見出し画像

中年たちの合コン

今日は、東京から埼玉へ移動です。
昨晩11時頃までオークラホテルの会議室で打ち合わせをして、
今日は、午前中ゆっくりして、昼から移動です。
習慣的に朝は7時頃に起きているので、
今朝も7時頃には目が覚めて、
ベッドでゴロゴロしながら
ガルシア・マルケスの「百年の孤独」や
三島由紀夫の「仮面の告白」を読んだりして、
ちょっと贅沢な時間を過ごしました。
ホテルのチェックアウトが11時だったので、
ギリギリまでゴロゴロして
10時55分にチェックアウト。
電車で田町から大宮まで移動して、
大宮のホテルのチェックインが午後3時だったので、
ぶらぶらしようと思いつつ、雨も降ってることだし
駅前の大宮そごうにふらりと入りました。
今の本を読み終わったら次の本は何にしようと
本屋でぶらぶら。
扇子でも買おうかなとぶらぶら。
靴下でも買おうかなとぶらぶら。
何も買わないで、ぶらぶらしてると
なんとなくお腹の虫もなり始めたので
レストラン街まで登っていくと、
焼肉屋の看板が目に入ったのです。
一応、レストラン街を一回りして、
脳が焼肉になってしまったので、
看板でみた焼肉屋に入って、
ハラミ定食とアイスコーヒーを注文して、
朝読んでた「百年の孤独」を取り出して
読もうとしたら、
店員さんが話しかけてきて、
団体のお客さんが来たので、
隣に寄ってくれませんかというのです。
断る理由もないので、
そのまま隣にスライドしたら、
店員さんが6人掛けのテーブルをセットして、
お客さんを通したのです。
僕はそのお客さん達の事を気にも止めていなかったのですが、
先頭の男性が
「ありがとうございます」
と横にスライドしたことに対して
わざわざ深々と頭を下げてくれたのです。
見た目では50代中盤くらいの痩せ気味で
頭髪も薄く残っている髪の毛もほとんどが白髪、
カッターシャツにスラックスという出で立ちの
いかにもサラリーマン風の中年男性でした。
その後に続く男性も50代前半くらいの見た目で
その人もわざわざ丁寧にお礼をいってくれたのです。
埼玉の人って随分と丁寧な人が多いんだなと思って
こちらも「いえいえ、ぜんぜんぜんぜん」。と、
軽く会釈をして百年の孤独に目を落としました。
視線はガルシア・マルケス「百年の孤独」の
文章を追っかけ始めてもとなりの人達が気になってしまい、
横目で観ると、男性3人と女性2人。
仕事の同僚や仲間なのだろうと思っていたら、
どうも雰囲気が男性と女性は初対面のようでした。
それぞれの自己紹介が始まったのです。

えー、まじ!皆さん仕事途中でお昼きたんと違うん?
これ、合コンっ!
マジかー。
え、ここでやるかぁ?
そんな高級焼肉店でもないで。
ここで合コンありかなぁ?
いや、ありちゃうなぁ?
もしかして、不倫?
いや不倫て言う感じでもないな。
初々しさがあるな。
女性陣の事、ちゃんと見てないけど、
そこそこ年齢いってる感じやしな。
ランチとはいえ、他にもよさげなとこあったと思うけどな~。
この焼肉屋に入る前に見たけど、
イタリアンとかあったしなあ。
上品そうなカフェもあったけどなぁ~。
合コンやろぉ~。
他にもいい感じの店あったで~。
ああ~!!!
さっきわざわざ男性陣が、
丁寧に挨拶してくれたのって、
もしかして女子へのアピール!
礼儀正しい男、優しい男、
紳士でダンディな自分を披露するために、
わざわざ深々とお辞儀したぁ?
そうやわ~。
ぜったいそうやわぁ。
男性陣3人中2人もが、
めっちゃ丁寧にお礼言ってきたもんなあ。
でも、その裏腹なら合点がいくわぁ。
ただ席を隣に移動しただけで、
そんなに丁寧にお礼あんまりせんもんなぁ。

うわぁ!
休みの日何してますかぁって、女子も質問してるや~ん。
男たち!ゴルフとか言うなよ。
女子でゴルフやる人、少ないで。
言うなよゴルフは・・・。
言ってるやん!!
言うなってばゴルフは!
女子やらへんて。
ほら、見てみろ。
女子の反応も薄いやろが。
薄いのは頭だけでええねんって。
ドライブとか言うとけ。
一緒に行けるやろ。
そんなんやから、
ランチ合コンに
こんな焼肉とか選ぶねん。
まあ、でも
ガルシア・マルケスの「百年の孤独」読んでても、
人間は、誰もが愛が欠如してて、
孤独を感じながら生きてるからな。
裏腹な丁寧な挨拶でも、
頭ちょっとくらい薄くても、
反応が薄くても、
学生みたいに自然な出会いとかないし、
その年になったら出会いにも努力が必要やし、
今日の出会いが
素敵な良い出会いに発展するかもしれんし、
いまは人生百年時代、
まだまだ人生長いしね、
百年も孤独な人生送ってたら、
確かに寂しい。
今日の出会いこそが良い出会いになるはず。
焼肉食べながら、僕はそう信じます。
皆さんに幸せが訪れることを心から願って
今日のランチを終えたのでした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?