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急いで書いた日記

蒸し暑くてやりきれないが、それでも急がなければならない。あと1時間で会社の飲み会が始まるので急がなければならない。急がなければならないのに、これを書いている。果たしてそんな暇があるのか。いやない。ないけれど、書かなければならない。書かなければならないと書くと、なんだか嫌みったらしく、まるで義務のように聞こえてくるが、ほかでもなく自分自身の意思でこれを書いている。毎日noteを更新すると言った手前義務としてやってしまいがちであるが、自分はこの2000文字の日記を書き続けてくことに、ある一種の愛情を持って接している。その愛情とは一体どこから来ている。それは自分自身にもわからない。ただ急いでこれを書いている。これを書いているという。ただそれだけが愛情があるという根拠となるしるしだ。

別に飲み会が終わって、そのあと家に帰ってから書けばいいじゃないかという声がどこからか聞こえる。きっと幻聴だ。幻聴だろうが、一応答えておく。酒を呑んだ後だと絶対に2000文字も書くことはできない。断言しておく。だから今急いで書いている。もう15分経っている。今からシャワーを浴びて、事務所まで歩いていくと、どれだけ急いでも20分はかかると思う。もう本当に今すぐ準備したほうがいいのは明白である。別に毎日更新を諦めなくてもいいから、2000文字書くのを諦めたらという声も聞こえる。これもまた幻聴である。でも答えておく。いずれにせよまだ間に合うから、ギリギリまで書く、と。

扇風機を「強」にして自分の真横50センチほどの距離でビュービューと風を送らせる。もうあっというまに汗が乾いて、肌がカサカサする。汗も乾いたことだし、シャワーに入るのを諦める。一応諦める。まあどうせ皆んな汗をかいているだろうことは明白だし、おそらくそこまでは清潔さを求められないと信じている。でも時間があればシャワーに入ろうかと思う。でもまだ800文字くらいしか書けていなくて絶望し、やっぱりシャワーに入るのを諦める。髪も毛もバサバサで、汗臭くて、しかも二次会はカラオケに行くらしい。ダメダメだ、シャワーに行く。今すぐに。


(ここで日記は途切れている)

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