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劇薬の仕事術④:足立光さんのヘンケル社長時代の仕事術とは?

読書ノート(64日目)
さて、本日もこちらの本からです。

本日は足立さんがコンサルから転職し、
事業会社での社長時代の話です。

・ヘンケルに入社後、まず社内外の関係者から話を聞いた。
 その時に繰り返していた言葉は「それは、なぜですか」

・すでに自分で答えを持った状態で質問し、
 相手が気付いて正しい答えに辿り着くまで質問する。
 自分の考えていた答えが社員の口から出た時は、
 「そうですよね!素晴らしい!やりましょう!」
 と伝えることを心掛けた
 
・従来の営業職は、卸がいくら買ったかで評価されていた。
 それを卸から小売にいくら売れたのかに変えた。
 また、卸担当で圧倒的な実績を挙げていたエース営業を
 新たに作った小売店担当に異動させた。
 (評価制度と人事は会社として何を今後重視するのかを
  多くの社員に伝えるためのメッセージになる)

・人には、上を見て仕事をする人と、
 正しい事をしようとする人の2つのパターンしかない。

・「悪魔のサイクル」から脱却する
 悪魔のサイクルとは…
 中途半端な新製品の過度の投入→経営資源の分散/偏り
 →不十分な実施体制→売れない/利益が上がらない

・結果として、工場の生産性が低く、
 在庫処分の為に安く売ることになってしまい、
 競合よりも「高く作って安く売る」ことが常態化していた

・伝え方として「〇〇部が問題」ではなく、
 事業の「サイクル」に問題があると指摘し
 経営の全体を見せるようにした。
 そしてそのサイクル全体に責任を負うのが社長であり、
 最も責任を負うべきは経営者である自分とした。

・企業文化を変えるために「行動指針」をつくる。
 経営者である自分がいなくても回る組織をつくる。

・ヘンケルに入社してまず感じた事は、
 社員に全員共通の意識・行動=企業文化がないと感じた。
 同じ考え方や価値観を持つ人が多ければ、
 圧倒的に仕事が進めやすくなる。
・外からは会社としての顔が見え、特徴のある会社になれる。
 その意味で企業文化は極めて重要。

・お客様第一主義などのスローガンではなく、
 具体的な行動こそが企業文化を作る上で重要。

・ヘンケルでの行動規範
 (1)共同体(Ownership):
 (自分とは関係ない部署の事でも)
 見逃さない、あきらめない、自ら行動する
 (2)責任(Commitment):
 できない約束はしない、約束したら必ず守る、他責をしない
 (3)意見(Opmion):
 意見を言う、代替案のない批判はしない、自らが納得して行動する
 (4)スピード(Speed):
 電話・メールを問わず48時間以内の回答、すぐにできないなら、
 いつまでにやるかの提示、会議の徹底的な効率化

・スピードを追求する一方で、重要だが緊急ではないことに
 毎日一定に時間をあてることも求めた。
 中長期的に強い会社になろうとすれば、
 未来の種をまいて行く事も必要。

・そして、ほぼ全ての行動規範には「悪い例」もつけ、
 「何をしてはいけないのか」も明らかにした。

・プロフェッショナル部門の責任者に着任時、
 社内外の声を聞き、営業の規律やモラルの問題に直面。
 社内にプロフェッショナル部門の強みを聞くと、
 商品力、サロンへの教育力、トレンド発信力との回答。
 一方で顧客であるサロン・ディーラーに聞くと、
 値引き、接待(飲み食い)、海外研修旅行と
 社内と社外での強みへの認識に大きなギャップがあった

・足立さんの信念と座右の銘:
 経営の最も重要な仕事は自分がいなくても回る組織を作ること
 座右の銘は「プライド・スピード・パッション」

今回は足立さんの事業会社の社長時代の
仕事術についてですが、
ここでも戒律に近い、行動規範を定めて
社員に具体的に示している点が興味深いです。

 (※再掲です)

 (1)共同体(Ownership): 
 
(自分とは関係ない部署の事でも)
 見逃さない、あきらめない、自ら行動する
 (2)責任(Commitment):
 できない約束はしない、約束したら必ず守る、他責をしない 
 (3)意見(Opmion):
 意見を言う、代替案のない批判はしない、自らが納得して行動する
 (4)スピード(Speed):
 電話・メールを問わず48時間以内の回答、すぐにできないなら、
 いつまでにやるかの提示、会議の徹底的な効率化

 そして、ほぼ全ての行動規範には「悪い例」もつけ、
 「何をしてはいけないのか」も明らかにした。

僕自身は今までの会社員人生を振り返っても
こういった行動規範を明確に示された経験って
ほとんど無かったかなと思います。

新人の頃に、仕事の仕方として先輩や上司に
・仕事はスピーディーに、悪い話こそ早く報告する
・現状分析→仮説→実施→検証のPDCAを回す
といった事は教わりましたが、
それ以降は各自に結構な部分を任されていた気がします。

社会人としての当たり前や
上司が好む仕事の進め方を感じ取って
その時々で仕事の仕方を軌道修正する
そんな事が多かったかなと思います。

戒律のような行動規範をつくることのメリットは
チームのメンバーだけでなく
上司も同じ行動規範で動くことで
例外をつくらないことなのかなと思います。

上司は多くの場合はメンバーより多忙ですし
ともすると、
メンバーは(顧客ではなくて)
評価者である上司のために仕事をする
といった、歪んだ行動に繋がる可能性もあります。

そんな中で、上司もメンバーも同じ行動規範に
沿って行動を継続することが
立場によって例外を作らないということになり
結果として、
組織文化や企業文化として浸透をしていく
そんな気がします。

戒律や行動規範と聞くと何だか窮屈な感じがして
今までは作ることを避けていましたが
これを定めることで、
・チームとして大事にしている事が明文化され
 メンバーも自分自身もピリッと引き締まる
・メンバーを評価する際も基準が明確になる
といった様々なメリットがあることを
本書は気付かせてくれました。

僕自身の場合…
チームの行動規範を作るとしたら
何を挙げるだろうか…

チームとしての目指したい姿は、
「顧客・他部署・他チーム・上司などの
 "周囲から信頼されるチーム"」かな。

そのためには、
相手の期待以上の成果を出す
=サプライズがあることを大切にしたい。

サプライズの方向は
相手の期待を上回るスピードか
依頼されたプランAに加えてプランBまで考える
というスピードか質にこだわる事を大切にしたい。
(足立さんの仕事術の真似をしてみました…笑)

そのための具体的な行動規範は何だろうか…
スピードにこだわるなら:
・仕事の最終納期を明確にする
・仕事の依頼を受けたら2営業日以内に
 一旦の進捗をどんな方法でも良いので共有する
・納期に間に合わない場合は
 チームメンバー同士で協力する。
 メンバーの協力でも間に合わない場合は
 マネジャーは他部署にフォローを要請するなどし
 約束した仕事の納期は厳守する

質にこだわるなら:
・そもそもこの仕事の目的は何かを確認する
・今やろうとしている仕事が
 その目的達成のための最善解なのかを
 自問したりチーム内でチェックする
・もし最善解なら、そのままスピーディーに実施
・もし他に良い案がありそうなら
 依頼された仕事に加えて、
 新たな視点でプランBも提案する

…と、一通り思いつくまま考えてみましたが
まだまだ長文になっているので
これらをそぎ落として、
自分なりの行動規範にできたらと思いますし
チームメンバーの理解や納得感が得られれれば
メンバーの意向も加えてアレンジしたものを
チームの行動規範として掲げてみて
「2023年はこれらを大切に一緒にやってみよう!」
と宣言しても良いかなと思いました。

朝からつい長々となってしまいましたが…
それではまた明日ー!😏

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