ERCP概論

ERCP endoscopic retrograde cholangiopancreatography:内視鏡的逆行性膵胆管造影の基本について説明。
準備物品
①十二指腸スコープは上下部消化管内視鏡と異なり、後方斜視であり、ジュに市長入党を正面から見上げ方向に観察可能。鉗子起上台アングルノブがついており、これによってチャンネルから出した処置具を細かく調整できる。
②カテーテル、例えばMTWカテーテル(アビス)、Visiglide(オリンパス)、造影剤はウログラフィン60%、ビジパークなど、
③放射線防護具:時間・距離・遮蔽の3原則をわすれず。鉛カーテン設置は散乱線を防ぐ。
④前処置と投薬
患者は当日の朝から絶食。義歯、金属の装飾品ははずす。透視にものが映らないように着替えをする。静脈ルート確保。
咽頭麻酔はキシロカインスプレー、キシロカインビスカスなど。咽頭麻酔後に腹臥位、血圧計、パルスオキシメーター装着。必ずマウスピースを装着してから鎮静、鎮痛を行う。
鎮静はドルミカム等、鎮痛はソセゴン等、鎮痙はブスコバン等(心疾患、緑内障。前立腺肥大といった禁忌がないこと)。誤嚥性肺炎や窒息のリスクでアネキセート等。
⑤体位
腹臥位で施行。挿入時は右肩を持ち上げ左側臥位のような状態で開始。前庭部まで進めやすい。前庭部に空気が入るため、幽門輪を超えたところで下行部にスコープを落としやすくなるように腹臥位に戻す。
⑥術者の姿勢
患者に対して向かい合う姿勢でスコープを挿入する。そうするとスコープがたわまず挿入可能。十二指腸下行部までスコープを進め、ストレッチしたところで光源側に体の正面を向けて患者と90°になるように姿勢を変える。こうすることでスコープの安定性が増して、左アングルやスコープの半時計回転を強めにかけてもスコープが胃内に抜けることを防ぐことができる。
⑥スコープの選択
オリンパスJF-260 V、TJF-260VTJF-Q290Vなど。観察のみか、処置が必要かで選択。チャンネル径も違う。

参考:消化器内視鏡 大圃流の基本手技より

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