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港町・函館 今と昔

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天然の良港をいだく函館。 高田屋嘉兵衛の千石船が出入りし、ペリー提督が水と薪をもとめて開港をせまり、戊辰戦争では榎本武揚の艦隊が官軍と交戦するなど歴史を刻んできた。 開港160年…
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#箱館

神主が狂った

坂本龍馬を従兄弟にもつ 土佐藩士・沢辺琢磨は、 江戸藩邸につめ、 武芸道場の師範代をつとめていた。 だが、あるとき、 彼の運命を左右する事件に巻きこまれる。 1857(安政4)年、時計事件。 道場の仲間と酒に酔って 古物商が落した風呂敷包みをひろい、 そのなかの金目の懐中時計を 仲間が質入れして足がついた。 そのころ、江戸にいた 龍馬は、琢磨に江戸から逃げよ、と。 仙台、会津など奥羽をさまよい、越後で前島密に出会う。 のちに「郵便の父」といわれ、 箱館で航海術を学んだ

ペリー提督のあだ名

アメリカの捕鯨船が水や薪をもとめ蝦夷地の近海にあらわれ、 露、英などの軍艦が通商を要求して鎖国の扉をたたいた。 が、扉はひらかれなかった。 ペリーの黒船が江戸城をのぞむ湾ふかくに侵入。 一発の砲弾を打たぬも威嚇され、 仰天した幕府は鎖国の扉をあけた。 1854(安政元)年、開港場となった箱館で、 ペリーは足跡をのこしている。 ペリーが来ると知った 箱館は、てんやわんやのおお騒ぎ。 お触書、「女と子供は外に出すな」「外出はするな」 「海に近寄るな」「居酒屋の営業は禁止」……