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海が苦手なのに、沖縄が大好きになった件【旅行記.20231113-1116】

筆者は、2023年11月13日(月)から16日(木)にかけて、初めて沖縄に旅行へ行った。

沖縄、とてもよい場所であった。
今まで、旅行先として全く考慮に入れていなかったのが悔やまれるほどである。


前置き

実は、筆者は海が好きではない。
というのも、肌が弱く、海水浴をしようものなら、塩分に皮膚が負けて赤く痛むようになってしまうのだ。

10年ほど前に、知多湾に浮かぶ日間賀島へ友人と行き、そこで生まれて初めて海水浴をした。

そこで自分の肌の弱さを知ってからというもの、海水浴には一切行っていない。


しかも、我が家は山や温泉に出かけることがおおいため、海は、筆者にとってかなり遠い存在だった。


しかしながら、たまたまJALのタイムセールを見ていたとき、名古屋から沖縄まで、片道およそ9000円で行けることが判明した。

タイムセール対象期間には、大学の定期試験期間中で、筆者たち院生はとくに予定がない時期=11月中旬も含まれていた。

愛知県民の筆者は、大阪や京都より西にはほとんど行ったことがない。
これを機に、今まで行ったことのない地域にも出かけてみようと思い立ち、早速予約。

このときはまだ、沖縄「が」良いから選んだのではなく、誤解を恐れずにいえば沖縄「で」良いかという感じだった。

名古屋からJALを使って旅できる限られた地域のなかで、まだ訪れたことがなく、かつ今回筆者の目にとまったのが沖縄だったのである。
その意味では、まったくの偶然の出会いである。

首里城公園より。

しかし今回、3泊4日・那覇市内のみ滞在という限られた時間・場所ではあるが沖縄へ行き、結果、沖縄が大好きになってしまった 笑


行った場所

自身の旅行記も兼ねて、ここに行程を示しておく。

なお、移動はすべて徒歩、ないしはゆいレールである。

11月13日(月)
・14時55分発 JTA47便で中部国際空港→那覇へ
・17時20分ごろ 那覇空港着、「ゲストハウス海風」で宿泊(この日は移動のみ)

11月14日(火)
・午前:沖縄県立博物館・美術館
・午後:国際通り、やちむん通り散策
・夕方:那覇市立壺屋焼き物博物館
沖縄ホテル

11月15日(水)
・午前:首里城公園
・午後:玉陵へ。その後、瑞泉酒造の見学・泡盛購入。
・夕方:浦添城跡
・沖縄ホテル泊

11月16日(木)
・8時ごろ:ホテルチェックアウト
・9時半ごろ:JALサクララウンジへ
・12時5分発のJTA42便で中部国際空港へ(この日は、出発が10分ほど遅れた)


ぱっと見てお分かりいただけるように、史跡や文化施設ばかりを巡った旅である。
当然ながら、海は一切登場しない 笑

ひとり旅だからこそ、自由に時間を使うことができる。

とくに、JAL CLUB ESTの特典を利用してJALサクララウンジに入ることは、筆者にとって、飛行機を使った旅行でのひとつの楽しみになっている。

那覇空港のラウンジ入り口。いつか、DPラウンジも入ってみたい


とくに印象深かったところ

その1:沖縄県立博物館・美術館

実は、旅行プランを考える際に、最初に行こうと決めたのがこの施設だった。

沖縄の歴史をほとんど知らないため、自分自身の学習のために、というのが理由のひとつである。

そしてもうひとつの理由として、博物館と美術館がひとつの敷地内にある、ということがある。

あるモノが「芸術作品」となるのか、それとも「民族(俗)資料」となるのか、その境界は極めて曖昧である。
自明だと思われていた博物館と美術館の境界は、実は互いに浸透しあっているものではないのか。

こうしたことを考える上で、この施設は示唆的であるように思う。

ちなみに、こうした相互浸透が明確な形で現れたのが、ニューヨーク近代美術館で1984年から1985年にかけて開催された、「20世紀美術におけ るプリミティヴィズム——『部族的』なるものと 『モダン』なるものとの親縁性」展である。

この展覧会についての詳細は、すでに発表されているいくつかの論考を参照していただきたい[たとえば 大久保 2004]。


美術館入り口。博物館・美術館は、それぞれブースが分かれているものの、両者の近接性が、同じ敷地内にあるということにより示されているのではないか。


さらに、美術館の特別展示「OKINAWA HEAVY POP」も大変よかった。


照屋勇賢氏の個展で、氏は「heavy」と「pop」が混在する沖縄の状況を、さまざまなかたちで表現していた。

「空へ 2」


とくに、「空へ 2」という作品が、筆者にとって印象深かった。

風船に砲弾の破片がくくり付けられた作品で、まさに、「heavy」と「pop」の混在である。

「楽園」「南国」「ビーチリゾート」などとして売り出されるばあい、沖縄は、歴史的文脈を捨象した、「pop」なものとして表象される。

それでも、「琉球処分」や沖縄戦、その後の基地問題など、ヤマトンチュ——沖縄の人々に対して、いわゆる「本土」の人間を指す——との歴史的な関係性や、権力の不均衡に起因する問題は、沖縄の「heavyな現実」として確かに存在する。

こうした、相反するように見える要素を、どのように観光コンテンツのなかに盛り込んでいくのか、また我々観光者は、それをどのように受け取るべきなのか。

そもそも、「沖縄の歴史」を「理解する」とは、どういうことか。

観光者が「悲劇の沖縄」などという言説でもって沖縄を表象することは、一方的な権力関係の行使か、あるいは「沖縄に興味・関心のある自分」に対する自己陶酔へと、容易に転落する恐れがある。

さらに、このように「沖縄をめぐる発話のポジション」を考察すること自体、ヤマトンチュである筆者の「特権」なのかもしれない(自らの特権性に自覚的であると述べることも、単なる自己陶酔に過ぎないのではないか、という批判を承知のうえで)。

観光を人文社会学的観点から考察していくうえで、沖縄県立博物館・美術館は、とても重要な役割を果たすように思われる。


浦添城跡へ向かう道中、初めてオスプレイを実際に見た。


その2:首里城公園

2019年に正殿が火災にあったことは、記憶に新しい。
筆者は、公園内の展示で初めて知ったのだが、2019年に公園内の「平成の修復」が終わり、ようやく再スタートを切った矢先の出来事だったようだ。

焼け跡の写真や被害を受けた飾りなどが、なんとも痛ましい。


現在、2026年の再建を目指して復旧工事が進められているが、これを間近で見られるようになっている。

焼失前の様子をCG映像等で確認できる展示や、琉球王国時代の遺構などの解説板が数おおくあり、休憩を挟みつつ存分に見学することができた。

これで、大人320円(ゆいレールの1日乗車券割引)とは、なんと破格の入園料ではなかろうか。

8時半の開門に合わせるように入場し、午後2時に予約した、瑞泉酒造の見学まで半日以上を首里城公園で過ごした 笑

ちなみに、首里城下にある玉陵や、ぜんざいの店「純」へも足を運んだ。
ぜんざいではなく普通のかき氷を食べたのだが、このボリュームで250円は安すぎる…

水分なのに、とても満腹感を得られる場所だった 笑

玉陵。
瑞泉酒造にて。甕に入れられ、泡盛は熟成される。
筆者は、甕で最低10年は熟成された古酒「おもろ10年」を購入。
酒造見学後に試飲をさせてもらったが、新酒と古酒では、まろやかさが全く違うのには驚いた。やはりお酒は奥が深い。


終わりに

いろいろなものを見て、食べて、考えた4日間だった。

JALのブラックフライデーセールで、2024年2月分の航空券がまた格安で販売されるようだ。
また近いうちに沖縄に行くかもしれない 笑

https://www.jal.co.jp/jp/ja/dom/special/timesale/



JALサクララウンジにて。泡盛とオリオンビールをいただきながら、大学院の研究発表に向けて資料作りに勤しむ。


参照文献

大久保恭子 2004「ニューヨーク近代美術館(MOMA)と20世紀モダニズム」『立命館産業社会論集』40(2):25-47.


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