、どのように対応しますか、と言ったような問題が出ます」
という返答だったそうです。
日本で教育を受けたみなさんは、こんな問題、記憶にありますか?
私は記憶にありません。
自分が秀吉になった体で一生懸命考えないと答えられません。
その前に本能寺の変について理解していないといけませんのでベースとなる知識も必要ですが、そういうのは調べているうちに自然と覚えることでしょう。
自分の頭で考えて答えを出す!
先生の力量も問われ、先生の方も力付きそうですね。
もちろんどれが正解という答えはありませんし、本能寺の変が西暦何年とかいう正解は求められていません。
神谷さん曰く、「そういうのは唯のクイズ」だそうです。
おっしゃる通りです。
考えるための材料を集め、自分の頭で考えて、答えを出すプロセスが重要視されていて、その力を見るのが彼ら流のテストなのです。
正確な年号を覚えているに越したことはないでしょうけど大体いつ頃で十分でしょう、と私は思います。
さほど重要でもないことをごろ合わせで丸暗記させられて、良く覚えた人がエライ!クイズ王がエライ!みたいなのが日本の学校教育って、なんかおかしいですよね。
自慢じゃないですが私は年号覚えるのが大嫌いでしたので社会科の成績は悪かったです。
若かりし頃に受けた共通一次試験(現共通テスト)では歴史と地理はパスしました。(私の次の年からそれは禁止されました)
さて、正解を覚える勉強ばかりで、自分で考える能力がまったく磨かれていない人はどうなるのでしょうか。
社会に出ると今度はメディアが正解を教えてくれる先生になりますので、まんまと騙されコントロールされます。
一概には言えないと思いますが、日本式の学校で一生懸命勉強した人ほど要注意ですね。
この記事を読んで、これはまずいと思われた方は、本書を読んでみてください。
おしまい
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