【中薬を故事で学ぶ】　竜眼肉の故事 〜海子の秘薬〜

昔々、姓が銭という官吏がいました。彼は地元の人々と一緒に堤防を修築し、田を耕し、魚を養殖していました。数年で、かつての洪水地域は、住民が安心して暮らせる魚と米の産地に変わりました。

しかし、銭には悩みがありました。結婚して3年経っても子供がいなかったのです。地元の住民は彼の勤勉さと民への愛に感謝し、自分の娘を妾として差し出すことを申し出ましたが、銭はそれを断り続けました。

そんな中、ついに彼は53歳で息子をもうけました。家族はみな喜び、3日間連続で宴会と音楽を楽しみました。しかし、先天不足に加え後天的な甘やかしのためか、銭の息子は小さく痩せていて、よく発熱や咳をしていました。10歳になっても4、5歳の子供のように見えました。

銭は治療のために医者を探し、名医を招き、様々な治療を試しましたが、息子の体は強くなりませんでした。そんな中、遠い親戚の王夫人が訪ねてきて、銭に言いました。

王夫人：「竜眼は虚弱を治すのに効果的です。もし息子を健康にしたいなら、竜眼を食べさせるしかありませんね。」

銭：「竜眼とは何ですか？」

王夫人：「昔、哪吒が東海龍王の三太子を殺し、竜眼をえぐり取りました。その頃、海子という栄養不足で虚弱な貧しい家の子供が病気になり、何ヶ月も治療しても改善されませんでした。哪吒がこの話を聞き、海子に竜眼を食べさせました。海子は竜眼を食べた後、体が強くなり、病気が治り、やがて立派な大男に成長しました。結婚して13人の子供をもうけ、130歳以上生きました。海子が亡くなった後、彼の墓から木が生え、木には竜眼がいっぱい実りました。東海の住民たちはこの話を聞いて、竜眼を摘み取り、果肉を食べ、種を植えました。各家庭で竜眼の木を植え、竜眼の果肉を食べるようになり、みんなが健康で病気知らずになりました。」

銭は喜び、東海で大量の竜眼を摘んできて、息子に毎日食べさせました。食べきれない分は乾燥させて常に食べられるようにしました。また、家に竜眼の種を大量に植えました。

息子は竜眼を常食しているうちに、徐々に体が丈夫になりました。その後、銭の指導のもとで文学と武術を学び、功名を得て、父親のように熱心に民のために尽くす良い官吏になりました。

おしまい

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