34. ナツガッシュクのおもひで Day.4 〜限界突破〜

※今回はシリアスな内容となっております(笑)

4日目の朝。ランニングをこなし朝食をとる。

練習はいつも通り9時からの筋トレでスタートだ。

「今日は先にライズからいくぞ!」

おっと、そうきましたか。


「まずはホールドを作れー!

出来たヤツはその場でライズだ!」

とりあえず1曲はそのままだった。

「次からはCD使うぞー! まずは1枚だ。」

きやがったな。


2曲目も何とか終了。

「よし、ラストはCD2枚だ!」

やってやるぜ!


1分経過。

ヤバい。

2分経過。

ふくらはぎが限界!

3分経過。

もう無理〜!

「はい、そこまでー!」

あっぶね〜!


「ちょっと水分補給しろ。」

あら、珍しい。このタイミングで。

私はこの時、何かいつもと違う空気をわずかではあるが感じていた。


「今日はナチュリバ14曲だぞ!」

ですよね〜。

でもこれさえ乗り越えれば後は何とかなるし頑張ろ。


そう思い、声を出すのも頑張っていた。

イーチ、ニー、サーン!

他の1年生も慣れてきたのが段々と声も大きく出せるようになってきている。

しかし、いつもなら「いいぞ!」などと声を掛けてくれる部長も今日は黙ったままだ。

あれ? あんまり良くないのかしら。


だいぶ良くなってきたと思うんだけど。

それからもしばらくは声は掛からないまま7曲が過ぎた。

良いからあえて声かけないのかな?


などと都合の良いことを思いながら10曲目を迎え、最初よりは少しずつ声も小さくなってきていた。

11曲目では疲れからか段々と運動量も少なくなってきていた。

あと3曲か、何とかイケそうだなと思っていたその時。

それまでずっと黙ってナチュリバを見守っていた部長が急に叫んだ。

「ストーープッ!!

ヤメロお前らー!」


辺りがシーンとなる。

ナンダナンダ??

「おい、お前らナメてんのか!」


ナニナニ、どしたのよ? 

めっちゃ怒ってんじゃん。


「声も運動量も少なくなってきてんだろーが!」

しょうがなくね?

「お前らあと3曲タラタラやれば終わりだと思ってやってんだろ!」


ギクッ!

「ミエミエなんだよ、そんなの!」

マジすか。

「1年は初めてだからまだしょうがない!

でも2年! お前らは何なんだ!」

あら? ほこ先が2年生にいったよ。


「お前ら2回目だろーが!

なんで声も動きも1年と一緒なんだよ!

おかしーだろーが!」

2年生はうつむきながら黙ってきいている。

「お前らが引っ張らなくてどーすんだよ!」

2年生は無言だ。

「お前らがそんなだから1年がこんなにヘボいんだろーが!」

ん? 急にディスられたな今。


「おい! わかってんのか、2年!」

はい、スミマセン。

「声が小せぇー!」

はい! スミマセンでしたー!

「しっかりやれよー!1年もわかったかー!」

はい!

「もう1曲追加だー!」

はい! (え〜)

そこからはみんな狂ったように声を出し、ぶっ壊れるぐらい大きく動いた。


イーチ! ニー! サーーン!!

イーチ! ニー! サーーン!!

《自分達のせいで2年生が怒られた。

さすがに申し訳ない。頑張らなきゃ!》

という思いで。

15曲が終わった時、1年生はみんなフロアに這いつくばった。


ゼェ、ゼェ、ゼェ、ゼェ、ゼェ、ゼェ〜。

心臓がはち切れそうだ。

「やれば出来るじゃないか! 最初からやれよ!」

ゼェ、ゼェ、ゼェ・・・はい。

ゼェ、ゼェ、ゼェ・・・サーセンした。

体力的にはキツかったが、何かスッキリもしている。


普段あんなに温厚な部長がブチ切れたのはビックリしたが、今のでわかった事もあった。

まだまだ限界じゃなかった。


・・・まだナチュリバ終わっただけど。


アオハルかよ。


次回、限界突破の果てにあるものとは!?


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