よさこい:人生の半分を費やす価値のある趣味#56~オーケストラ~
今回は、僕がつくるよさこいのイメージを、皆さんにお伝え出来たらなと思います。
(以前い書いた記事に近い内容ですみません)
チームによって、様々な考え方があるのがよさこいの面白さの一つなんですが、僕の作るよさこいは「オーケストラ」に例えることがよくあります。
それは、どういうことかというと、チームのメンバーにはそれぞれ役割があり、それらをプロデュースする役割に、指揮者のような存在が必要ということです。
ただ、これはあくまで演舞を作る立場の人間から見た感性です。
踊ってるメンバーや、振り付けだけを考える、曲だけを考えるという立場の方は当てはまらないと思います。
あくまで総合プロデュースをされている方の話かなと思います。
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考え方
オーケストラはまずどんな曲、どんな楽譜でやるか考えます。
これが、よさこいでいうと演舞曲になります。
それから、どんな楽器編成でやるか考えます。
これは、振り付けや隊列、衣装だと思います。
これらは、それぞれの分野のエキスパートが考えます。(中にはすべてを作っている方もいます)
それぞれ出来上がったものを、いよいよ一つの演舞作品に仕上げていくのですが、ここで大事になるのがそれらを客観的に総合的に見ることができ、どのように演舞をするか考える役割の人。
オーケストラでいうと「指揮者」に当たる人です。
オーケストラは、指揮者によって同じ曲でも、大きく表現が変わります。
僕はよさこいでも、そうだと思っていて、例えばですが、誰でも踊れる同じ総踊り曲で、チームごとに演舞を見せるようなことがあれば、その違いがはっきり分かるのかもしれません。
よさこいの場合は、この曲を選ぶ段階で、自分たちのチームに合う、自分たちのやりたいことが表現できるオリジナル曲を作ることが多いのですが。
そのあたりも、指揮者的な存在の方がいるかいないかは、出来上がりに大きな差があるように思います。
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指揮者の役割**
僕は、自分のチームはもちろんですが、振り付けを頼まれたチームで、そのチームのOKがもらえれば演出などにも関わらせていただいています。
それは、できるだけ一つの作品として責任をもって仕上げたいと思っているからです。
もちろん、そのチームの代表さんや振り担当の方とはしっかりと話し合って進めていきます。
以前にも書きましたが、僕は演舞の隊列に加わり踊ることはありません。
外側から演舞を見て、こうしてほしい、ああしてほしいという役割です。
自分がプレイヤーになってしまうと、周りが見えないからです。
祭りなどで演舞をするときには「煽り(MC)」をやります。
煽りも指揮者のようなイメージでやってます。
オーケストラにおいて、指揮者の役割は、様々な楽器の音を聞き、それらのバランスを取りながら、修正していく。
また、曲のテンポを決め、その曲をどのように表現するかを演奏者に伝える。
場合によっては演奏の仕方や、テクニックなども伝えていく。
そういう役割なのではないでしょうか?
そのためには指揮者自身が、音楽に詳しく、各楽器をしっかりとわかっていて、演奏する技術も、持っていなければなりません。
よさこいも同じです。
よさこいに興味をもち、いろんなチームをみて、知って、それぞれのチームの表現を研究し、見せ方のテクニックや、表現のバリエーションを増やし、それを踊り子に伝えていく。
そういう役割なのではないでしょうか。
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それぞれの表現**
空~Qou~がまだ50人とかいたころ、とにかく演舞がそろうことを意識して練習をやっていました。
よさこいは「集団美」を見せることが大事だと思っていたし、そこが評価のポイントだと考えたからです。
もちろん、今でもその思いはあります。
でも、人数が減ってくると、集団美が分かりにくくなるというか、100人がそろっているのと、10人がそろっているのでは、見た目が全然違いますよね。
10人がすっごくきれいにそろっていても、100人には勝てません(笑)
でも、10人にしかできないこともあるんですよ。
オーケストラかビッグバンドかっていうことですかね。
オーケストラは、楽譜に忠実に演奏し、全員がそろえることで、あのダイナミックさが出ます。
ビッグバンドは、もちろん楽譜通りに演奏はするのですが、個々の演奏の色みたいなものが、乗っかることによって、わくわく感が生まれるように思います。
今の空~Qou~は、ビッグバンドを目指してます。
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それぞれの楽器の違い**
踊り子は、オーケストラでいう楽器の違いみたいな役割があると思うんですよね。
バイオリンもいればフルートもいる。
ビオラがいて、オーボエがいる。
ちょっとわかりにくいですが、それぞれの楽器にしか出せない音色があるように、それぞれの踊り子にしか出せない表現があると思います。
ここで気をつけなきゃいけないのが、自分に合ったが楽器を見つけることです。
さらには、その楽器が大好きになることです。
踊りでいえば、踊り子の年齢や性別、正確や体形、さらには人生経験などで、その時にしかできない踊り・表現があるんですよね。
それに逆らって、自分を表現しようとすると、それは見てる側からも違和感しかないんです。
それを導くのも指揮者の役割ではないのかなと思っています。
僕は、振りのアドバイスをするとき、個々のそういった部分を見ながら、観客目線で一番良い表現を伝えます。
なので、基本的な振りはもちろんみんな同じなのですが、伝える内容は、人によって違うので、時には混乱を招きますね(笑)
ある踊り子には
「そこはもっと、柔らかい表現して」
と言うのに、ほかの踊り子には
「そこは力強さを出して」
なんて、真逆とも思えるアドバイスをすることも。
一見、そんなのおかしいじゃんと思うかもしれませんが、これが全体の絵になったときに、面白い演舞になるんです。
同じ楽器ばかりの演奏よりも、いろんな楽器のバンドが聞きたいですよね。
ここで気をつけなきゃいけないのは、本人がどんな表現をしたいかをいうことです。
客観的に見て、こうがいいというアドバイスはもちろんしますが、それが本人のやりたいことと違っては、なかなか上達しないので、できるだけ、本人の思いに沿いながらも、良い方向に導けたらと思ってやっています。
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個性と調和の融合**
10人~20人規模のチームは、個々の演舞がとても大切になります。
上手い下手ではなく、いかに自分を魅力的に見せれるかを考え、研究し、それを突き詰めていく。
そしてそれを、ほかの人の演舞の中でバランスをとっていく。
これができれば、人数が少なくても、魅力的な演舞ができると考えています。
それを指揮者的な役割の人がうまく導きくことができれば、全体で踊ったときに、バランスのとれた、それでいて面白みのある演舞になるのではないでしょうか?
個性をうまく出しながらも、それが全体のプラスになるよう指揮をする。
そして、全体としてもどんどん気持ちが膨らむような高揚感を高めていく。
そんな役割を自分ができたらいいなと思います。
今回も読んでいただき、ありがとうございました。
過去に書い内容と重複する部分が多いかもしれませんが、お許しを(笑)
それではまた次回!
バイバーイ!!
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