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坂本龍馬を従兄弟にもつ 土佐藩士・沢辺琢磨は、 江戸藩邸につめ、 武芸道場の師範代をつとめていた。 だが、あるとき、 彼の運命を左右する事件に巻きこまれる。 1857(安政4)年、時計事件。 道場の仲間と酒に酔って 古物商が落した風呂敷包みをひろい、 そのなかの金目の懐中時計を 仲間が質入れして足がついた。 そのころ、江戸にいた 龍馬は、琢磨に江戸から逃げよ、と。 仙台、会津など奥羽をさまよい、越後で前島密に出会う。 のちに「郵便の父」といわれ、 箱館で航海術を学んだ
アメリカの捕鯨船が水や薪をもとめ蝦夷地の近海にあらわれ、 露、英などの軍艦が通商を要求して鎖国の扉をたたいた。 が、扉はひらかれなかった。 ペリーの黒船が江戸城をのぞむ湾ふかくに侵入。 一発の砲弾を打たぬも威嚇され、 仰天した幕府は鎖国の扉をあけた。 1854(安政元)年、開港場となった箱館で、 ペリーは足跡をのこしている。 ペリーが来ると知った 箱館は、てんやわんやのおお騒ぎ。 お触書、「女と子供は外に出すな」「外出はするな」 「海に近寄るな」「居酒屋の営業は禁止」……