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【中薬を故事で学ぶ】 魚腥草の故事 〜侗族を救った青年:魚腥草の力〜

宋朝熙宁6年の夏、大雨が降り続き、河川が急激に増水し、泥砂が堆積し、家屋が流され、農地が水没しました。河沿いの侗族の人々は家を失いました。雨が止み、水が引いた後、河沿いの侗族(とんぞく)の人々や家畜の多くが同じ病気にかかり、一日中下痢をしていました。

当時の医療レベルでは、この病気が何であるか誰も分からず、人々は不安に陥りました。そんな緊急の時、白馬灘侗寨(現在の芷江新店坪鎮白馬舗村)に住む張という姓の青年が、魚腥草(ぎょせいそう)を持ってきて、「この草でこの病気が治るかもしれません。みんな試してみてください。」と言いました。

侗族の人々は半信半疑でしたが、このまま何もしないで死ぬくらいならと思い、試してみることにしました。魚腥草の根を食べると、次々と病状が改善されました。この出来事はすぐに周辺の各村に広まり、魚腥草を食べた全ての病人が治りました。

では、どうして張青年は魚腥草が病を治すことを知ったのでしょうか。実は、張青年は家で魚腥草を豚に与えて育てていました。近所の豚が病気になったのに、彼の家の豚だけが病気にならず、家族全員が不思議に思っていました。彼は草薬にも少し詳しく、魚腥草を食べることが理由ではないかと考えました。

「魚腥草は清熱、解毒、利尿の効果があるのでは?」そこで家族全員で魚腥草を試しに食べてみました。すると、確かに3日以内に全員の病状が大幅に改善したのでした。それ以来、侗族の人々は魚腥草をとても大切にするようになりました。

食べ方も改良され、魚腥草の地下茎を洗って短く切り、焼いた唐辛子の粉、生姜、パクチー、ネギ、ニンニク、酢などを混ぜ合わせて調理するようになりました。こうして、今日まで食べ続けられることになったのです。

おしまい


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