【解説】インターンシップについて

最近の就活で耳にする、「インターンシップ」というワード。

これが少々曲者なので、ちょっと解説したいと思います。

これまでの就活の歴史、というか慣習を背景として使われるようになったワードなので、長いうえに少々ややこしいです。

それでもいいよ!という方は是非読んでみてください。

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そもそも学生のみなさん、就活をはじめた頃にリクナビやマイナビ、キャリアセンターなどから「企業のインターンシップに参加しましょう」といった話をされたと思いますが、これがいつの間にか「会社説明会に参加しましょう」という話に変わっていませんでしたか?

インターンシップ?会社説明会??

何が違うの?って感じですよね。


 実は、インターンシップというのは、本来は企業内での体験就業のことですが、ここ数年の就活市場では多くの企業が “インターンシップという名の会社説明会” を行っているのが現状です……

これは、かつて世間の採用活動がどんどんと早期化していった経緯があったのに対し……

( なんか最近、大学2年生とか、3年生半ばくらいとか、すごく早い時期から就活をやらせる会社が増えてるっぽいけど……あんまり早い時期から就活させてたら学生が勉強する時間なくなるし……ちょっとアレよね。ちゃんと学校で勉強するための時間を確保させないとマズくないかしら?※)

という配慮のもと、数年前に経団連から

「あんまり早い時期から就活するのはナシ!せめて3月からでヨロ!※」


というふうに発表された指針に端を発します。

 ※注:超ざっくりと意訳してます。

 で、この指針にリクナビやマイナビなどの大手広告媒体が従ったことにより、これらの媒体に自社情報を掲載している企業では3月より前での採用活動、つまり会社説明会の開催情報などが掲載できないことになったわけです。

 しかし、この指針の趣旨そのものは善意から来ているとはいえ、企業の方ではこれまでの採用スケジュールが大いに狂ってしまうことになるため、そこそこの混乱や反発がありました。


( 実際に、自社サイトだけで採用活動を行っている企業の中には「そんなの関係ねぇ!」と言わんばかりに今まで通りの採用活動を行っていたところもあります。

……というか、大手媒体を使っていた企業の採用活動早期化については、大手媒体が採用情報の掲載開始時期をどんどん早めていった経緯があり、さらに「他社より先に情報公開するプレミアム掲載コースがありますよ!」なんてウリにしていったことがそもそもの原因なので、多くの企業の採用担当者的には「また活動時期が早まるのかよ……予算取りとか原稿作成どうしよ……」ってな感じで採用活動早期化の意図なんて全くなかったんですけどね……)

 そういった反響の結果、なんとか採用活動を今までのスケジュールから大きく逸脱することなく行えるよう、苦肉の策(というか抜け道)として打ち出したのが、この「インターンシップ」だったわけです。

 つまり、企業は今まで会社説明会を行っていた時期に、これらの代わりとしてインターンシップを開催し、そこに参加した学生に “インターンシップ=就業体験という名目” にこじつけて、実質的に会社説明会に通じる内容(または会社説明会そのものの内容)をお話ししているというわけです。

 ただ……これまでは多くの企業が10月〜3月のうちに採用活動をスタートしていたのに対し、インターンシップと名を変えたことで逆に早期化が進んでしまい(インターンシップだったら早くしてもいいんだろ!?ってこと)、今では大学生なら3年生の6月頃からこれらの活動が行われるようになってしまったというのはとても皮肉なことです……

 また、今後はさらに方向性が変わりつつあり、採用活動の時期的な制約を取り払い、日本的な新卒採用の慣習から抜け出し、他国のように通年採用にしていこうという議論もされています。(すでに一部合意していますね)


 とはいえ、ここではこういった経緯や慣習そのものの良し悪しは置いておいて、世の中的な採用市場で使われている用語の意味を(現状の使われ方として)正しく把握しておくように努めましょう。

 なんといっても、事の是非はどうあれそれを使うのはみなさんですし、上手く使いこなせるよう理解することの方がよほど大事ですから。

それではまた。