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お葬式は笑いに包まれて

先週、妻の祖父が亡くなった。91歳だった。

漁師だった祖父には私は2、3回しか会ったことがなく、まともな会話はほとんどした記憶がない。

故人の通夜と葬儀には親族側として出席させて頂いたのだが、ほぼ知らない人に近い。

そんな私でも今回は本当にいいお葬式だったと素直に思うことが出来た。


葬儀にはこんなご時世にも関わらずたくさんの方にご参列頂いた。

それだけ愛された人なのだろう。

聞けば大変な苦労をされてきたようだ。

故人の奥さん、つまり妻の祖母はまだ存命なのだが、もともとは故人のお兄さんの奥さんだったそうだ。

しかし、戦争でお兄さんが徴兵され、そのまま帰らぬ人となってしまった。

そこで故人が「家」を守る為に、未亡人となった兄の奥さんと結婚したということだった。

今では考えられないことだ。

本意ではないこともたくさんあっただろう。

我慢してきたこともたくさんあっただろう。

でも故人はそんな様子は微塵も見せず、自分のことはいつも二の次で、周りの人に真っ先に何でも分け与える人だったらしい。

与える人は与えられる。

故人のことを悪く言う人は誰もおらず、死んでもなお周りの人に愛され、笑いに包まれた葬儀だった。

特に親族は葬儀中も終始故人にツッコミを入れ笑いが絶えなかった。
(もちろん涙もあったが)

決して思い描いていたような人生ではなかったのかも知れない。

しかし、たくさんの優しさの種を蒔いてきた故人は、たくさんの愛を収穫した人生だったのかも知れない。





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