東京でコーヒー休憩

久しぶりに東京に来た。
会社の研修という用事に加え、少しの友だちと遊ぶ大切な小旅行、のつもり。
来年からここに住むのかと考えると少しめまいがするがまだ楽しみが勝っているのでいいとしよう。

今日は地元でたまたま知り合った(知り合いがナンパして一緒にお酒を飲んだ)、年上の女性とお昼ご飯を食べるために渋谷へ。
渋谷はコインロッカーの数をもっと増やすべきだ。まぁ三連休初日だからなのは分かるけど、それにしても少ない。
どこもかしこも空きなしで秋口の気温に汗をかきまくってる中、よく分からん外人がやってる日本文化センター的な所に荷物を預けた。
1000円の料金がインスタさえフォローすれば300円になるという馬鹿な商売をしてた。もちろん即フォロー。

やっとの思いで荷物を預け早々と近くの喫茶店に潜入中。タバコが吸えるし自家焙煎ということは入って知った。
1番安く店の看板メニューであるトップミックスというコーヒーを注文。全然読み進められていない尾崎世界観の苦汁100%を読みながら店員の女性をチラ見。都会の女性はやっぱりかっこいい。
今日は女性と遊ぶので当然一軍の服を着ているのだが、僕はどう見えているのだろう。白黒のラグラン、黒のレッドキャップのワークパンツ、バンズの黒スニーカーにヘッドフォン、一応髪もセットしてきた。あれ、シティボーイなんじゃないか?と、またチラ見。キモいのは分かっているけど、だってこれをかっこいいと思ってもらいたくて着てるから仕方ない。

店の内装は使い込まれた木製で揃えられておりかなり雰囲気がいい。
特に気に入っているのは、渋谷の喧騒が嘘のような店内の落ち着いた雰囲気だ。
昼休憩のサラリーマン、ずっとタバコばかり吸っているおばさん、何か物思いに耽る作家風の男性、痛いカップルなど、様々な人がいる。
でもみんなちゃんと声のボリュームを抑え各々にコーヒーとタバコを楽しんでいるのが良い。
みんな都会に疲れているのか、この店内だけでは落ち着こうという気なのか、田舎者の僕にはまだ解らないが今日だけは彼らに混じって都会人を演じることにしよう。

田舎から都会に出ると疲れるというのはどうやら本当らしい。
こっちで知り合った人はみんな標準語だし文化が違う。土佐弁は恥ずかしくて喋れないので下手な標準語を使うしかない。
酒が入って酔っ払っても使うので全く酒がうまくないし、ちゃんと酔っぱらえない。
道も分からないのでどんな近くの目的地もスマホ片手に移動する始末。1日頭を使いっぱなしの気分なのでそりゃ頭も重くなる。

東京に来て3日目、今初めて落ち着いた時間を過ごしている気がする。喫茶店に入りコーヒーを飲むだけでこんなにも落ち着いた時間を過ごせるのかと少し驚いている。
こっちに住んでいる地元の友だちは1人で過ごす子が多い印象だったのだが、やっと今理解できた気がする。田舎にいる時より1人の時間が大切に思えてくるのだと思う。

僕もまた、彼らのように過ごすようになるのか。それともしっかり都会に染まってしまうのか、来年のことを考えるとまた頭が重くなって来た。もうよそう。
そうこうしていると、コーヒーがかなり冷めてきたのでここら辺にしておこう。カップに残った冷めた黒い液体を一気飲みして、店のドアを開け、再び都会の喧騒へと飛び込む。

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