審判なき論争

料理研究家のリュウジさんが話題である。
日本を代表するコタツメディア、JCastニュースが伝えるところでは、電子レンジを使うことに安全性を疑問視する投稿をしてきた読者にその根拠を聞くと、匿名のブログメディアで、そんな怪しいものを根拠に物言うな、という話のようである。    

リュウジさんといえば、You Tubeやツイッターでレシピを公開していて、化学調味料や電子レンジなどを駆使して、簡単に美味しい料理のレシピを公開する料理研究家で、検索してブッキングするテレビ番組の製作者にも見つかり、テレビにも出てる人なのだ。

いまソーシャルメディアで人気の料理研究家という人は、味のベースを化学調味料や既成の味に求め、時短と美味しさを両立させた人が人気だと思う。ケチャップから白だし、コンソメ、鶏ガラスープ、ラーメンの調味料、ソースなどなど、時短のために使えるものは何でも使って、美味しくしあげるひとがにんきである。

調理機器も電子レンジ、炊飯器、ホットサンドメーカーなど何でも使い、意外性のある調理機器を使えば使うほどバズるのだろう。
この人たちにとっては、バズらないと生きていけないから、味はもちろん、使う調味料の意外性、出来上がりの味の旨さなど、生き残っていくためには必要だ。リュウジさんのレシピはいくつか試し、本までかっている。美味しい、簡単、そして意外性があり人気なのもわかる。注目してきたので、これまでソーシャルメディアで、反化学調味料派から、因縁をつけられてる現場も何度も見てきた。

どこまでがメジャーなのか、という議論はあると思うが、日本のメディアで、食の安全性のために、スポンサーに喧嘩を売ってきた初のメジャー作品は美味しんぼではないかと思う。小学館というメジャーメディア会社が、直接的ではないにせよ、化学調味料、時短の工程、大量生産、農業の安全性など、これまで取り上げられなかった問題を話題にしたのはすごいと思う。結果福島の原発問題で味噌が付き、懲罰的に終了した感もなくはないが、お向き合いのあるナショナルスポンサーに喧嘩を売りながら、食の安全にこだわったのは、色々大変だっただろうな、と思う。

その昔、商品を徹底的に調べて、その結果を公表したのが、暮しの手帖だった。漫画を書く人とはこちらは別に原作者がいて、原作者のチームと編集者で事実関係を調べていたのだと思う。

その一方で暮しの手帖がある。こちらは会社が一丸となり商品テストを行った会社だ。

森安治の広告はスポンサーの意向に左右されるから入れずに厳しい論評で商品を批判する、という共産党のような雑誌も、もう商品テストもせずにWikipediaによれば、政治記事も増えているそうである。ちーん。(共産党が買収してでも商品テストは続けてほしかった)

さて、話はリュウジさんに戻るが、未だにワクチンを打たない人がいたり、味の素、電子レンジ、形態の電磁波など、自分の健康に敏感な人がいるのは間違いない。

一方おおらかな人もいて、マスコミはスポンサーに関わるところは避けるし、暮しの手帖は商品テストを止めたのなら、基本もう真実はわからない。後は心情的に危ないと思う、という議論にしかならない。ワクチンは危ないかもしれないが、コロナになるよりは安全と人は微妙なところで渡りをつけて、安全と危険の判断をする。ソーシャルメディアの特性匿名性を大いに利用して、なんとかは安全、何とかは危険と議論するのは無責任だ。美味しんぼのように、安全性を議論する危険性を熟知して用心していたメディアですら間違えてしまうのだ。

テレビのフリートークで、何かは危険という発言の多くはベテランプロデューサーによってカットされ、危ない話はテレビには存在しなくなった。でも、ほんとに危険はないのかは誰もわからない。それを検証してくれるメディアも消えて、僕らは何とも頼りない時代を生きている。

暮しの手帖、電子レンジで検索すると、野菜の温めしかできないような物に十万円を払うのはいかがなものか、という商品テストの見出しが出てくる。今のテレビでは、NHKでも言えないセリフである。そんな自己規制社会できちんと物を言うメディアの再登場、お待ちしてます。

つまらない話で恐縮だけど、電子レンジは危険かもしれないし、味の素は体に悪いかもしれない。いずれにせよ証拠はない。僕の目見見えるところには。後は言ってる人を信じるしかない。味の素は安全という人の裏には味の素がいるのかも知れない、という話は結構ある。最後に僕はリュウジさんの本を複数持つファンである。

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