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【中医学の小話】 〜扁鵲 起死回生!〜

ある時、扁鵲が虢国(かくこく)を訪れた時のことです。彼は虢国の太子(たいし)が突然亡くなったと聞きました。しかし、太子が亡くなってからまだ半日も経っておらず、まだ埋葬されていませんでした。そこで、扁鵲は急いで宮殿の門まで行き、中庶子(ちゅうしょし)に会うと、太子を生き返らせることができると告げました。

中庶子は、「死んだ人間が生き返るなんて、ありえない話だ!」と扁鵲の話を信じませんでした。しかし、扁鵲は深い溜息をついて言いました。「私の言うことが信じられないなら、太子の耳鳴りを聞き、鼻が腫れているのを見て、大腿や陰部がまだ温かいかどうかを確かめてください。」

中庶子はこの言葉を聞いて急いで宮殿に戻り、虢君(かくくん)に報告しました。虢君は驚き、扁鵲を迎えに出ました。扁鵲は説明しました。「太子が患っているのは、いわゆる『尸厥(しけつ)』です。人間は天地の陰陽二気を受けています。陽は外を主り、陰は内を主ります。陰陽が調和していれば健康ですが、太子は陰陽の気が失調し、内外が通じず、上下が通じず、気脈が乱れて、顔色がなくなり、意識を失い、静かにしているだけで実際には死んでいません。」

扁鵲は弟子の子阳に砭石を研磨させ、三阳五会(百穴)に針刺しました。しばらくすると、太子は目を覚ましました。次に、弟子の子豹に薬物を準備させ、交替で太子の両脇腹を温めました。太子は座れるようになり、さらに薬物で調理して、わずか20日間の服薬で完全に回復しました。

このため、人々は皆、扁鵲が「起死回生」の術を持っていると賞賛しました。しかし、扁鵲は賞賛してくる人々にこう言いました。

「私は死人を蘇らせることはできません。太子はそもそも生きていたのです。私はただ、彼が健康を取り戻すのを助けただけです。」

おしまい


三陽五会穴とは?

三陽五会穴とは百会穴のことです。
足太陽膀胱経、手少陽三焦経、足少陽胆経の三つの陽経と、足厥陰肝経、督脈の計五経脈が百会で交会していることから、三阳五会穴ともよばれます。

百会穴の神秘的な効果

百会穴は最初に《針灸甲乙経》で初めてみられ、督脈に属し、手足三陽経と督脈の陽気が交わる場所です。百会穴は頭頂部に位置し、その深部には脳のがあります。百会穴は督脈の経穴であり、督脈は脳に帰属します。このように、百会穴は脳と密接に関連し、大脳の機能を調節する重要な要穴であることがわかります。百脈の会であり、諸陽の会であり、全身に通じています。そのため、全身の陰陽バランスを調整する作用も持っているのです。


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