体操の技を覚えよう【鉄棒01】車輪系の技
男子体操の華とも呼ばれる鉄棒は、男子のいわゆる正ローテーションの最終種目に当たります。
その特徴といえばやはり派手な手離し技が思い浮かぶことでしょう。
しかし、もちろん手離し技だけで演技を構成することはできません。
鉄棒の技グループはこのように分けられています。
グループⅠ：車輪系の技
グループⅡ：手離し技
グループⅢ：バーに近い技
グループⅣ：終末技
手離し技以外にも車輪を使った技、バーの近くで行う技も演技構成に入れなければなりません。
さらに、鉄棒の要素として覚えておいて欲しいのが握り方です。
同じ動きをしても、技完了時のバーの握り方が違うだけで難度が変わったりします。
握り方の種類には以下のようなものがあります。
◆順手
主に後方車輪をする時の握り方。
手が体の向きと同じ方向を向いて握ります。
Men's Horizontal Bar Final | Tokyo Replays
◆逆手
主に前方車輪をする時の握り方。
手が体の向きと反対の方向を向いて握ります。
Men's Horizontal Bar Final | Tokyo Replays Men's Horizontal Bar #Tokyo2020 qualifications - Subdivision 2
◆片逆手
片方を順手、もう片方が逆手で握ります。
演技の冒頭、この握り方で演技を始める選手が多いです。
Men's Horizontal Bar Final | Tokyo Replays Men's Horizontal Bar Final - Artistic Gymnastics | Rio 2016 Replay
◆大逆手
両手を外側に１回ひねらせた状態で握ります。
肩の柔軟性が必要。
Men's Horizontal Bar Final | Tokyo Replays Men's Horizontal Bar #Tokyo2020 qualifications - Subdivision 3 🤸🏽
◆片大逆手
片方を逆手、もう片方が大逆手で握ります。
Men's Horizontal Bar Final | Tokyo Replays
握り方は画像よりも映像で見る方が理解しやすいかと思うので
以降のgif画像なりで覚えるのが良いでしょう。
とにかく握り方にもこれだけ種類があって、握り方で難度が変わる技もあるという事を覚えてください。
これらを予備知識として踏まえたうえで、今回は鉄棒のグループⅠ：車輪系の技にはどんなものがあるのかを紹介します。
➀後ろ振り上がり倒立【Ａ難度】
演技の冒頭、車輪に入るための入り口として使われる技。多くの選手は片逆手握りで入って倒立にあげる時に両逆手握りに持ち替え、前方車輪系に繋げることができます。
②後ろ振り上がりひねり倒立【Ａ難度】
演技の冒頭、車輪に入るための入り口として使われる技。片逆手握りからスタートする選手が多く、倒立にあげる際にひねりを加えることで順手握りになり、後方車輪系へと繋げることができます。
③後方車輪【Ａ難度】
鉄棒の基本となる動き、いわゆる「大車輪」と呼ばれる技です。
バーを握る手から足先まで、体をまっすぐ伸ばした状態で、体が向いている方向に向かって全身を１回転させます。
④後方片手車輪【Ｂ難度】
③後方車輪を片手だけで回してしまう技。
腕１本だけで重い体を軸をブレさせずに１回転させます。
⑤後方とび車輪【Ｂ難度】
③後方車輪で懸垂状態から倒立へ振り上げる動作の中に両腕をバーから離す「とび」局面を見せます。
⑥後方車輪半ひねり倒立【Ａ難度】
③後方車輪で懸垂状態から倒立へ振り上げる動作の中に半分ひねりを加えます。
後方車輪系の技から前方車輪系の技に移りたい時に使われます。
⑦後方とび車輪１回ひねり〔クースト〕〔ホップターン〕【Ｃ難度】
⑤後方とび車輪に１回ひねりを加える技。演技の終盤に使われることが多い技。よく見られる技なので評価も厳しく、明確なとび局面を見せる必要があります。
〔クースト〕という技名が付いていますが、競技者の間では「ホップターン」と呼ばれることがほとんどです。
⑧後方とび車輪１回ひねり片大逆手【Ｃ難度】
⑤後方とび車輪に１回半ひねりを加えて片大逆手握りで技を完了し、前方車輪に繋げる技。
⑨後方とび車輪１回ひねり大逆手〔リバルコ〕【Ｄ難度】
⑤後方とび車輪に１回半ひねりを加えて大逆手握りで技を完了し、大逆手車輪に繋げる技。
同じ動きでも片大逆手握りか大逆手握りで難度が変わってしまいます。
⑩前方車輪【Ａ難度】
体が向いている方向とは反対方向へ大車輪を回す技。
⑪前方車輪半ひねり倒立【Ａ難度】
⑩前方車輪で懸垂状態から倒立へ振り上げる動作の中に半分ひねりを加えます。
前方車輪系の技から後方車輪系の技に移りたい時に使われます。
⑫前方車輪１回ひねり片大逆手【Ｂ難度】
⑩前方車輪から、片手はバーを握ったまま体を１回ひねらせて、一度離したもう片方の手は逆手握りでバーを掴みます。
すると、バーを握ったままの手は大逆手握りとなり、一度離した手は逆手握り、つまり片大逆手握りになります。
⑬前方車輪１回ひねり大逆手【Ｃ難度】
⑩前方車輪から、片手はバーを握ったまま体を１回ひねらせて、一度離したもう片方の手ら大逆手握りでバーを掴みます。
両方の手が大逆手握りになると、難度がひとつ上がってＣ難度になります。
⑭前方とび車輪【Ｂ難度】
⑩前方車輪で懸垂状態から倒立へ振り上げる動作の中に両腕をバーから離す「とび」局面を見せます。
⑮前方片手車輪【Ｂ難度】
⑩前方車輪を片手だけで回してしまう技。
腕１本だけで重い体を軸をブレさせずに１回転させます。
⑯前方車輪１回ひねり片手大逆手後ろ振り上がり１回ひねり倒立〔ツォ・リミン〕【Ｃ難度】
⑩前方車輪から片腕はバーを握りながら体を１回ひねらせて、もう片方の手はバーを握らずに、バーを握る方の手が大逆手握りになりながら片手車輪の用に懸垂状態までぶら下がります。
さらに懸垂状態から倒立に上げるまでの局面で、前半にかけたひねりと反対方向にひねりをかける、つまりひねり戻りながら倒立へと上げていき、両逆手握りで倒立に収める技。
文字で見てもわからないと思いますがこういう技です。
⑰大逆手車輪【Ｂ難度】
両方の手が大逆手握りの状態で前方車輪をするとＢ難度が得られます。
⑱ロシア式車輪【Ｃ難度】
大逆手握りのまま肩を返した背面車輪と呼ばれる状態で前方車輪をするとＣ難度が得られます。
⑲チェコ式車輪【Ｄ難度】
順手握りで肩を返した背面車輪と呼ばれる状態で後方車輪をするとＤ難度が得られます。
鉄棒では基本的な動きである単純な車輪なんかも難度価値点が与えられているんですね。
ただの車輪ひとつでもさまざまな見せ方があり、それが様々な技へと発展していく。
次回は鉄棒の肝である手離し技の紹介です。
画像出典
Men's Horizontal Bar #Tokyo2020 qualifications - Subdivision 3 🤸🏽
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