33. ナツガッシュクのおもひで Day.3

3日目も朝6時からのランニング、7時からの朝食で始まった。

こころなしか昨晩洗濯で一緒だった女子がよそよそしい。

9時からの練習は筋トレから始まり、その後は例のごとくナチュリバである。

「今日は12曲だ!」


おい。

やっぱり増えてる。しかも2曲ずつ。

結構なハイペースだぞ。


「さっさと始めろー!」

イーチ、ニー、サーン!

「いいぞー! やっと声が出てきたぞー!」

だいぶ慣れてきたけどやはり12曲はキツい。

8曲を過ぎた辺りから1年生の声が小さくなってくる。

「ほら、どしたー! 声が聞こえなくなってきたぞー!」

イーチ、ニー、サーン!

なんとか声を絞り出す。

あと1曲。

「よーし、そこまでー!」

やっと終わった〜。

少しの休息を挟んでいつも通りワルツとタンゴのステップを繰り返す。

やっと午前中の練習が終わりかと思われたその時、部長からさらなる課題が。

「だいぶ体力がついてきたけど、

後半になればなるほどホールドがガタガタだ!

そして“ライズ”も全然できてない!」

“ライズ”というのは両足を揃えた状態で両方のヒールを上げることである。要はつま先立ちの状態だ。

なんかやな予感がするな。


「ということで今日は特訓だ!」

やっぱり。


「じゃあ各自その場所でホールド!

出来た奴はそのまま“ライズ”だ!」

ゲェ〜、これもキツいんだよな〜。


「まずは1曲キープだ!」

まずは? 何曲やる気なのよ?


やっと1曲終える。

この時点で私のふくらはぎはだいぶヤバいことになっている。

「よーし、次の1曲はヒールの下にCDを1枚ずつ置く。

ヒール降ろしたらCD割れるからなー。」

ドSやないかい。


「割ったヤツは弁償だぞー。」

ヒトデナシめ!


「始め!」

2分経過。

ナチュリバの後のコレはなかりツラい。

3分経過。

ヤバい。プルプルしてきた。

「はい、そこまでー!」

あぶねー。


「ラスト1曲はCD2枚でいくぞー!」

鬼かよ!!


「やらないと終わんないぞー。」

クソ〜、やりゃあいいんだろ。やりゃあ!

なかばヤケクソである。

2分経過。

ヤバい! ふくらはぎがもう攣りそう! 

3分経過。

めっちゃヒール降ろしたい! 

降りる! 

降りちゃうよー!


「はい、そこまでー!」

ヨッシャ〜! 

やったったぞ、コンニャロー!!


「やれば出来るじゃん!」

やかましいわ。


「じゃあ昼ごはんをしっかり食べて午後からも頑張れよ!」

・・・そうだ、まだ午前が終わっただけだった。


ぶっちゃけ、この日の午後の練習はあまり覚えていない。

合宿を3日終えてみてわかったのは、全ての練習メニューの中で最もキツいのは“ナチュリバ”である、ということだ。

つまり“ナチュリバ”さえ乗り越えてしまえば、後は何とかなるという事でもある。

しかし、この小賢しい思い込みは痛い目をみることになるのであった。


次回、タカフミついに限界突破!?


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