Prologue
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…20XX年08月25日 15時40分…
下北沢。
約束の待ち合わせ時間に早すぎる到着をした男がそこにいた。
(50分ばかり暇だなぁ…どうっすかなぁ…)
背伸びして、ベンチに座ると鈍い音がした。
(あっ、やべ…)
それは、スマートフォンだった。どうやらベンチに置かれたままだったらしい。
ヒビが入ってしまったが、自身が付けたものかわからなかった。
電源は落ちている。それに誰も拾いにもこないし、周りで誰かが探している素振りもない。
(……あー、壊しちゃったよぉ。どうしよっか?!?!!$”%”#$ って、ええっ?!)
考える間もなく、装着していたBluetoothイヤホンから大音量のノイズが耳に流れ込んできた。
(まじかよぉ、先月買ったばかりなのにもう壊れるのかよ…)
時間が経過していくにつれ、ノイズは小さくなっていき、何かが聞こえはじめる。
「%#”$$”! の”$#$”です!今、#ん急で動画を回してるんですけど~…」
聞こえはじめたと思ったら、落ちてたスマートフォンから映像が流れ始めていた。ついさっき拾ったスマホから音が自身のイヤホンに流れてきているという理解したくない現象が起きていた。
(おいおい、設定してないのに聞こえてくるってなんだオイ?)
「いまね、すごく大変なことが起こってます」
(しかも、声はするけど姿が見えないし)
「なんか、誰も俺の存在に気づいてないみたいなんだよね!」
(なにいってんだこいつ?!それにこの画角、こりゃ、アウトカメラにしてるな…)
「でさ、今、なんか知らんけど、電車かな?線路の上を走ってるから…まぁ、電車か。その中にいんのね?!で、さっきなんか大きな音がバーンって鳴ったあと、山の中で止まっちゃったんだよねぇ。だから暇なんであっちこっち行って見ようと思います。」
(結構な騒動じゃねーか。)
「いやぁ、結構長いねぇ、この電車。線路は続くよ~どこま~……」
(なに、呑気に歌って…あれ?止まった?…動かない…ぐるぐるって…ローディングか?)
突如として映像が切り替わった。
さっきまで陽気に話していた男の声は聞こえなくなり、ガタンゴトンと電車が動いているような音だけが聞こえる。そして映し出された映像は、暗い部屋であることだけが認識できた。
(なんだよ…気味悪いな…しかも揺れて……ん?え?…小学生か…??…中学生か??)
映像が荒いながらも小学生から中学生くらいの身長の人間、数名が横たわっているのを見つけることができた。着ている服装や髪型から、どうやら性別はバラバラであることは見て取れた。
(みんな、寝てるのか?。んー?何人いるんだこれ…。)
今度は、ジッ!ジッー!と、映像にノイズが走り、映像が切り替わる。
「いやぁ、皆さん、聞いてください!なんと!あっちの車両で男が倒れて、死んじゃったみたいなんです!いってみましょー!」
(ほー?気味悪い映像が差し込まれたと思ったら、元に戻って、人が死んでるって、いきなりの急展開だな、なんか面白そうじゃん。)
この後、スマートフォンから流れてくる物語にこの男が魅了されるのにそう時間はかからなかった。
#魔女エステリーゼの事件簿 狼と兎編
二次創作×感想記事
続けますか?
ー はい
ー いいえ
あとがき
見た舞台(今回は狼と兎編)を作中劇に落とし込んで、それを見てる人物(今回ならスマホを拾った男のこと)が、サカイの感想を述べている小説式感想記事なら面白いんじゃないか!?と思ってプロローグを作ってみたものの、後に大変なことになるんじゃないかと思い始めた(笑)。
ワタクシは、挫けずに続けられるのか!?
(その5は8/31までには投稿しますのでお待ちください)
というか、こういう形式で続けていいのか!!?
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