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【中薬を故事で学ぶ】 絡石藤の故事 〜科挙試験合格を支えた薬草〜

かつて、都へ科挙試験を受けに行く人々の中に、ある学生の姿がありました。彼は何度も試験を受けてきましたが、一度も合格することができませんでした。それでも50歳を過ぎても諦めることなく試験を受けに行くことにしました。

都に向かう途中、彼は旅館に宿泊しました。しかし、突然の天候の変化により、彼の持病の関節炎が悪化してしまいました。脚の痛みがひどく、試験に影響が出ることを懸念しました。しかし、旅費を払うお金しか持参しておらず、薬を買うお金がありませんでした。

彼は窓を開けて外を見ると、近くの石の上に何本かの草藤が絡まっているのを見つけました。それはまるで石の「経絡」のようでした。彼はふと、これらの草藤に何か効果があるのではないかと思いつきました。

詩書を読み込んだ彼は中医にも多少通じており、取類比象(類似を引き合いに出す中医の考え方)の考えがありました。「これらの草藤には経絡を通す効果があるかもしれない!」そこで彼は、いくつかの草藤を摘んで煎じて飲んでみました。

すると、脚の痛みが和らぎました。都まで向かう半月間の間飲み続けると、ほとんど痛みは感じられなくなり、試験にも影響は出ませんでした。そしてこの試験で、ついに彼は合格を果たしました。

帰郷する際に、かつて自分の関節炎を治した草藤を再び見かけましたが、その名前はわかりませんでした。彼は草藤が石に絡まるのを見て、「絡石藤」と名付けました。彼はこの草藤が関節炎を治療する効果があることを故郷の人々に伝えました。

絡石藤は地元に恩恵をもたらしました。以後、絡石藤は関節炎治療に用いられることが広く知られるようになりました。

おしまい


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