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ひも、七日目。凹む。

ポンコツさに凹む。

「またエアコンつけっぱなし!電気代もったいないから消して!」

家主からのメッセージ


やってしまった・・・・。

友人宅に転がり込むのは初めてだけど、同じ失敗で友人に迷惑をかけてしまった。つい3日前、注意されたばかりなのに、なんてマヌケなんだろう。



7月7日、日曜日のAM 9時17分。
朝目が覚めて、半ばゾンビのようにInstagramのリールを
縦に流す。泥沼の時間。


この動画で最後、いや次で最後…、永遠ループ。。。


2-30分ほど経っただろうか。
ゾンビを聖水へ、お風呂に浸かりながら考える。

今日は予定がいっぱいに詰まっている。
午前中は東京都が主催するビジコンに昼は渋谷パルコで映画鑑賞
午後は留学コミュニティの1周年パーティ、締めはとある実験場の7周年パーティ。


クーラーのスイッチを消して、靴を履いた。
きっちり間に合う。



その時、こだわり癖・・・もう一人の自分がひょっこり首をもたげた。
「ねえ、まだやることあるんじゃないの?」


散らかしてしまったところを
少し掃除してから出かけようと思ったのだ。床をアルコールティッシュで拭いて、お風呂場をシャワーで流す。コップを洗って、椅子を元の位置に戻す。
そうだ、これからはファッションを生業にするのだから眉毛ももっと綺麗に描き直そう。整髪料でもっとボリュームを乗せて、ムダ毛も綺麗に除いて・・・・、気づいたら11時を回っていた。

朝の予定を1件キャンセルしたことへ軽く舌打ちしつつ、
友人宅、そして自分を綺麗に保つことはとても大切なので、
結果オーライ、玄関を後にした。


次は泥沼からもう少し早く出れたらいいな。


映画館で「今やりたいことを今やろう」と励まされ、昼は起業家とZ世代にSNSのアドバイスを受け、夕方の実験場ではかつての研究員たちと近況報告を交わす。


気付けば時計の針は20時をまわり、喉が枯れるくらい新たなチャレンジについて喋り倒し、筋肉ピクピクなお口を真一文字に閉じて、重い足を引き摺りながら電車へと向かった。


「またエアコンつけっぱなし!電気代もったいないから消して!」

家主からメッセージ

そんなバカな・・・!!
確かに朝消して・・・・!!!家に帰って弁明をせねば・・・。


「ただいま、、、!」
「ハゲ〜〜」

「うーー、ごめんよ!聞いて!でも朝消したよ??クーラー消して、玄関から出ようとしたんだけど、でも掃除しようと思って」
「そこで、点けたの?」

「あっ・・・」
「ハゲ〜〜〜〜」


底が見えない谷底へ、一直線に気持ちが落下してゆく。
なんって自分は間抜けなんだろう。。自分のポンコツさに、嫌気が差す。
こんな簡単なトリックに気付けなかったのか。

一度消したとしても、その後スイッチを点けたら、点いたままになるじゃないか。あゝ・・・・!!!愚かさにすごく腹が立って仕方がない。今夜はビジネスホテルで泊まろうか。そう本気で考え、引っ越しで持ってきた枕に目をやる。


「ハゲにつける薬はないね〜〜、はい、オレンジ」
流石に食べる気にならない。こちらは今、申し訳なさで地面にめり込みそうなのだ。深海のように重い空気の中、無言でオレンジと睨めっこをする。

ヘトヘトだった身体は
いつの間にか鉛のように重くなっていた。


オレンジは悪くない


「家に来るってなった時点でー、TAKAのそういう完璧じゃないところ込みで受け入れる覚悟はできてるよー。気にしなくて良いよ。」


ヘドロみたいだった身体が安心感で一気に緩んでゆく。
羽でも生えたかのように軽くなってゆく。



「ごめんよぉおお。。。」
「はいはい、ハゲハゲ」

決して禿げてはいないが、果てしなくポンコツな自分を許してくれる友人は、また果てしなく尊いことを悟った。温かい場所にいる限り、きっと自分のメンタルは沈み過ぎず、ただ目の前のことに有り難みを感じながら生きていけるのだろう。合唱。



この言葉に甘えず、次はスイッチを消して・・・いや
もう一度つけたとしても、もう一度消そう。おやすみなさい。


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