NOKTON 40mm F1.2をオートフォーカス化
COSINA VOIGTLANDER NOKTON 40mm F1.2 をNikon Zf に取り付けてオートフォーカスでバシバシ撮っていくお話をしたいと思います。
このレンズには Nikon Z マウント用がラインナップされていますが、今回試すのはそちらではなくライカMマウント用のレンズです。
あえてライカ用を選ぶ理由
なぜライカ用のレンズを使うのかと言いますと、これを特殊なマウントアダプターを介して Nikon Zf に取り付けることで、なんとオートフォーカス化できてしまうからです。
それがこちら
ボディ側に電子接点があり、内臓モーターでレンズを前後に動かすことでピント調節を行う仕組みになっています。
瞳検出も可能
オートフォーカスの精度や被写体検出能力はカメラの能力に依存します。
カメラ次第ですが人間の瞳などの被写体検出機能が通常のオートフォーカスレンズと同じように使えます。
ただし重いレンズを使用することはできず、仕様では300g以下となっております。
体感では純正のオートフォーカスレンズを直接カメラに取り付けた時と比べピントが合うまでの時間が若干長いように感じますが、静物、ポートレート撮影では問題なく使えそうです。
コシナのこの銘柄のレンズにはLeica M 用、Canon RF 用、Nikon Z 用、Sony E 用があり、それぞれ各社のセンサーに合わせて最適化する調整が行われている可能性があります。
ですので純粋に写りのことだけを考えればマウントアダプターを使用せずに直接カメラに取り付けられる製品を選ぶ方が良いと思います。
そうすることで絞り値やピントの合っているところの距離の情報がカメラ側に伝わるというメリットもあります。
しかしそれだとカメラのオートフォーカス機能を利用することができません。
この選択は羊頭狗肉の策です。
寄れるレンズに変身
このマウントアダプターを利用することで得られるメリットがもう一つあります。
それは仕様の最短撮影距離よりも被写体に近づいて撮影することができることです。
レンズのヘリコイドを繰り出した状態でオートフォーカス機能を働かせることでそれが可能になります。
このレンズの場合、仕様の0.5mに対し0.3mくらいまで寄れるようになります。
もちろんヘリコイドを繰り出した状態ですと無限遠にピントが合いませんので、遠景を撮影するときは目盛を無限遠かその付近に合わせておく必要があります。
外観
MR.STONEのハーフレザーケース&ストラップ、純正レンズフード(LH-8)を取り付けた状態がこちら
ケースの底が分厚いのでスクェアな印象です。
フィルターやフードなしだとこんな感じです。
これもカッコ良いですが、レンズの保護という意味でフィルターは必須な氣がします。
このフードにはライカで使用する際にファインダーの視界がけられないようスリットが付けてあるのですが、これは万が一落っことしたりぶつけたりしたときの衝撃吸収に役立つと思います。
フィルターと共に雨除けにもなりますし、フードは常に付けておこうと思います。
ところどころ保護シールを貼っており、その部分が艶消しになっておりますが元々のボディは半艶ありです。
それにしても、F1.2のレンズがこの大きさとは驚きです。
これは光学ガラス素材やレンズ設計製造技術の進歩によるものだと思います。
重さや大きさ
OLYMPUS PEN-F から持ち替えると重さを実感できます(笑)
Canon R6 MarkⅡ はプラスチック素材が多用されていて軽いですが、こちらは底板以外の外装はほぼ金属で、本体だけでもずっしり来ます。
それに加えモーター入りのアダプターが重いです。
鉄の塊を持ち歩いている感じですが、昔使っていた Canon EF は確かこのくらいだった気がします。
試写
2枚とも電気ポットのロゴにピントを合わせています。見てくださいこのピントの薄さ!周辺減光も加わり日常の空間がまるで別世界のようです。
絞り解放からシャープですが、ガラスに付いた水滴にハロがかかっていて良い雰囲気が出ています。これがこのレンズの特徴の一つです。
こういう状況では周辺減光が目立ちます。絵作りに生かせるのであれば問題なしですが、これが嫌な時は少し絞れば良いと思います。
雑然とした環境でも絞り開放で撮ると良い感じに写ります。ピントの薄さと独特のボケ感がたまりません。
若干糸巻きですけど氣になる場合は後からソフトで補正すれば問題なし。
解放F値が小さいレンズは見せたいところにピントを持ってくるという使い方がやりやすいです。
先ほどご紹介した技を使って被写体によって撮影しました。便利です。ここまで寄ると収差が目立つようになりますが、色収差は良く抑えられていると思いますし、全体にほわっとした良い雰囲気が出ています。素晴らしいレンズです。
サドルのロゴのところなどにパープルフリンジが見えますがこの程度ならライトルームとか使えば消えるのでしょう。持ってないので試せません。
路地での撮影ですが、焦点距離40mmでフォーカスした部分が確り解像し、それ以外が大きくボケるという普通あり得ない状況がどこでも別世界に見せてくれます。
しかもオートフォーカスですので一瞬のシャッターチャンスを逃しません。この組み合わせはスナップやポートレートで便利に使えそうです。
オートフォーカスで素早く合わせておいてからAFロックボタンを押して手動でピント調整ということも可能です。
マニュアルでのピント合わせに慣れている人にとっても便利な機能だと思います。
おしまい
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