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第一回遼遠小説大賞第二次ピックアップF(藤田桜)ブロック

やっほーどうも、評議員Fこと、藤田桜ちゃんです。

あとはもう講評と結果発表を待つばかりですが、ピックアップします。

今回のピックアップの選考基準ですが「他ピックアップで触れられておらず、かつもっと読まれてほしい作品」を優先的に選ばせていただきました。完全に藤田の好みです。なので、取り上げられたから賞レースで有利、または取り上げられなかったから賞レースで不利ということは一切ありません。落ち着いて読んでくださいね。

 辰井圭斗

――幾つもの物語の欠片が重なり合い、たった一つの問いに降り積もる。

私の推しにして企画主催者である辰井さんの作品です。

西欧の衝撃を受けた後の清朝を思わせる舞台で、主人公と親しい人達との別れ、そして別れた道の来し方行く末が描かれています。

何というか、めっちゃよかったんで、とりあえず読んでください……。いやほんと、最後のシーンとか風が肌を撫でて、眼中に美しく映像が浮かぶように思えて、最高でした……。

流石主催者と言うべきか、裏テーマに対して他の方々とまた違った回答を見せてくれる小説でもありましたね。

黒猫の夢 おくとりょう

夢む少女によぎる黒猫、この物語の真相は――?

七五や七七のリズムを基調にして書かれた作品です。

こういった日本語の韻文小説は宮沢賢治の『北守将軍と三人兄弟の医者』など先例がないわけではありませんが、文章の完成度はそれらより高い。というのも、どのくらい真面目に韻律を守るか、塩梅が非常に巧みなんです。

あと小説のコミカルで優しい雰囲気が文章のリズムに調和しているのも素敵でした。

シャーロット恒星間飛行船 @Pz5

――橋守よ、あの歌声のことを僕達に語っておくれ。

使われている技法とストーリーの調和が美しかったです。多分、文学的挑戦と作品の噛み合わせという点においては参加作の中でもトップクラスなのではないかと思いました。

あと世界観の作りも丁寧で、魅せられるものがあります。非常に瑕疵の少ない小説だと言えるのではないでしょうか。

以上で、今回のピックアップは終わりです。

第一回遼遠小説大賞の参加作品はどれも創意工夫に富み、物書きにとってめちゃくちゃ勉強になる作品ばかりですので、ぜひ気になった小説から楽しまれてみてはいかがでしょうか。

次は、講評と大賞の発表が終わった後に、第一回遼遠小説大賞に評議員として参加させていただいた振り返りを兼ねてのピックアップをするつもりです。まったねー。

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