【再ポスト】謝罪させるスキル【冒涜とは】

 芸術関係でよくみる『冒涜だ』とかいうやつ。あくまでも個人的な嗜好の違いによる違和感なのですが、その違和感からくる怒りを『悲しむことで正当性を担保しつつ、第三者や道義を設定することで「主語を大きくして」巧みに詰め寄る』ことで収めようとします。スポーツの力、なんてワードがそれに相当します。
 この数年増殖してたのがコロナでブーストかかった感じです。詰め方として空手に似ていてよくできてるなあと思います。こんな卑怯なヒマ人に腹が立っている僕もかなりヒマ人です。以下。
---《例》---
 アメリカンドッグって、あるじゃないですか。この前すごく悲しい現場に遭遇して、もう立ち尽くしたまま涙は止まらないし、ああ、自分はファミマの前で何故こんなに泣かなければいけないの?って神様に問いかけました。
 許せない。だって、人としてあり得ないじゃないですか。なぜ円柱型の2層構造になってるか、ふつう考えたら常識でわかると思います。どうして外側のパンだけ先に食べるんですか。ハダカんぼうにされたソーセージの気持ちとか、作ってくれた関係者の方々の気持ちとか、国内シェア8割のフルタフーズさんとか、バイトの藤森さんのこととか、踏みにじってるじゃないですか。
 いいんですよ。私のことは。そりゃ悲しいですけど。でも、国内シェア8割のフルタフーズさんのご尽力だけは、それだけは踏みにじらないでいていただきたかった。こんな冒涜ってありますか?
 いや、やっぱり、こんなにアメリカンドッグを愛している私にも謝ってほしいです。アメリカンドッグを正しく愛せない人は買わないでほしいです。もう悲しさで何も手につかないです。あんな食べ方する人は、常識っていうものが分からないので、そもそも人に対して正しくあることができないし、空気だって読めないから最低だと思います。
 あ、ついでに産んでくれた私のお母さんと、育ててくれたお父さんにも謝ってください。バイトの藤森さんの彼女さんにも謝ったほうがいいと思いますよ。だって、踏みにじってるでしょ。思いを。あなたの非常識さで。アメリカンドッグを通して。もし謝らないんだったら、それ相応の措置をとらせていただきます。
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 北海道では、アメリカンドッグに砂糖をかけます。きっとこの人に目ん玉が飛び出るほど叱られるか、ゲレンデが溶けるほど悲しまれると思います。
〈FINE〉

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